JR東海は211系213系311系の置き換えのため315系の開発を発表しました。315系は8両編成23本4両編成42本の合計352両製造という計画で、すべてロングシートとなっています。
下回りはSiC素子インバータが採用は公表されましたが、永久磁石同期電動機(PMSM)の採用は公表されていません。PMSMを採用すると必然的に1C1Mになるので、インバータの台数が大幅に増えますので、通常の誘導電動機を採用するかもしれません。
現在211系は神領車両区に139両、静岡車両区に111両が配置されています。大垣車両区に311系4両編成15本60両と、213系2両編成14本28両の合計88両が配置されていて、JR東海が所有する211系213系313系は合計で338両になります。315系の製造両数は352両で、差し引き14両の増車になります。朝ラッシュ時の増結や、予備車の確保などがあるのではないかと思われます。
315系は現時点の発表では4両編成と8両編成が製造されますが、東海道本線で8両ロングシートは、名古屋地区静岡地区とも使いづらいというより、使い道がないので、全て中央西線、神領への配置と思われます。4両編成は、静岡地区と中央西線ではないかと予想していますが、大垣への配置もあるかもしれません。
必然的に、飯田線で運用している213系を置き換えるため、いずれかの車輌が転属することになります。飯田線に313系のどの2両編成が転属するかで、313系の動きも大幅に変わってきます。
313系の2両編成は大垣に300番台が16本、5300番台が5本、3000番台が16本、神領に1300番台が32本、静岡に2300番台7本、2350番台2本、3000番台12本、3100番台2本の92本があります。大垣の3000番台は予備車や運用の関係で東海道本線の快速運用に入ることもありますが、飯田線と美濃赤坂支線の運用を主としており、当然213系はそれ以外の車輌で置き換えることになります。ワンマン機器(準備工事を含む)と半自動ドアの装備があるのは、1300番台と2300番台2350番台、3000番台3100番台なので、これらの車輌のどれかが飯田線に転属すると思われます。
また、313系の一部の番台は、回生失効対策で発電制動用の抵抗器を搭載していて、それらも考慮する必要がありますが、現行の213系は回生失効時の発電制動が無いので、抵抗器なしでもなんとかなるかもしれません。ちなみに抵抗器を搭載している313系2両編成は2300番台2350番台、3000番台、5300番台になります。
大垣の300番台5300番台は、半自動ドアやワンマン運転の準備工事がされていないため、飯田線全線での運用の可能性は無いと思われます。ただし、東海道本線の間合いで飯田線南部の豊橋~豊川・新城・本長篠の普通列車運用に入る可能性はあります。
となると、神領の1300番台か、静岡の3000番台3100番台、2300番台2350番台が飯田線に転属になると思われます。
静岡の3000番台3100番台と213系は14本と編成数が一致しますが、静岡から3000番台3100番台が抜けると、身延御殿場のワンマン運用の補充が難しくなります。ただし、身延御殿場運用で14編成、2300番台を含むと静岡地区に2両編成が23編成も必要ないかもしれません。
撮影 2017年1月3日 大垣
撮影 2006年10月15日 大垣
総合すると、現時点では以下の予想をしています。
・静岡車両区
新製
315系4両編成 32本
合計128両
廃車
211系
5000番台 3編成 31本
6000番台 2両編成 9本
合計111両
転出(→大垣)
313系
3000番台 2両編成6本
5両増車
・神領車両区
新製
315系8両編成 23本
合計 184両
廃車
211系
0番台 4両編成2本
5000番台 4両編成20本 3両編成17本
合計139両
転出(→大垣)
313系
1300番台 2両編成8本
1500番台1600番台 3両編成7本
1700番台 3両編成3本
合計46両
転入(←大垣)
313系
1000番台 4両編成1本
3両増車
・大垣車両区
新製
315系 4両編成 10本
合計 40両
転入(←神領・静岡)
313系
1300番台 2両編成8本
1500番台1600番台 3両編成7本
1700番台 3両編成3本
3000番台 2両編成6本
合計58両
転出(→神領)
313系
1000番台 4両編成1本
廃車
213系 2両編成14本
311系 4両編成15本
合計 88両
6両増車
神領は1300番台の運用のうち武豊線関西本線の運用の一部を4両編成化して、飯田線運用分を捻出、3両編成は8500番台を除いてすべて大垣へ転出、飯田線運用も移管と予想しました。中央西線の朝ラッシュ時に315系8両編成に増結する2両編成が不足する可能性があります。
大垣は神領から3両編成が転入して、3+3の固定編成化して5000番台と共通運用化。4両編成1本は事故で入場した編成の代替で転入した編成を返却です。8500番台の扱いも難しく、夕方の中央西線のホームライナー3本4運用以外は8500番台がどうしても必要な運用はありません。313系8500番台は昼間や朝に快速普通列車として使えるので、215系のように昼間持て余し気味になる事はありませんが、有効活用が難しい所です。
313系1700番台の飯田線運用は、東海道本線快速で豊橋停泊の運用に3+3編成の片側に飯田線送り込み編成を入れて、豊橋で編成を入れ換え、飯田線運用を終えた編成を東海道本線の快速で大垣に戻す運用を組む可能性を考えています。
飯田線213系置換えは静岡から3000番台6本、神領から1300番台8本の転入ですが、南部の1~2運用は300番台の可能性もあると予想しています。
大垣への315系の投入が無く神領から大半の313系を転属させる可能性もありますし、10編成程度投入して、東海道本線名古屋地区のロングシートの普通列車の復活もあるかもしれません。