観光バス事業は名古屋観光日急と名鉄西部観光バス、名鉄東部観光バスを統合し、名鉄観光バスを新設する。また愛知県内の路線バスは名鉄バスに集約する。貸切り車は300両を超える国内最大級の観光バス会社が発足する。
また、名鉄西部観光と名鉄東部観光が行っていた路線バスは名鉄バスに戻される。
名観日急が行っていた名神ハイウェイバス(名古屋~京都・大阪・神戸)と、名鉄バスから移管されたグラバー号(名古屋~長崎)、不知火号(名古屋~熊本)の扱いは今のところ不明だが、名鉄観光バス側が運行を継続する可能性が高そうである。
路線バスの方では名鉄バス東部(岡崎)と名鉄バス中部(長久手)が設立され、路線の委託や市町村からのコミュニティバスの運行を引き受ける。
名観日急は元々、名古屋観光自動車として100%出資の観光バス会社として1951年に設立された。その後、名鉄が出資し経営悪化していた名神ハイウェイバスの運行会社の日本急行バスを1979年に傘下におさめ、2002年には同社とグループの旅行代理店のドラゴンズツアーを吸収し現在の体制となった。なお日本急行バスへは、グラバー号と不知火号が1999年に名鉄本体から移管されている。
同社は豪華な観光バスを導入することで知られており、名古屋スタイルと言われる円形アンテナに大型リヤスポイラーなどを装備した特徴的な観光バスが存在した。
日本急行バスはかっては日本中に路線を張り巡らせることを目標とし、全国のバス事業者からの出資で設立された。その中で主な出資社は名鉄、阪急、京阪、近江鉄道であった。その後の、運輸省と建設省の高速バス運航権争いなどの影響で、結局日本急行バスは名神ハイウェイバスと名鉄から移管の夜行高速バスの運行のみであった。
名鉄西部観光は元々、一宮観光自動車、瀬戸観光自動車、岐阜観光自動車の3社が合併して誕生した会社で、岐阜観光に岐阜バスの資本が入っていた関係で、名鉄100%出資ではなくわずかに岐阜バスの資本が入っている。
最近では、稲沢市内の路線と、一宮市内の路線の1系統を名鉄から移管されており、それ以外でも瀬戸地区の路線を名鉄バスから委託されている。
名鉄東部観光は岡崎観光自動車と豊田観光が合併して誕生した会社で、その後、蒲郡地区の名鉄路線を分社化した三河交通を吸収している。
蒲郡地区の分社に際して設立されたサンライズバスと、三河観光バスが1999年に合併して、三河交通が誕生している。元々三河観光バスは名鉄と名古屋観光自動車が折半で出資してたため、合併後の三河交通にも相応の名観日急の資本が入っていたが、現在の名鉄東部観光は名鉄100%出資である。その関係で、貸切り車の仕様は名古屋観光に準じていた。
また、名鉄東部観光豊田営業所は市内にトヨタ自動車の本社があるため、豊田グループの日野車を導入しており、名鉄グループ内ではかなり異彩を放っていた(近年は貸切り車を中心に名鉄グループ各社とも日野車が増殖中)。
観光路線ともバスのカラーは最近は岡崎観光の花火カラーが採用されている。
同社も岡崎豊田知立地区で名鉄バスからの路線の委託運行を行っている。また、三河海線の廃止区間(碧南~吉良吉田)の代替バスの運行も同社が自治体から委託を受けて運行している。
純然たる自社運行路線として、4月1日で廃止される西尾空港線(中部国際空港~住吉町駅~碧南駅~西尾駅~蒲郡駅、共同運行知多バス)がある。この路線は観光バスタイプの車両を用いた空港バスとしては珍しく、中間停留所間の相互利用が出来る路線である。
なお、名鉄バスには若干の貸切り車(50~60両程度)が在籍するが、それらの扱いについては今のところ正式な発表はない。