nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

電気主任技術者の話・11 低圧配線接続の話

2024-07-24 | 電気主任技術者

電気主任技術者の実質的な担当範囲は、自社選任か外部委託かによって、さまざまだと思います。たとえば、電気保安法人や電気監理技術者に高圧受変電設備の管理を委託している場合、電力会社との間の責任分界点(多くの場合は構内第一柱のPAS)から、変圧器などのキュービクル内の機器までで、低圧配線や機器は名目上は管理しているものの、事実上委託元の会社や、委託元の会社が外注している電気工事会社が管理しているケースが多いです。

それに対して、自社選任の場合は、電気主任技術者が電気機器をすべて管理しているケースが多く、電気工事も電気主任技術者が施工管理するケースが多いです。ただあまりに大規模な事業場だと、エリアごとに代務者がいて、個別に施工管理するケースもあると思います。

 

さて、低圧配線のうち、20A以下でよく使われる電線に、VVFという電線があります。工事業者や地域によってはVA線とも言いますが、単芯のケーブルを2本ないし3本シースに包んだ平型のケーブルです。一般家屋であれば、分電盤より下位は、ほぼこのVVFで配線されていると思って間違いない電線です。

工場やビルなどでも、コンセントや照明はありますので、このVVFはよく使います。たまに、本来は三路用やアース用の3芯VVFを、三相200V供給でも使いますが、ほとんどは単相100/200V供給で使われます。

このVVFを相互接続する場合、リングスリーブが使われることが一般的でした。いまでも施工規則が厳しい現場や防水など特殊な環境だと、リングスリーブが使われるケースが多いですが、それ以外の現場では、差し込み式コネクタが使われるケースも増えています。

 

 

こんなコネクタで、電気工事士の資格試験などでも使われる問題があるそうです。このコネクタ、自分の知る限りでは5社の製品があります。一番有名なのはワゴの差し込みコネクターで、電気工事業者は他社の製品でもワゴと呼んでいたりします。ワゴはこれ以外にも、多数のコネクタをラインナップしています。

その次に有名なのがニチフのクイックロックで、こちらをメインで使う工事業者も多いです。ちなみにニチフはこの接続コネクタよりも圧着端子のメーカーとしてよく知られています。工具商社として知られるトラスコはニチフ製品をメインで扱っている関係で、工場などではこれが一番入手しやすいコネクタです。

カワグチトーメーコネクタは、電材系の卸売店では、一定のシェアがあり、ホームセンターではELPAブランドで知られる朝日電器経由で売られています。オーム電機OKコンも、たまに使っている業者があるようです。

2012年に生産終了したのが、未来工業の電コネ。流通在庫もほぼ無いと思いますが、工事業者がたまに在庫で持っているケースも。

上の写真は3本の線を差し込める製品ばかりですが、ニチフの場合、2本~6本・8本のラインナップがあります。

 

 

これらのVVF接続用のコネクタは、2種類に分けることができます。中のバネが1重の製品と、2重の製品の2種類があり、接続の信頼性が異なるといわれています。2重のほうが信頼性安全性が高いと言われていますが、1重のメーカーは1重の方が、バネが電線に強く接触する、2重は中途半端な接続になって、奥まで差し込まないと接続できないと言っていて、1重の方がいいと言っています。

 

公共系はリングスリーブ限定でこのようなコネクタ禁止ですが、大手ゼネコンなどでは、このコネクタのうち、バネが1重のものは使用禁止で、2重のもののみ使用可としているところもあるようです。

電気工事業者も、リングスリーブしか使わない、2重のバネのコネクタしか使わない、メーカー問わず使うという方が居て、一概には言えないようです。ちなみに自分は情報収集をしていますが、結論が出ていません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 福井鉄道880 | トップ | 大糸線の全通 »

コメントを投稿

電気主任技術者」カテゴリの最新記事