ストレスホルモンは年をとったときの短期記憶の欠損と関連する
アイオワ大学の新しい研究は、ストレスホルモンと高齢者における短期記憶欠損の潜在的な関連を報告する。
Neuroscienceジャーナルで発表された研究では、コルチゾール ― 我々がストレスに曝されているときに急増する天然ホルモン ― のレベルが高いと、年をとった時に記憶力の低下につながる可能性があることを明らかにする。
この研究において、UI研究者は、高い量のコルチゾールと前前頭皮質でのシナプスの段階的な喪失とを関連付けた。前前頭皮質は短期記憶を貯蔵する脳の領域である。
UI心理学准教授のジェイソン・ラドリーたちによれば、コルチゾールに関連する短期記憶の低下は65歳ごろに始まる。それはラットの21ヵ月に相当する。
UI科学者は高齢のラットを4ヵ月のラット(20歳相当)と比較した。
若いまたは高齢のラットのグループはさらに、コルチコステロン ― ヒトにおけるコルチゾールと同等のホルモン ― が自然に高いか自然に低いかによって分けられた。
研究者はT字状の迷路にラットを配置して時間の間隔を開けて走らせると、高いコルチコステロン・レベルをもつ年老いたラットは最悪の事態を一貫して実行した。
低いコルチコステロン・レベルをもつ老齢ラットは80パーセントが正解だったのと比べて、高いコルチコステロン・レベルの老齢ラットは58パーセントだった。
研究者がラットの前前頭皮質から組織標本をとって顕微鏡で検査すると、貧しいパフォーマーは他の全てのグループより小さくそして20パーセント少ないシナプスしか見られず、それは記憶喪失を示していた。
しかし研究者は、我々が年をとったときの精神的低下と記憶喪失に関して、ストレスホルモンは多くの因子のたった1つであるのを思い出すことが重要であると言う。
学術誌参照:
1.老化とHPA状態は、前頭葉前部の欠損を予測する。
J. Neurosci 2014;
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140617210118.htm
<コメント>
ストレスホルモンが高いラットは、高齢になってからの短期記憶が劣るという研究です。
ラットにストレスを与える実験ではないのでヒトのストレスとは比べられないかもしれませんが、参考にはなると思います。
関連記事には、笑って記憶喪失と戦おう!というものがあります。
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/04/140427185149.htm
>Fight memory loss with a smile (or chuckle)
>The stress hormone cortisol can negatively affect memory and learning ability in the elderly.
>Researchers found that showing a 20-minute funny video to seniors helped them score better on memory tests and significantly reduced their cortisol levels when compared to non-video watchers.