nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

規制緩和後のバス事業を考える

2004-08-29 | バス(路線・事業者)
 ここ一年ほどで那覇交通、九州産業交通、京都交通、北都交通などが経営破綻した。規制緩和で観光バス事業も新規参入が増加し競争が激化している。
 ケイエムの略称でしられる国際自動車やホテル経営が主体の国際興業は多角化による負債が増え経営悪化につながった。なお両社は同じ国際を名乗るが、資本関係などは特にない。
 また公営交通も山口市や札幌市、函館市、秋田市、岐阜市、荒尾市などが経営悪化で民営化もしくは民営化への移管途中である。
 このように厳しさが増す公営交通の路線維持の方法として、京都市交通局の例があげられる。京都市は地下鉄開業にともない、収益悪化が予想され、民営バスとの競合路線が多い岩倉・大原地区を京都バスに移管し、山科・醍醐地区を同じく京阪バスに移管し一本化した。
 京都市南部の路線も同様に民間移管を検討したが、収益性が低い路線が多く民営バス移管は進まなかった。そこで市南部の路線を担当する横大路営業所をいくつかのバス事業者と協議の上、京阪バスと阪急バスに運営委託した。路線免許および車両は京都市が保有し、実際の運行と車両の管理を受諾バス会社が行う方式である。この方式は相当な経費節減があったため、京都市は洛西営業所も民間委託することとなって、入札により近鉄バスと阪急バスに運行委託し、経費節減を進めた。京都市は更に市中心部を担当する九条梅津の両営業所と、市北部を担当する西賀茂営業所の民間委託を検討している。なお烏丸営業所については地下車庫という特殊性もあり、京都市直営で残す方針となっている。(錦林車庫は烏丸の出張所扱いのため烏丸と同じく直営で残る可能性が高い)
 この京都市と同じ方式で東京都交通局と苫小牧市交通部が民間に運行委託している。東京都交通局の場合、杉並支所と臨海支所を都が筆頭株主のはとバスに運行委託している。苫小牧市は一部を室蘭市に本社がある道南バスに運行委託している。
 大阪市と尼崎市の場合は、民間バス会社への委託を避け、大阪運輸振興と尼崎運輸振興という外郭団体に運行委託している。
 こうした傾向は今後広がると考えられる。

 横浜市の場合は更に一歩進み、交通局そのものの民営化を行う事を検討している。横浜市の場合、地形的条件や公営バスの越境の問題、更に歴史的経緯から同じ地区に複数のバス会社が存在する地区が多い。なお横浜市内に路線を持つバス事業者は、横浜市交通局、川崎鶴見臨港バス、東急バス、京急バス、江ノ電バス、相鉄バス、神奈川中央交通の7者がある。(一部小田急バスの路線も存在する)これはひとつの都市の路線バス事業者の数としてはかなり多く、各バス事業者のエリア重複も多い。こういった状況のため、横浜市交通局は重複路線の民営バスへの移管を進める方針である。
 熊本県の場合、九州産業交通が戦時中の交通統合により発足した。交通統合は鉄道事業者とバス事業者の統合が普通だが、熊本県の場合、バス事業者と運送業者の統合となった。このことが熊本電鉄と熊延鉄道→熊本バスが存在する理由となる。
 このように九州産交、熊本電鉄、熊本バス、熊本市交通局と複数のバス会社が存在する熊本市の場合、異なる会社の重複するバス路線が多く、似た様な時間帯にバスが走ることも多いという。 九州産交の経営再建の中で熊本市内のバス路線の再編が検討され、重複路線の統合により年間約6億円の経費節減効果かあるという試算が発表された。
 一方新規参入側だが、福島・郡山~仙台間の高速バスに新規参入した富士交通は値下げ競争に破れ経営破綻した。この区間はJR東北バスと福島交通、宮城交通の3社共同運行に富士交通と桜交通の2社共同運行が参入し値下げなどの競争が激化していた。
 京都ではエムケイタクシーが路線バス参入を目指し様々な動きを見せているが、バス停の設置など様々な事で京都市と対立しており、先日ようやく話し合いの場がもうけられた。しかしエムケイタクシーと京都市の間は平行線のままである。


