自分は2011年3月8日、中部電力の大口顧客向けの見学会で浜岡原子力発電所に訪問していました。今にして思うとすごいタイミングです。
その後、2014年2月に再度、浜岡原子力発電所を大口顧客向けの見学会訪問しました。このとき、浜岡原子力発電所の安全対策の説明を受けています。巨大な防潮堤を作っていて、この安全対策費を注ぎ込んで、浜岡を動かせないとなると、その巨費は無駄になり、電気料金に反映されるのかなと思った記憶があります。
中立的観点から見ると、原子力発電については、現在の原子力発電所はすべて東日本大震災級の災害が発生しても、問題なく停止できる状況にあると言えます。ただ、いま原子力発電に色々意見を言っている人々は、どちらかというと、さらにすごい災害が起きたとき、未知の災害が起きたときに原子力発電は制御できなくなると主張しています。
阿蘇山クラスの火山の噴火や、原子力発電所内に根尾谷断層のような、数メートルの断層が一度に発生するなど、科学的にも非現実的な災害を主張しています。ただ東日本大震災の前まで、津波の規模を過小評価していて、一部の研究者以外は過去の津波から、原発に津波が押し寄せるとは思っていませんでした。耐震性については、一応中越沖地震などの経験から、ある程度は対策されていたようです。
火山の噴火は、過去の地層などから研究が進んでいますが、そこまでの噴火だと、原発事故云々の前に、その地域が数十年は人が住めない状態になってしまいます。発電所直下の活断層は裁判の焦点になっていて、これについては今のところ裁判では認められていません。原子力発電所の所内で、根尾谷断層のような数メートルの断層が突如出現する可能性は、地学的に極めて低いと思います。
さて、ここからは現実的な話になります。原子力発電が動けは電気料金が下がると言われています。電気料金が高いと産業競争力を失いますが、あまりにも安いと逆に技術革新や節電省エネのインセンティブが高まりにくくなります。このあたりのバランスが難しいわけですが、原子力発電の電力が安くないところまで安全対策費が来ない限り、動かしたほうが産業的には良いことになります。