今シーズン最後の花祭りである。当地区には行かなかった年もあるけど長年通っており、お世話になっている。ワクワクしながら向かった。
午後6時前に到着。当地区の花祭りはよく雨が降ってしまうのだが、今年は朝まではなんとかもちそうで、暖かいこともあり、見物客が多かった。食べ物を売ってくれる屋台の前をまず通り過ぎて挨拶したのだが、いつも来ている2店のうち、たこ焼き屋さんが都合悪くて来れなかったと、もう1つの焼き鳥屋さんから聞いた。たこ焼き屋さんは前行っていた銭湯でよく会っていた。その代わり、串カツ、五平餅を売る店があった。会所で奉納してから中に入ると、いろりの所に豊川の花キチ少年が既にいた。この前の写真を渡し、一緒にいた地区の人にも挨拶した。花太夫さんが挨拶しに来て下さり、恐縮だった。
ほどなくして、花太夫さんによる「撥の舞」が始まった。しっとりとした舞である。花キチ少年は早速笛で役を担い始めた。
「市の舞」。終盤の跳躍するところが好きである。
「地固め(扇)」。「て~ほへ」の声もあがり始めた。
「花の舞(盆)」。せいと衆も集まり始め、共に「歌ぐら」を唱えた。ほとんど中には入ってこなかったけど、豊根村の人が何人か来ていた。名前を知らない人も多いけど、また顔を合わせられる嬉しさがある。
次の扇の手のところで、「みかん屋、じゃま」と言われた。しばらくは真に受けて隅っこにいたけど、「あ~『山見鬼』の伴鬼やれってことか」と気付いた。「茂吉鬼」で声掛かると予想していたし、この時間ならやり手見つけやすいだろから、もう声掛かると思ってなかった。神部屋に入った。もう1匹は花キチ少年が担った。僕は大きな面を被ることになった。顔に枕を巻いてもらった。わらじを片方変に穿いてしまって、Mさんに指摘されてしまった(汗) 確か、「花の舞」は盆、扇の2折だったと思う。担い手のちびっこが確保し辛そうである。
花キチ少年の後に舞庭に出た。ここはかまどを周回しながら舞うので、メガネを外していると舞い辛い。舞っている途中に「そろそろ休めや」と言われ、そこで気が一旦抜けてよろめいてしまったよ・・・。親鬼様が登場し、共に舞おうとするも、見物客が多いので全然動けなかった。親鬼様と一緒に山割の所作をする時が神妙な気持ちになる。親鬼様が帰られた後、頑張って舞い、自分も帰った。
「三ツ舞(やち)」。素面の舞では一番好きである。様々な所作があり、呪術的である。
多くの「一力花」が途中に組み込まれた。他地区の人も舞い、東栄町の花祭りのシメという感じもあった。画像は月地区の人達。
「榊鬼」。問答があって、神々しい鬼様である。
伴鬼は下粟代でも担ってくれた2人の小学生と、東園目地区の小学生が担っていた。頼もしい花祭りの後継者である。
時計を見て「湯ばやし」は7時過ぎに始まると予想し、車で仮眠した。7時に戻ったら、既に始まっていた。しかし、仮眠する前まで聞こえていた囃子声が聞こえない。慌てて中に入り、囃し始めた。他の人も声枯れしてても頑張って囃し始めてくれた。「茂吉鬼」の伴鬼はお役御免だった。いつも竃のお湯の調整の手伝いをしている。水、湯をバケツで運んだりして手伝った。ついに湯たぶさでお湯を撒き始めた。僕はセンターにいたし、湯たぶさで頭を叩かれたりして、舞子の攻撃対象にされた(苦笑) お湯を湯たぶさにたっぷりと浸し、外まで撒きに行っていた。お湯が少なくなると、一旦抜いてバケツにキープしていたお湯を継ぎ足した。地面はもうビショビショ(笑) 舞が終わると、地面にワラを敷く手伝いをした。
「茂吉鬼」。きれいに蜂の巣を払ったなあ。祓い銭は残念ながら取れなかった。いつもの様に、どこに落ちたのかは教えません(笑)
「獅子」。あやし役を花キチ少年が担っていた。あらゆる役を寝ずにこなしていて、感心した。獅子に攻撃されていたけど(笑)
「獅子」は湯たぶさでお湯を撒く事もする。
なんとか雨も一時降っただけで、舞が終了した。最近は雨のせいか片付けの多くを後回しにしていて、あまり手伝いをしていなかったが、今回はほとんどが行なわれた。でも、扉をはめるまで手伝ったのは初めてである。幟旗の柱を下げる際に綱取りをやった。下手なことをすると事故につながるから、緊張した。指示を聞きながらロープを引っ張った。
布川の特色である1本の箸でお粥をすすった。昔の大神楽の次第の白山浄土入りに通ずるとされている。
地区の人達に挨拶し、帰路に就いた。途中、国道のドライブインに寄った。豊根村の花祭りに行ったら、豊根村の物を買っているし、下粟代の場合は営業時間が通過時に合わない。「ふきのとうが無いかな?」と探したけど、残念ながら無かった。「花まつりの湯」には置かれなくなってしまった町内の豆腐屋さんの「おにあげ」が好きで、それと豆腐、にんにくの芽を買った。東栄チキンさんの方は、最近しょうゆ味の焼き肉、フランクフルトを食べたので、今回はソーセージにした。
地元の人が温かく接して下さり、共に楽しむ花祭り。昔放送されていた「まんが 日本昔ばなし」のエンディング曲の「いいないいな、人間っていいな」というフレーズが思い浮かぶ。来シーズンを楽しみに、頑張って生きていこう。