日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

アメリカの保守本流

2008-04-11 23:39:27 | Weblog
家には買ったまま本棚に飾ってあったり、読みかけの本が色々散らばっているので、何年か前に買った広瀬隆さんの『アメリカの保守本流』を手にとってみました。

ブッシュ政権とはいったい何だったのかずっと気になっていたのですが、あ~、これは凄いや。

米国の石炭エネルギーによる発電比率が高い理由。そして鉄道会社との関係。大財閥の一族の政界入りで、あまりに目立ってしまったネルソン・ロックフェラー副大統領就任以降は、大統領補佐官と、副長官のポストが政治を動かす重要人物の地位であったとか面白いですな。そしてロスチャイルド一族がモルガン商会を育て、その下に投資銀行のゴールドマン・サックスやら、リーマン・ブラザーズがあって、ブッシュはゴールドマン・サックス出身者を主要ポストに迎えていますな。

そのあたりが、新保守主義(ネオ・コンサバティブ)と呼ばれる人たちなのですが。

wikiによると、「ネオコンは、自由主義・民主主義を世界に広めることを理想とし、軍事政策や外交政策は新現実主義路線を取る。 また、自由主義と民主主義は人類普遍の価値観であると考え、その啓蒙と拡大に努めている」という話しですが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E4%BF%9D%E5%AE%88%E4%B8%BB%E7%BE%A9_(%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB)

ネオコンサバティブと、ネオリベラリズムは、なぜか思想的・経済的に一致してしまいますな。

広瀬さんの『アメリカの保守本流』に書かれているように、ニクソン大統領はケネディ暗殺の犯人のようなネガティブなイメージで、まったく人気がありませんでしたが、低所得者層への手厚い政策が多くて、貧乏人の味方でしたな。ソ連との軍縮外交に成功して、その後ウォーターゲートで失脚させられたことを考えると、現在の新自由主義者とまったく逆の思想なので、その理由が何となく想像つきますな。


更に、気になるネオコンとイスラエルの関係は、同じくwikiによると下記の通りで

ネオコンとイスラエルの関係

ネオコンを支えているのは共和党のイスラエル政策を支持するアメリカ国内在住のユダヤ(イスラエル)・ロビーである。アメリカのユダヤ系市民はアメリカの総人口3億人に対して600万人に満たないが富裕層の割合が多く、アメリカの国防・安全保障政策に深く関わっている。歴史的に数多くの差別を受けてきた経緯からかつてはリベラル派の民主党支持者が多かったが、民主党のビル・クリントン政権が進めた中東政策に対する不満から、共和党に鞍替えしている有権者が多い。共和党の掲げる中東の民主化政策が結果的にはイスラエルを利することになるからである。また、同時にイスラエルの右派政党リクード党も共和党と利害が一致しているため手を結ぶことが多い。このような経緯から、2001年に登場した共和党ジョージ・W・ブッシュ政権には数多くのネオコンが参入しており、同時多発テロ以降の強硬政策を推し進めた



なるほど、ブッシュ政権こそネオコンやネオリベ連中の思惑を世界に広める元凶であったことがわかりますな。

民主党のオバマ氏はブッシュのその系列を断ち切ると言っているそうです。

これは応援せねばならないと思いますが、対決している相手が相手だけに、将来失脚か、暗殺される可能性も高いですな。