nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

アリバイ崩し承りますの小説とドラマ

2020-03-26 | 書評


少し前、浜辺美波安田顕主演でドラマ化されたアリバイ崩し承ります。原作の本を読んてみました。原作とドラマで事件内容や関係者、トリックほぼ同じですが、警察側の設定はかなり違っていて、原作では新米刑事ですが、ドラマではキャリアの捜査一課管理官(本来捜査一課にキャリア警察官はほとんど配置されない)で安田顕が演じています。さらに、時計店の空き部屋に下宿という形になっています。
またそれ以外の登場人物も、ドラマオリジナルで、警察側のストーリーがなかなか良くできていました。
なお、浜辺美波演じる時計店の店主の時乃も少しキャラが変わっていて、原作では時計店の中で、話を聞いてアリバイ崩しを行う安楽椅子探偵ですが、テレビドラマでは、積極的に事件に首を突っ込んである程度現場に出向いて事件の証拠集めをしています。

小説はミステリーとしてもかなり読み応えがあり、ドラマとは対照的に事件関係者以外のストーリーを極力排除しています。そのため、かなり謎解きに集中できる作品となっています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

電気主任技術者の話・3 特高受電

2020-03-19 | 電気主任技術者

前回は高圧受電の話をしましたが、今回は電力会社の送電線から直接電気をもらう特別高圧受電(特高受電)の話をします。
大規模工場や大型の商業施設、タワーマンションやオフィスビルなどの高層ビル、鉄道変電所などが特高受電の代表例です。

特高受電になる条件ですが、原則として電気を1時間あたり2000kW以上使う需要家となります。
また、2000kW以上の自家発電機がある場合、特高受電でないと電力会社は系統連系を許可してもらえません。そのため、2000kW以上の自家発がある場合、電力会社からの受電が1時間あたり2000kW以下でも、特高受電になります。これは、自家発電機が故障等で停止したとき、バックアップ用の電気を電力会社から供給するためで、バックアップ用の電力は自家発補給電力と呼ばれます。この自家発補給電力も含めて、2000kW以上の場合、特高受電になります。
ただし、近隣に送電線がない場合など、1時間あたりの使用量が2000kW以上でも自家発電がなければ、例外的に高圧受電になります。

特別高圧は、法令上の定義では7000V以上ですが、実際の受電電圧は22KV、33KV、66KV、77KVが多く、一部では154KVも見られます。
1時間あたりの受電電力が10000kW以下であれば、22KV、33KV受電、10000kW以上が、66KV、77KV受電、50000kW以上が154KVとされていますが、近隣の送電線との兼ね合いで、郊外の工場などでは5000kW以下でも66KV、77KV受電が多く見られます。

高圧受電ではほぼ1回線受電ですが、特別高圧受電からは2回線以上で受電するケースも多数見られます。これは特別高圧の場合、電力会社側、需要家側ともに送電線路の補修や遮断器の点検は、原則として停電が必要なためです。高圧の配電線では、停電を伴わない補修工事のケースもあります。
2回線受電の場合だと、通常、片側から受電して、予定された停電時は予備の側に手動で切り替えて受電します。また突発的な停電時には、予備の側に自動的に受電を切り替えて復電する機能もあります。
電力会社側では2本の送電線を1号線2号線として区別していますが、同じ送電線路でも、需要家および配電変電所によって2回線のどちらから受電しているかは異なります。また受電している側の送電線を常用線や本線、予備の側を予備線と呼ぶ場合もあります。

3回線で受電するスポットネットワークという方式もあります。これは3回線のうち2回線で受電して、回線の停電時に瞬時に予備線に切り替える方式です。この切替が自動で、瞬時に行われるので、データセンターには好まれますが、供給電圧が原則22KVもしくは33KVなので、大きな需要化には対応できません。周りの特高受電の需要家は3回線受電のスポットネットワークなのに対して、超高層ビルのような大きな電力が必要な需要家だけ、77KVの2回線受電というケースもあります。
また、スポットネットワークの送電網があるのは、東京23区の半分程度と横浜市、川崎市、名古屋市、札幌市、仙台市、大阪市、福岡市などの中心部に限られます。
また、1回線の特高受電も少なからず見られます。これは、電力会社の変電所と需要家の送電線路が直結していて、配電用変電所や他の需要家がない場合などは比較的多くみられます。
また、古い時代からある33KV送電線路では、もともと1回線しかなく、送電線路の点検工事などの時は、その送電線から受電している特高受電の需要家すべてを停電にする必要があります。鉄道変電所が1回線の送電線路から受電していると、終電後の夜間しか送電線路の停電ができないケースもあります。


