アルペンルートの扇沢~黒部ダム間の関電トロリーバスですが、2018年シーズンをもってトロリーバスの運行をやめて、2019年シーズンからは電気自動車化されます。
残る国内のトロリーバスは、同じアルペンルートの立山黒部貫光の立山トンネルトロリーバスのみになります。(法令上は名古屋ガイドウェイバスもトロリーバスと同じ無軌条電車扱いですが)
関電トロリーバスは大阪市営トロリーバスの技術導入で運行開始した経緯があり、その影響か関電トロリーバス、立山トンネルトロリーバスとも大阪の特装車メーカー大阪車輌工業が車両を製造しています。
この関電トンネルは相当な難工事で、黒部の太陽の映画で有名になった破砕帯は今や伝説となっています。その破砕帯の部分は青い照明になっています。
ただそれ以上にすごいのが、このトンネル、工期短縮のため富山県側からも掘っていて、その地点には貫通点の看板があります。長野県側からは機材の搬入は容易ですが、富山県側からはなんと人力で立山を超えてトンネルの建設資材が搬入されていて、この資材搬入ルートがアルペンルートの元になっています。
途中には行き違いポイントがあり、ここですれ違うダイヤになっています。
トロリーバスは鉄道と違い、レールが帰線にならないため、架線が2本あり、プラス300Vとマイナス300Vが印加されています。感電対策で対地圧を300Vに抑えるため、このようにしているようです。ループ部分や行き違い部分ではプラスとマイナスが混触するため、鉄道でいうところのデットセクションのような構造になっています。
ループ線ではプラスとマイナスが入れ替わりますが、トロリーバスは極性が自動的に入れ替わる仕組みになっています。
ところで、前述のとおり、2019年シーズンからはバッテリー式の電気自動車に更新されることになっています。通常電気自動車はケーブルをつないで充電しますが、関電トンネルに導入されるトロリーバスは架線から充電、つまりJR東日本のEV-E301系のような仕組みのようです。おそらく扇沢駅の架線の一部のみ残され、トンネル内の架線が撤去されるのではないかと思います。
余談ですけど、アルペンルートの電気は関電トロリーバスから室堂まで、黒部ダム所内を除いて、すべて長野県側から中部電力の電気が供給されています。
関電トンネル内には室堂までの送電線も敷設されているそうです。
撮影 2017年11月11日