京都市交通局81系統は阪急バス委託 撮影 京都駅前
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合併問題その3

2004-08-18 | スポーツ・プロ野球
 巨人が来年のドラフトで獲得を目指していた明治大学の一場選手に200万円の裏金授受があった問題で、土井球団社長と三山球団代表、更に渡辺恒雄オーナーが辞任しました。
 前々から選手獲得にかなりの金額の裏金が動くというのはよく言われていますが、今まで明るみに出ることはほとんどありませんでした。しかし今回の一件が明るみに出たのは、読売グループ内部で何らかの動きがあったからではないかと思われます。それに直接の裏金授受に関わっていた土井球団社長と三山球団代表の辞任はともかく、渡辺オーナーの辞任は道義的責任とはいえ不可解です。

 それでここからが本題に入るわけですが、渡辺オーナーの「たかが選手」発言以後、読売新聞の不買運動がおき、部数が減少傾向だそうです。販売店から相当突き上げを受けているという話もあり、読売グループ内部で渡辺おろしがおき、辞任に追い込まれたのではという見方もされています。自分から辞めるとは思えない人ですので、周りからよってたかって辞めさせられたというところでしょう。
 一部では自分から辞めて球団及び球界に影響力を残して院政を維持しようという見方もありますが、自分は会見内容などから、この可能性は低いと思います。

 ここからは非常に疑った見方ですが、今まではこういうスキャンダルは表に出ないように処理され、隠蔽されていたと思います。
 渡辺おろしを画策した勢力は、裏金情報が外部からもたらされたとき、あえてこのスキャンダルが表に出るように仕組んだのか、それとも裏金情報が外部からではなく、内部からの情報で渡辺おろしの手段だったのか、いずれにしろ推測の域を出ません。そのあとの明治大学の一場選手に対する処分も、野球部からの退部という比較的緩い処分となっています。これは一場選手を守るために監督が辞任した面も大きいですが、どちらにしても一場選手の選手生命が絶たれることはありませんでした。これも推測の域を出ませんが、読売側から、アマ側に何らかの根回しが有ったのかもしれません。
 また読売側は、この問題の早急な幕引きを進めています。どこか黒幕的人物がいることを匂わせます。

 どちらにしろ、読売グループは老害などと言われるイメージダウンの原因が無くなり、パ・リーグ側にしてみれば1リーグ化の推進論者を失った事になります。1リーグ化の結論は9月6日のタイムリミットに迫っています。

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姫路城

2004-08-12 | 旅行
10日に姫路まで行って姫路城をみてきました。

姫路城は日本で一番大規模に城郭が残っている城で、国宝世界遺産に登録されています。
これ以上はお城の本などに載っていますので省略しますが、興味がある人は調べてみてください。


話がそれますが、その街の名前を聞いてお城を真っ先に連想するのは姫路市ぐらいで、ここまでお城がその街のシンボルになっている例は他に無いと思います。

それで姫路城は姫路市の最大の観光資源だけあって沢山の観光客がいました。
その中には韓国台湾からの人や、北米からと思える人もいました。
韓国や台湾からの観光客が姫路城を見てどう思うかも興味があるのですが、アメリカ人の小学生ぐらいの子どもから姫路城がどのように見えたかのか、もう少し大人になって姫路城の事をどのように思うのか気になりました。
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合併問題その2

2004-08-08 | スポーツ・プロ野球
ライブドアによる近鉄買収が少し前話題になりました。
売るべきとも売らぬべきと言う立場にはないのですが、どうも水面下でいろいろ有るようで、ナベツネ氏のたかが選手発言以後事態がさらに複雑化しています。
近鉄はいったん球団合併を発表した以上、意地になってそれを強行しようとしているように感じます。メンツがありますが、売った方が財務上は有利なのは目に見えています。近鉄が球団に関わり続けるメリットは有りませんし、オリックスの方もデメリットの方が多いように見えます。どちらにしてもいったん発表した以上意地になっているとしか思えません。


ご存じの方も多いと思いますが、アメリカのメジャーリーグの場合、テレビ放映権料はプールされ均等に各球団に分配されます。またサラリーキャップ制も導入され、年俸高額球団は反則金を支払っています。地方球団は分配金をかなり受け取っています。それでその地方球団ですが、年俸高額選手を人気球団に放出し、マイナーから積極的に若手選手を登用することで、年俸総額を抑え黒字を維持することが可能となっています。人気選手は殆どおらず若手選手のみの球団の人気は疑問ですが、若手選手が育って地区優勝やプレーオフ進出を決める球団が増えています。
 高額年俸選手(FAで年俸をつり上げる選手)は放出するという方針も、企業の健全経営として見ると正しいのかもしれません。(FA宣言したら放出というダイエーの方針はどうかと思うが)

 Jリーグの場合、どんどん海外に選手を出しています。国内で面倒をみれない年俸高額選手は海外で活躍しいることは、国際大会を考えると非常に有利な事ですが国内リーグの地盤沈下を招きません。その点について川淵チェアマン(当時)は「トップ選手の抜けた分、下から選手がどんどん上がってきて、Jリーグでプレーし選手が成長しサッカーの底辺が広がる」と話していたことがありました。野球でも同様ではないかと思ったこともありますが、アメリカのメジャーリーグが選手のオリンピック出場を認めていないことを考えると、選手の海外放出のメリットは少ないかもしれません。

今年の2大失言は小泉首相の「人生色々」とナベツネ氏の「たかが選手」かもしれません。
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近鉄オリックス合併問題

2004-08-07 | スポーツ・プロ野球
 自分が出入りしているいくつかの近鉄系の掲示板では、バァローズの話題が挙がります。オリックスとの合併問題が出てからは、この話がかなり出ましたが、当然のごとく合併反対と言う意見がほとんどでした。自分は近鉄養老線のサイトを開いていますが、バファローズファンではなく、地理的に近い中日ドラゴンズファンです。その中日ファンが近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併問題を述べるのは気が引くのですが、少し考えてみたいと思います。

バファローズブルーウェーブ合併で、話は一気に10球団もしくは8球団1リーク化という方向に話が進んでいますが、自分は対処療法に過ぎないような気がします。

 日本の球団の球団の経営状態ですが、パリーグでは近鉄以外にもロッテと日本ハムが大きな赤字を出していると言われています。しかし食品という一般消費者に向けの経営形態のため宣伝効果が非常に大きく、数十億円といわれる赤字を越える宣伝効果があると言われています。しかしこれも親会社の経営悪化が進めばどうなるか分かりません。

 セリーグではヤクルトと横浜が赤字だと言われています。経営形態が変わり、収支の改善を進めようとしている横浜はともかく、ヤクルトの場合、数年前のデリバティブ取引に絡んだ巨額損失事件の直後から身売り話がちらほら出ており、身売り先はかっての親会社で現在一部の株式を保有しているフジテレビ産経グループや、JR東日本、NTTという具体的な企業明まで出たこともありました。(JR東日本だと実質的に買い戻しになるのかなあ)

 広島カープの経営状態は黒字だそうですが、これは広島市民球場の使用料が格安のためだそうで、自前の球場を持っている阪神共々、この点は収支に有利です。
 バファローズの場合大阪ドームの年間使用料が10億円との事で、どう考えても経営上の重荷といえます。ブルーウェーブとの合併後は試合数減少のため年間使用料が5億円以下にならないと、合併のメリットは無いですし経営的にも成り立たないかもしれません。

 選手会と球団側の関係も疑問でナベツネ氏は「古田君の言うとおりやっていたら、日本の球団はすべてつぶれてしまう」といっていましたが、同感のような気がしないでもないです。お互い立場という物も有りますので、何ともいえませんが、権利の主張はするべきですし、建設的提案も必要だと思います。

 結局球団を減らして1リーグかを行い一時的に経営が好転しても、テレビ放映権一括管理等の対策(これも対処療法に過ぎない気がしますが現状よりは多少はマシでしょう)が取られない限りは、第2第3の球団崩壊が起きることは目に見えています。

ライブドアによるバファローズの買収の話がでていますが、それについては次の機会に考えていきます。

http://www.livedoor.com/
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