この特高受電では電気主任技術者の常勤が義務付けられます。高圧受電までは、電気主任技術者は外部委託可能なので、社内で電気主任技術者を雇い入れる必要はないのですが、特高受電の場合、工場などでは社員の中から電気主任技術者を選んで選任します。また商業ビルなどでは、ビル管理会社に電気主任技術者が電気主任技術者を選任しています。
第三種電気主任技術者は50KVまでしか管理できないので、66KV・77KV・154KV受電が多い郊外の工場は第二種電気主任技術者が必要になります。
ただし、第一種電気主任技術者、つまり170KV以上の純然たる需要家は、知られている限りでは、275KV受電のJR東日本の新幹線の鉄道変電所でぐらいです。そのため第一種電気主任技術者は非常に需要が少なく、電力会社や発電事業者を除くと、ほとんど必要ない資格になります。

続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆうづる→北斗星

2020-03-13 | ブルートレイン

本日3月13日は青函トンネル(1988年)の開業日です。青函トンネルの開業と同時に運行を開始したのが、ブルートレインの北斗星。最大3往復運転され、青函トンネルを通過する列車の代名詞にもなりました。
北斗星は新設列車のように思われていますが、JR的には青函トンネル区間を除いては、既設の列車の時刻変更扱いとなっています。
具体的には本州内がゆうづる2往復、北海道内が北斗1往復からの変更扱いとなっています(北海道内の1往復は新設扱い)。

ゆうづるは1985年3月の改正で、それまでの5往復から583系1往復、24系客車2往復の計3往復に削減されました。さらに翌年、1986年11月の改正で24系客車の1往復は季節列車に格下げになっています。この1986年11月の改正で、ゆうづる1往復が季節列車に格下げになったのは、この時期にすでに北斗星の運行計画があったためだと言われています。
多客期を除いて、ゆうづる1往復を運休して、24系客車を工場に入場させて、ドアの引き戸化や暖房強化などの北海道対策と、青函トンネル通化のための防火対策の改装を順次行っていました。国鉄時代に、一部車輌は完成して、ゆうづるに組み込まれて使用されていました。その中にはオロネ25形500番台ツインデラックスも含まれていました。
1987年に国鉄が分割民営化されると、ゆうづる用の24系客車はJR東日本とJR北海道に分割して継承されました。青函トンネルが開業するまでの1年間は、JR北海道の車輌も、JR東日本への貸出扱いで青森をベースでゆうづる2往復(1往復は季節列車)に運用されていたようです。(JR北海道車は日本海やあけぼので使われていた可能性もあります)
国鉄時代の改造は、各地の工場で行われ、食堂車のスシ24は松任幡生で、ツインデラックスオロネ25形500番台は土崎大宮で、電源車カニ24形500番台は土崎で行われています。

JR化後の客車の改造は、JR東日本の大宮工場(現大宮総合車両センター)とJR北海道の苗穂工場、五稜郭車輌所で行われています。ツインデラックス以外の個室寝台、ロイヤル・ソロ・デュエットやロビーカーなどの北斗星オリジナル車はすべてJR化後の改造ですので、苗穂工場や五稜郭車輌所でも、24系客車がかなりの両数が改造されたようです。ただ、通常の開放B寝台の北海道仕様への改造は、改番を伴わないので、時期や場所はよくわかりません。
このJR化前後の時期に、青函連絡船の航送で24系客車が本州と北海道の間で回送されたと思われるのですが、具体的な情報を見たことは今の所ありません。



青函トンネル開業直前には変則運用で、札幌発の北斗星の車輌を送り込んでいます。
1988年2月号の時刻表を見ると、上野青森間の東北本線及び常磐線経由の寝台特急はゆうづる1・6号とはくつる1・4号が583系電車での運転、ゆうづる4・5号が24系客車での運転、またゆうづる2・3号とはくつる2号が季節列車で運休中となっていました。(はくつる3号については後述)
電車2往復、客車1往復というわけですが、ダイヤ改正前々日の3月11日から変則運行が行われます。青森発3月11日のゆうづる4号と、上野発の3月12日のゆうづる5号が583系電車の臨時列車扱いで運転されています。

