【PMA】ソニー、APS-Cセンサー搭載のミラーレスαを年内に投入(Impress Watch)
αを名乗る手前、一番気になるのは現行のαマウントとの互換性はどのようになるのか。
マイクロフォーサーズは完全電子マウントのため、機械的な連動部分が無く、従来のフォーサーズとの互換性確保が比較的簡単ですが、αマウントの場合、そうも行かない事情があります。
現行の一眼レフのマウントはキヤノンEFマウントとシグマSAマウント、フォーサーズが完全電子マウントで、ニコンFマウントとソニーαマウント、ペンタックスKマウントには機械駆動部が残っています。
一眼レフの絞り機構は開放状態で、撮影時のみ設定値まで絞り込まれます。そして、撮影が終わると自動的に開放に戻ります。これによって、光学ファインダーが常に開放の明るい状態になり、ピント合わせなどがやりやすくなりました。これが自動絞りで、日本のメーカーが1950年代に開発して、一眼レフが世界的な普及を果たした一因になりました。
自動絞りは従来絞り連動ピンによって、カメラ側から駆動されていました。カメラを装着していない状態では、絞りは最小絞りで、カメラに装着するとピンが押し込まれ、絞りが開放状態になります。撮影時には、このピンの反対側のマウント側のレバーが手前に動くことによって、絞りが任意の値まで絞られます。レンズ側の絞り環がある場合は、その値以上は絞り込まれない事になっています。絞り優先・シャッター速度優先自動露どのマルチプログラム撮影の場合、瞬時絞り込み測光でシャッタースピードや絞り値の補正を行っています。(この辺りKマウントとFマウントでは若干違うようです)
それに対して、キヤノンEFマウントなどは電磁駆動絞りユニットを採用していて、電気信号のみで絞りを動かしています。キヤノンのEFマウントが初めて採用したシステムで、これ以降長らくキヤノン独特のシステムでしたが、シグマやマイクロフォーサーズなども後に採用しています。
もう一つやっかいなのが、オートフォーカス駆動軸です。オートフォーカスの駆動モータは世界初の実用オートフォーカス一眼レフカメラであるミノルタα-7000(1985年)以来、ボディ内にAF駆動のモータを内蔵して、そこから駆動軸を介してレンズのピントを動かしていました。ニコンFマウントやペンタックスKマウントなどもほとんど同じような仕組みを採用しています。
それに対してキヤノンEFマウントはレンズ内にモータを内蔵して、カメラ側から電力を供給して、オートフォーカスを駆動しています。これによってAF駆動軸を廃することが出来ました。ただ超音波モータは上級レンズのみに採用され、復旧価格帯は普通のモータを搭載しています。
その後、ニコンFマウント、ペンタックスKマウント、αマウントでも望遠レンズなどに超音波モータの搭載がされるようになりました。ニコンなどではAPS-Cサイズ用のレンズではレンズ内モーターが標準となっています。
もし、このソニーのミラーレス機で、αマウントが使用可能になった場合、絞りは開放もしくは最小、良くて絞り込み露光で自動絞りは不可能になるのか、カメラとマウントアダプターの間が完全電子マウントで、マウントアダプターに絞り駆動機構を組み込むのか。
オートフォーカスの方は、ニコンのD40(ボディ内にAF駆動モータが無くレンズ内にモータがあるレンズのみでAFが可能)にDタイプのニッコールレンズを付けたときのように、オートフォーカスが駆動せず、マニュアルフォーカスのみになる可能性もあります。
焦点距離を伸ばすテレコンバータの中にはギアを入れて、AF駆動軸をカメラからレンズに伝えているものもあったりしますので、一概には言えないのですが、αマウント用マウントアダプターが用意された場合、絞り連動機構とAF駆動モータが内蔵されたマウントアダプターなんてのもあり得そうですが、スペース的にはかなり苦しそうです。
結局の所、ソニーの発表待ちですが、残るキヤノンとニコンがどう動くか、またシグマも独自にミラーレスの噂が出始めたので、数年後にはミラーレスが一気に主流になりそうな勢いです。