北斗星編成のみの連結されているツインデラックス、オロネ25-500番台。北斗星の個室寝台の中で唯一、北斗星用に改造された車両ではなく、国鉄時代にオハネ25形から改造されています。
オロネ25-500番台は国鉄最末期の1987年3月末から、上野青森間の寝台特急ゆうづる用として、運用を開始しました。この時、青函トンネル開通後の上野から札幌までの北斗星の運行計画がすでに有ったため、北海道へ急行ブルートレイン用として渡った14系と同じく、扉の引戸化や暖房強化が行われており、耐寒耐雪仕様として改造されています。
国鉄からJRへの移行期にゆうづる編成の24系客車は順次、北海道仕様の改造を受けており、JR化後はJR北海道所属扱いになった車両もあり、JR化後1年間はJR東日本への貸出扱いになっていました。
青函トンネル開業前に、JR北海道所属の車両はゆうづる運転後に青森運転所で編成を組み替えて、試運転中の青函トンネルを経由して順次、札幌に回送され、JR北海道担当の北斗星編成が組み立てられました。
閑話休題、オロネ25-500番台ツインデラックスは、このように国鉄時代に改造されているため、個室寝台のあちらこちらに、JRではなく国鉄らしい箇所があります。
室内にはテレビモニターがありますが、映画の放映のみでBSや地上波を見ることは出来ません。国鉄時代はブラウン管だったのですが、最近液晶に更新されたようです。
下段のベッドを跳ね上げると、ソファーになります。この辺りは、国鉄らしい設計で583系の座席寝台転換や、開放A寝台に相通ずる感があります。
国鉄時代らしい金属製の灰皿が取り付けられています。このご時世にしては珍しく、室内は喫煙可能で、灰皿が設置されています。北斗星は意外に喫煙可能な車両が多く、個室寝台はすべて喫煙可能で、禁煙なのは食堂車、ロビーカーと開放B寝台4両のうちの3両です。
今の個室寝台ではまず考えられない、通路側に窓があります。国鉄時代設計の個室A寝台シングルデラックス、オロネ25-0番台にも通路側のドアに窓があり、それを踏襲したのかも知れません。
上段の寝台には開放A寝台車や583系のような覗き窓があります。今ならもっと大きな窓を開けるのでしょうけど、これも国鉄らしい設計だと思います。
A寝台らしくクローゼットがありますが、国鉄末期の予算が少ない時期だったのかロッカーをそのまま取り付けています。このクローゼットの中に上段寝台に登るはしごが入っています。
車体も前述の覗き窓を除くと、開放B寝台のオハネ25時代のままで、B寝台1区画を個室1室分の広さにしています。
今となっては中途半端な豪華さですが、一応A寝台なのでロイヤルにつぐ、北斗星を代表する寝台車という位置づけのようで、新聞の配達や夕食のデリバリーが可能だったりと、サービス面ではある程度充実しています。
ツインデラックスは北斗星設定時から気になる寝台車だったのですが、乗ってみて満足出来ました。
撮影 札幌駅 2014年10月18日19日