3月10日上野発のゆうづる5号で青森へ向かった24系客車は、青森到着後、11日に青森運転所でロイヤルや食堂車など組み込んで、青函トンネル開業前日の3月12日に試運転中の青函トンネルを経由して、札幌まで回送されています。これがJR東日本持ちの3月13日の札幌発の北斗星6号の1番列車になりました。
JR北海道持ちの3月13日の上野発の北斗星1号の編成は、11日に札幌からロイヤルと食堂車などを本州に回送して、尾久でJR東日本に貸出中のゆうづる編成を組み替えて北斗星編成を組み立てたようです。
このとき、札幌から尾久に回送されたのは、オハネフ25 3、スシ24 501、スハネ25 501、オロネ25 502、オロハネ25 552の5両です。
なお、JR北海道持ちの札幌発の北斗星2号については、直前に回送が走った記録がないので、予め青函連絡船の航送で車輌が札幌に来ていたようです。
JR東日本持ちの季節列車北斗星4号は、青函トンネル開業当日の13日に青森から札幌まで回送列車が運転されています。オールB寝台編成のため、直前まで日本海で使われてた編成のようです。
JR東日本持ちの13日の上野発の北斗星5号は、12日青森発のゆうづる4号の編成に、改正当日、尾久で食堂車やロイヤルを組み込んで運行しています。

またあけぼのもこの改正で北斗星への車輌捻出のため、3往復から2往復になっています。あけぼのは改正前上野~秋田間1往復、上野~青森間2往復で、3往復とも秋田運転区の開放A寝台を連結した24系客車で運転されていました。青森あけぼの1往復は秋田あけぼのと、青森あけぼののもう1往復は出羽と共通運用となっていました。
このとき廃止された秋田あけぼのも秋田発3月11日のあけぼの2号と上野発3月12日のあけぼの5号が583系電車での運転、3月12日秋田発のあけぼの2号は青森の車輌でA寝台なしの24系客車で運転されました。これがそのまま3月13日の上野発のJR東日本持ちの季節列車北斗星3号になりました。



ところで、改正前日の3月12日には、上野発青森行きのはくつる3号が583系電車で運転されています。おそらく青函トンネルの開業需要に対応するため、臨時で運転されたようです。
東北の583系電車は国鉄JR時代を通じて、青森に配置されていましたが、対になる団体列車があったのか、青森から回送されたのかはよくわかりません。

また、JR東日本のゆうづる用の24系客車は青森運転所(現盛岡車両センター青森派出所)の所属でしたが、北斗星運転開始で、青森運転所は日本海を運用分を除いて、尾久客車区(現尾久車両センター)に転属、秋田運転所(現秋田車両センター)のあけぼの用の24系客車ははあけぼのや出羽運用を尾久や青森に移管の上、青森と尾久に転属しています。


撮影 2010年5月22日 大宮総合車両センター
2006年5月3日 上野駅

参考文献 JR時刻表88年2月号
鉄道ファン 1993年12月号 特集:惜別ゆうづるの28年
Rail Magazine 2013年10月号 特集:いまこそ北斗星
鉄道ピクトリアル 2015年8月号 特集:寝台特急「北斗星」

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ファンタいよかん

2020-03-09 | 清涼飲料水


ファンタのいよかんバージョン。ヨーグルト風味のいよかん味なのですが、2つの味がよくマッチしています。オレンジと違って若干の苦味があり、そのあたりがいよかんらしい味です。

https://www.cocacola.co.jp/press-center/news-20200203-14
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

315系投入と313系の移動予想

2020-03-08 | 鉄道
JR東海は211系213系311系の置き換えのため315系の開発を発表しました。315系は8両編成23本4両編成42本の合計352両製造という計画で、すべてロングシートとなっています。
下回りはSiC素子インバータが採用は公表されましたが、永久磁石同期電動機(PMSM)の採用は公表されていません。PMSMを採用すると必然的に1C1Mになるので、インバータの台数が大幅に増えますので、通常の誘導電動機を採用するかもしれません。

現在211系は神領車両区に139両、静岡車両区に111両が配置されています。大垣車両区に311系4両編成15本60両と、213系2両編成14本28両の合計88両が配置されていて、JR東海が所有する211系213系313系は合計で338両になります。315系の製造両数は352両で、差し引き14両の増車になります。朝ラッシュ時の増結や、予備車の確保などがあるのではないかと思われます。

