電気主任技術者の毎月の業務に月点検があります。常勤選任の場合、目の前に特高変電所やサブ変電所となるキュービクルがあります。そのため、いつでも出来るのですが、天候や他の仕事との兼ね合いからする日は限られます。まあ、梅雨の時期以外は、点検日が無いと悩むことはないのですが。
特高変電所は点検箇所が多く、機器の目視点検以外に、VCBやDSの動作回数、変圧器の油温、制御用の蓄電池を見ています。
ただし、C-GIS式の特別高圧機器はすべて密閉式のため、目視点検で見れるところは限られます。VCBの動作回数は、投入不調などで複数回のカウントをする可能性があり、記録を行っています。VCBの動作は、バネをモーターで巻き上げ、ロックを解除することで投入開放しています。このモーターの巻き上げが不調になり、回り続けて焼けることがあるそうです。
蓄電池は鉛電池やアルカリ蓄電池が使われるケースが多く、車のバッテリーと同じく、電解液の減少を確認しています。
電解液の減少は精製水を補充しますが、変電所クラスの鉛電池では触媒栓がついているケースがほとんどです。蓄電池は充放電を繰り返すと、電解液の水が電気分解して、水素と酸素に別れます。そのまま進むと、電解液が減少し、蓄電池のキュービクルの換気が悪いと、水素が充満して最悪の場合、爆発します。大抵は換気扇や換気口あるので、爆発まで至るケースはないのですが、電解液が減少して、電池の容量が減少します。
それを防ぐために触媒栓にて、水素と酸素を再び結合させて、水に戻しています。この触媒栓には寿命があり、電池の余寿命も考慮して交換しています。
サブ変電所、キュービクルの月点検は異音異臭の確認以外はすべて目視でみています。ただしキュービクルそのものの点検ではなく、低圧機器の漏電状況を同時に確認しています。
交流は単相100/200V、三相200Vともに、接地しており、対地電圧が0Vの相が存在します(動灯兼用トランスからの三相供給を除く)。単相3線式の場合は、中性点が接地相、三相200Vの場合、白相が接地されています。
この接地のことをB種接地線といい、変圧器が内部で破損して高圧巻線と低圧巻線が接触したとき、低圧側へ高圧の電流が流れ込んで、負荷側の電気事故を防ぐために接地してあります。
このB種接地線は、逆に低圧側で漏電した電流が、変圧器に戻る時に通る経路になります。このB種接地線の電流をクランプメーターで測定すれば、その変圧器の負荷での漏電が測定できることになります。
高圧受電の外部委託の場合、このB種接地線にセンサーを取り付け、漏電を常時監視することで、月点検を2ヶ月周期に伸ばすことも行われています。常勤の電気主任技術者の場合は、月点検を伸ばすメリットはあまりなく、取り付けていないところが多いです。
このB種接地線の漏洩電流値ですが、許容値は考え方によって異なり、50mAという人もいれば、法令で定められた定格電流の1/2000(0.05%)という人もいます。ちなみに自分は定格電流の1/2000としています。
キュービクルから各機器までの配線と対地間で、静電容量が発生するため、回路の絶縁抵抗値が十分にあってもゼロになりません。とくに、負荷にインバータがある場合、電源側へも高周波ノイズが発生するため、測定器に高周波分をカットする機能をもたせたクランプメーターを用います。
これでも、許容電流まで漏洩電流が下がらないケースがあり、実効値電流を測定するためにI0R式のクランプメーターを使用する場合もあります。電流と電圧の位相差から、容量分の漏洩電流(I0C分)を引いて、抵抗分の漏洩電流(I0R)だけを測定します。このI0R式のクランプメーターは電圧分の位相が必要になるため、電圧センサーが必要になります。
もっとも、実際に機器や配線などで漏電が発生すると、突然B種接地線に1Aを超える電流が流れるので、過去の値の傾向を見ていると大体漏電か異なるかは判断できます。
ここから先の漏電地点を特定できるかは、三相一括クランプである程度把握できますが、低圧側の分電盤系統をどれだけ把握できてるか日頃の鍛錬がものをいいます。
特高変電所は点検箇所が多く、機器の目視点検以外に、VCBやDSの動作回数、変圧器の油温、制御用の蓄電池を見ています。
ただし、C-GIS式の特別高圧機器はすべて密閉式のため、目視点検で見れるところは限られます。VCBの動作回数は、投入不調などで複数回のカウントをする可能性があり、記録を行っています。VCBの動作は、バネをモーターで巻き上げ、ロックを解除することで投入開放しています。このモーターの巻き上げが不調になり、回り続けて焼けることがあるそうです。
蓄電池は鉛電池やアルカリ蓄電池が使われるケースが多く、車のバッテリーと同じく、電解液の減少を確認しています。
電解液の減少は精製水を補充しますが、変電所クラスの鉛電池では触媒栓がついているケースがほとんどです。蓄電池は充放電を繰り返すと、電解液の水が電気分解して、水素と酸素に別れます。そのまま進むと、電解液が減少し、蓄電池のキュービクルの換気が悪いと、水素が充満して最悪の場合、爆発します。大抵は換気扇や換気口あるので、爆発まで至るケースはないのですが、電解液が減少して、電池の容量が減少します。
それを防ぐために触媒栓にて、水素と酸素を再び結合させて、水に戻しています。この触媒栓には寿命があり、電池の余寿命も考慮して交換しています。
サブ変電所、キュービクルの月点検は異音異臭の確認以外はすべて目視でみています。ただしキュービクルそのものの点検ではなく、低圧機器の漏電状況を同時に確認しています。
交流は単相100/200V、三相200Vともに、接地しており、対地電圧が0Vの相が存在します(動灯兼用トランスからの三相供給を除く)。単相3線式の場合は、中性点が接地相、三相200Vの場合、白相が接地されています。
この接地のことをB種接地線といい、変圧器が内部で破損して高圧巻線と低圧巻線が接触したとき、低圧側へ高圧の電流が流れ込んで、負荷側の電気事故を防ぐために接地してあります。
このB種接地線は、逆に低圧側で漏電した電流が、変圧器に戻る時に通る経路になります。このB種接地線の電流をクランプメーターで測定すれば、その変圧器の負荷での漏電が測定できることになります。
高圧受電の外部委託の場合、このB種接地線にセンサーを取り付け、漏電を常時監視することで、月点検を2ヶ月周期に伸ばすことも行われています。常勤の電気主任技術者の場合は、月点検を伸ばすメリットはあまりなく、取り付けていないところが多いです。
このB種接地線の漏洩電流値ですが、許容値は考え方によって異なり、50mAという人もいれば、法令で定められた定格電流の1/2000(0.05%)という人もいます。ちなみに自分は定格電流の1/2000としています。
キュービクルから各機器までの配線と対地間で、静電容量が発生するため、回路の絶縁抵抗値が十分にあってもゼロになりません。とくに、負荷にインバータがある場合、電源側へも高周波ノイズが発生するため、測定器に高周波分をカットする機能をもたせたクランプメーターを用います。
これでも、許容電流まで漏洩電流が下がらないケースがあり、実効値電流を測定するためにI0R式のクランプメーターを使用する場合もあります。電流と電圧の位相差から、容量分の漏洩電流(I0C分)を引いて、抵抗分の漏洩電流(I0R)だけを測定します。このI0R式のクランプメーターは電圧分の位相が必要になるため、電圧センサーが必要になります。
もっとも、実際に機器や配線などで漏電が発生すると、突然B種接地線に1Aを超える電流が流れるので、過去の値の傾向を見ていると大体漏電か異なるかは判断できます。
ここから先の漏電地点を特定できるかは、三相一括クランプである程度把握できますが、低圧側の分電盤系統をどれだけ把握できてるか日頃の鍛錬がものをいいます。
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