315系は現時点の発表では4両編成と8両編成が製造されますが、東海道本線で8両ロングシートは、名古屋地区静岡地区とも使いづらいというより、使い道がないので、全て中央西線、神領への配置と思われます。4両編成は、静岡地区と中央西線ではないかと予想していますが、大垣への配置もあるかもしれません。
必然的に、飯田線で運用している213系を置き換えるため、いずれかの車輌が転属することになります。飯田線に313系のどの2両編成が転属するかで、313系の動きも大幅に変わってきます。

313系の2両編成は大垣に300番台が16本、5300番台が5本、3000番台が16本、神領に1300番台が32本、静岡に2300番台7本、2350番台2本、3000番台12本、3100番台2本の92本があります。大垣の3000番台は予備車や運用の関係で東海道本線の快速運用に入ることもありますが、飯田線と美濃赤坂支線の運用を主としており、当然213系はそれ以外の車輌で置き換えることになります。ワンマン機器(準備工事を含む)と半自動ドアの装備があるのは、1300番台と2300番台2350番台、3000番台3100番台なので、これらの車輌のどれかが飯田線に転属すると思われます。
また、313系の一部の番台は、回生失効対策で発電制動用の抵抗器を搭載していて、それらも考慮する必要がありますが、現行の213系は回生失効時の発電制動が無いので、抵抗器なしでもなんとかなるかもしれません。ちなみに抵抗器を搭載している313系2両編成は2300番台2350番台、3000番台、5300番台になります。

大垣の300番台5300番台は、半自動ドアやワンマン運転の準備工事がされていないため、飯田線全線での運用の可能性は無いと思われます。ただし、東海道本線の間合いで飯田線南部の豊橋~豊川・新城・本長篠の普通列車運用に入る可能性はあります。
となると、神領の1300番台か、静岡の3000番台3100番台、2300番台2350番台が飯田線に転属になると思われます。
静岡の3000番台3100番台と213系は14本と編成数が一致しますが、静岡から3000番台3100番台が抜けると、身延御殿場のワンマン運用の補充が難しくなります。ただし、身延御殿場運用で14編成、2300番台を含むと静岡地区に2両編成が23編成も必要ないかもしれません。



撮影 2017年1月3日 大垣



撮影 2006年10月15日 大垣


総合すると、現時点では以下の予想をしています。

・静岡車両区

新製
315系4両編成 32本
合計128両

廃車
211系
5000番台 3編成 31本
6000番台 2両編成 9本
合計111両

転出(→大垣)
313系
3000番台 2両編成6本

5両増車

・神領車両区
新製
315系8両編成 23本
合計 184両


廃車
211系
0番台 4両編成2本
5000番台 4両編成20本 3両編成17本
合計139両

転出(→大垣)
313系
1300番台 2両編成8本
1500番台1600番台 3両編成7本
1700番台 3両編成3本
合計46両

転入(←大垣)
313系
1000番台 4両編成1本

3両増車

・大垣車両区
新製
315系 4両編成 10本
合計 40両


転入(←神領・静岡)
313系
1300番台 2両編成8本
1500番台1600番台 3両編成7本
1700番台 3両編成3本
3000番台 2両編成6本
合計58両

転出(→神領)
313系
1000番台 4両編成1本

廃車
213系 2両編成14本
311系 4両編成15本
合計 88両

6両増車

神領は1300番台の運用のうち武豊線関西本線の運用の一部を4両編成化して、飯田線運用分を捻出、3両編成は8500番台を除いてすべて大垣へ転出、飯田線運用も移管と予想しました。中央西線の朝ラッシュ時に315系8両編成に増結する2両編成が不足する可能性があります。
大垣は神領から3両編成が転入して、3+3の固定編成化して5000番台と共通運用化。4両編成1本は事故で入場した編成の代替で転入した編成を返却です。8500番台の扱いも難しく、夕方の中央西線のホームライナー3本4運用以外は8500番台がどうしても必要な運用はありません。313系8500番台は昼間や朝に快速普通列車として使えるので、215系のように昼間持て余し気味になる事はありませんが、有効活用が難しい所です。
313系1700番台の飯田線運用は、東海道本線快速で豊橋停泊の運用に3+3編成の片側に飯田線送り込み編成を入れて、豊橋で編成を入れ換え、飯田線運用を終えた編成を東海道本線の快速で大垣に戻す運用を組む可能性を考えています。
飯田線213系置換えは静岡から3000番台6本、神領から1300番台8本の転入ですが、南部の1~2運用は300番台の可能性もあると予想しています。
大垣への315系の投入が無く神領から大半の313系を転属させる可能性もありますし、10編成程度投入して、東海道本線名古屋地区のロングシートの普通列車の復活もあるかもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする