日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

オバマと、ムッソリーニ

2009-02-28 21:41:29 | Weblog
もしかすると、オバマの「チェインジ」と小泉の「改革」は、同質のものかも知れません。

日本では、不思議とオバマ人気が高いですが、オバマはブッシュの戦争に反対なのではなく、やり方が悪いと行っているに過ぎないという見方もあるようです。

以下、ビル・トッテン氏のコラムより
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1188412_629.html

──米国経済が大きな困難に直面する中、オバマ新政権が発足しました。日本でも期待する声が大きいですが、どのように見ていらっしゃいますか?

オバマ大統領が就任したものの、政策を行うのはこれからです。前のブッシュ政権がひどすぎましたので、「期待したい」という気持ちも分からないではありません。ですが、私は、オバマ大統領にも期待できないと思います。

彼は「チェンジ」と言っていますが、それ自身は何の中身もない言葉です。靴下をはき替えるのかどうするのか、まったく具体的ではありません。

彼は「イラクからの撤退」を言っていますが、2001年の同時テロ以降、ブッシュが提案した数々の戦争のための予算について、上院議員であった彼は1度として反対していません。予算に「賛成」しておいて、どうして「戦争反対」なのでしょうか。

現に、オバマ氏はアフガニスタンでの戦争をもっと重視しろと言っていますし、イランに対する攻撃の可能性も排除していません。子分のイスラエルがガザで残酷なことを行っても、何も言わないでしょう。

彼はブッシュの政策に「反対だ」というのではなく、ブッシュのやり方を「下手だ」と批判しているにすぎないのです。

それに、政権の顔ぶれです。クリントン政権で財務長官を務め、こんにち金融危機の原因をつくったサマーズ氏が国家経済会議(NEC)委員長に就任予定です。また、ガイトナー財務長官も規制緩和論者で、1997年のアジア通貨危機後の混乱に責任がある人物です。危機の原因をつくった張本人に、その立て直しをさせようとは、まったく理解できません。

(中略)

──オバマ政権がブッシュ前政権と違わない、その背景は何でしょうか?

米国の真の支配者は、政府を買収した大金持ちであって、一般国民ではありません。大統領はその「雇われ人」にすぎず、米国は真の民主主義国ではないのです。派手な選挙ショーにダマされてはなりません。

米国の政治制度も、国民の意思を巧みに排除する仕掛けになっています。大統領が選挙人によって選ばれることもそうですが、憲法だって、原住民の土地を盗んだ大金持ちがつくったものです。

最大のことは、民主党、共和党という二大政党以外はマスコミからまったく無視されることです。それは、大金持ち、財界が両党以外を認めないからです。そして、二大政党は、基本的に同じ「色」で、色が「薄いか、濃いか」というほどの違いしかありません。

(中略)

──日本は、米国とどのようにつき合うべきだと思いますか?

日本が米国の言うことを聞いて良いことがあったか、よく考えていただきたいと思います。

日本で「規制緩和」とか「自由化」とかが言われるようになったのは、85年の「前川レポート」以降でしょう。小泉政権はそれを徹底させ、郵政民営化などを進めました。

その結果が、こんにちの「格差社会」です。自殺者は先進国中最悪で、非正規労働者は情け無用に解雇され、真冬にもかかわらず、住むところを追い出されている。こんなむごい国はありません。米国流の規制緩和を行った結果、日本と日本国民は「損ばかり」ではありませんか。

──しかし、麻生首相は、昨年の金融サミットで「ドル体制を守る」と明言しています。

しかも、日本は米国債を大量に購入し続けています。ドルが暴落したら、これまでため込んだドル資産がムダになる、あるいは米国市場が大切だという理屈なのでしょうが、愚かなことです。これは「カジノに行って損をしたので、また大枚を投じて取り返そう」というのと同じですね。さっさと引き上げるのがいちばんの解決法のはずです。

しかも、世間では、おカネを貸す人は借りる人より偉いのですが、日米関係では逆ですね。なぜ、これほど日本が卑屈にならなければならないのでしょうか。そもそも、日本の政治や経済は、日本国民の幸福と健康を守るためにあるものでしょう。ところが、日本経済の現状は「輸出中毒」で、正しい経済状況とは言えません。

日本は、米国債を売り払うぐらいの勇気を持ってほしいものです。そうしてこそ、対等な日米関係が築けるのではないでしょうか。


(引用終わり)

僕も、オバマがブッシュ一族のやってきたこととは、まったく反対の政策をやると言っているのでちょっぴり期待したのですが、聡明なビル・トッテン氏からブッシュもオバマも変わらないと知らされれば、考え方を変えなければいけないような気がしてきました。

日本では意味も分からず麻生批判をし、意味も分からずオバマ賞賛ムードになっています。

西部邁さんも、オバマ演説を読んで、どこがいいのかサッパリわからないと言っていましたが、小泉元首相の中身のないワンフレーズポリティクスがあまりに効果的だったので、アメリカがマネをしたのかも知れません(笑)


オバマについてもう一つ耳にするのは、ファシズムの危険性があるということです。

ファシズムといっても、ヒトラーではなく、ムッソリーニの演説にそっくりだという話なのですが、これに小泉元首相を並べると、現在のアメリカの熱狂というのが、人々を過った方向に導いていくファシズムにつながる危険性があるということです。

以下、逝きし世の面影BLOGより
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/df8e3861a133763d58ca8ffcde3ff36d

オバマ演説を読んでみると、殆んど具体的な事を何も言わずに国家、国民の団結を主張している部分は、確かに似ています。
興奮する観衆(支持者)に向かって片手(左利きなので左手)を高々と掲げて見せる仕草も、何となく似ている。


『すべてを国家に』

ファシズムの名前の由来になったファシスト党創設者ベニート・ムッソリーニの主張は簡単で分りやすい。
その基本原理は『すべてを国家に糾合』しようというものであった。

『ファシズムの基調は国家の観念だ』
『ファシズムにとっては、国家は絶対なものである』
そして、個人や団体といふものは相対なものである。
個人とか社会とかいふものは、国家と共に行動し得る限り、許され得るべきものなのである。
『国家は現在であるばかりか、過去でもあり、就中、未来でもあるのである』


絶大な国民の支持で当選したムッソリーニとオバマ氏の演説を比べてみると、

(オバマ演説)
<もしもそこらの誰かが、アメリカはあらゆることが可能な国だということまだ疑うのなら、建国の父たちの夢がこの時代にも生き続けているものだろうかとまだ言うのなら、われわれの民主主義の力にまだ疑いを挟むのなら、今夜がその答えです。
その声を出したのは、老いも若きも、金持ちも貧乏人も、民主党員も共和党員も、黒人も白人もヒスパニックもアジア系もアメリカ先住民も、ゲイもストレートも、障害者も健常者も含めた、みんなです  アメリカ人みんなで世界に向かってメッセージを発したのです。
われわれは単なる個人の寄せ集めだったこともなければ、赤い(共和党支持の)州と青い(民主党支持の)州の単なる寄せ集めだったこともないのいだと。
われわれは今も、そしてこれから先もずっと、アメリカ合衆国なのです。

(引用終わり)

ファシズムとは、資本主義の究極の形ということですが、結局は金持ちの味方なんだよな~。

公的年金、赤字5兆7千億円

2009-02-27 21:11:00 | Weblog
↓これは、間違いなく今年の重大ニュースの一つでしょう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090227-00000130-jij-pol
■公的年金、赤字5兆7千億円=金融危機で過去最悪-昨年10-12月期運用実績

全額国債か、せめて銀行で運用しておけば最低元金は減らないものを、誰か責任を取れといいたいです。

プロの投資銀行の人間でさえ、配当利益を出すことが難しいものを、厚生労働省の役人や彼らが選んだファンドがうまく運用できるわけがないでしょうに。

単年度で赤字だから判断するのはまだ早いという言い訳があるそうですが、金融バブルとその崩壊を繰り返す今の市場というのは、まったく信用ならないです。

どうせ積立を取り崩すなら、年金受給者に、もっと多めに払えばいいのに。

リスクを取っちゃいけない公的年金で、リスクを取るなっていうの!

今日は、お休みでした。

2009-02-26 22:18:28 | Weblog
今日は、会社の指定休日だったのですが、休日はなぜか早起きしてしまうのです。

今日も朝4時に起きたので24時間スーパーで朝食の食材の買い出しに行きました。

あ~ここでは書いたことがありませんが、休日の朝は、朝ご飯を美味しく食べるのが、趣味なのであります(笑)

いつもは、「すき家」の朝定食を食べに行ったりもするのですが、今日は自炊にしました。

炊きたてのご飯と、シジミのみそ汁、納豆入りの生卵、びんちょうマグロの刺身(パックの半分)、味付け海苔、砂糖漬けのたくあんで、3膳もご飯を食べてしまいました。

マグロの残りから、猫たちにお裾分けしたり。

食後は、テレビを見ながらお茶でゆっくりしていました。

そして8時に朝寝(爆)

目が覚めると10時半で、HDDプレイヤーに録画した「ラブシャッフル」を見たあと、びんちょうマグロの残りを軽く炙ってたたきにしたのをおかずに昼食を摂りました。

その後は、先日UFOキャッチャーでゲットした巨大「りらっくま」をおみやげに、従姉妹の家へ。

その後、スーパー銭湯に行って、銭湯内の床屋でカットしてもらったあとに、地中深くまでボーリングして出した温泉湯に浸かって天国気分に。

その後近くのラーメン屋「海空土」で味噌スペシャルを堪能。

チャーシューが堅くて味がないという一点を除いて、自慢の煮干し出汁が美味しいラーメンでした。

その後家に帰って、猫と遊んであげたあと、また一眠り。

いつもはスケジュールに入るはずのパチンコはできませんでしたが、休日は、こうでなくっちゃ。

さて、これから休日の最後の2時間は、芋焼酎のお湯割りで一杯やるとしますか(笑)

失業すると、こんなに休みが楽しく感じることも無くなってしまうのでしょう。

仕事日と休日のギャップがかもしだす、脳内の電位差が人に快楽を与えるわけで。

楽しい休日のためには、まずは一所懸命に働くことが大切なわけです。反対に、少しの休息まで潰してしまうような過重労働は、人間の精神が持たないでしょう。

ともかく、気晴らしの分まで計算しないと、おおよそ80年という人生のマラソンは完走できませんわね。

気持ちよくされたときに、サイフの紐は緩む

2009-02-23 22:47:56 | Weblog
『おくりびと』オスカー獲得! 米アカデミー賞・外国語映画賞受賞ということですが。

日本がアカデミー賞で、二本も受賞したようです。

普通の人は、快挙だと思うでしょう。

僕はこれを聞いたとき、昨年の朝まで生テレビで、堀紘一(ドリームインキュベータ代表取締役)が、「ノーベル賞を日本に取らせて良い気分にさせて、オリンピック開催地も東京に取らせて、日本に金を出させる気だ」と言っていたのを思い出しました。

小沢一郎が、クリントン会談で「こちらからは申し込んでいない」などと、そっけない態度を取っていたということは、かなり重要な話をしていたような気がします。

借金漬けのアメリカに金なんかありませんから、8000億ドルの景気対策を支えるために、日本は、また米国債を買わされるわけです。それが円建てだったら貸し方としての優位性もあるのですが、毎回毎回ドル建てで、損益ばかり出されているでしょう。

かつてドル建ての米国債を買った資金は、小泉時代などは50兆円ものドル買い介入をした時のドル資金をあてていました。そのドル買い資金は、政府短期証券という借り換え借り換えの事実上の長期国債で、借金増しの負担は増税となって、今も我々国民を苦しめ続けているわけです。

あの時は、小泉とブッシュの連携で日米同盟が蜜月となったと褒められた見返りに、20兆円の米国債を買わされて、イラク戦争の戦費を日本が下支えさせられていたわけです。

お店で買い物をするときにお世辞を言われると、思わず余計な物まで買ってしまうのと同様、人は気持ちよくされると、サイフの紐も緩んでしまうわけです。

おそらく近々、大規模なドル買い介入が再び行われるようながします。

8000億ドルの景気対策ですから、必要な資金は、少なくとも当時の4倍になるでしょう。その財源はまたもや短期政府証券か、最近話題の政府紙幣になるかも知れません。

アカデミー賞もいらないし、東京オリンピックもいらないから、財政出動した際の自分たちの借金は、自分たちで返してくれと、アメリカには言いたい気持ちです。

派遣君のために・・・

2009-02-22 09:55:31 | Weblog
昨日は、職場の同じチームの人から提案があり、いち早く解雇になる派遣君のために飲み会が開かれました。

派遣君は仕事ではへたれでしたけど、会社を休まずに自分のへたれと戦い続けてきたので、最後には皆から信頼を買われたのだと思います。

再来月には全員解雇になるというのに、弱い立場の人間のためにこういった行動があるのは、素晴らしいと思いました。

僕自身も仕事はキツかったですが、気持ちの良いチームに参加できて本当に幸せでした。

今の日本社会は、底辺の人間にこそモラルがあり、社長や役員の人間にはモラルがなくなったような気がします。

まあ、元を正せば会社役員利益と株主利益優先のアメリカ型社会にしてしまった小泉&竹中が悪いのですから、僕には会社側のエクスキューズも分かるには分かるのですが。

麻生総理が「(小泉内閣を指して)俺はあいつらの、尻ぬぐいをさせられてるだけじゃないか。郵政4分社化には今でも反対だ」と言った本音は理解できます。

ですが、だったら造反組と同じ態度をどうしてあの時取らなかったのかといいたくなります。

麻生総理が真に国民の支持を得たいのなら、小泉政治が誤りであったと総括し、直接金融の在り方から、間接金融のBIS規制、大店立地法から、株式交換の企業買収、時価会計などの商法改正を見直して、元の日本のあるべき姿に戻してからのことだと思われます。

人間たるもの、本音を行動に移して生きていかないと、結果として、その矛盾に一生縛られることになるのだと思う今日この頃です。

貧乏くじを引かない方法

2009-02-20 11:47:41 | Weblog
今週の「出社が楽しい経済学」では、「逆選択」について語られていました。

「逆選択」について、番組のホームページでは下記の通り
http://www.nhk.or.jp/shussya/word/index.html

第6回 「逆選択」

前編「貧乏クジに気をつけろ!“必ず儲かる”投資話の危険度」

 昼休み。熱心に携帯の画面を見つめる小山内。不審に思った郷田は、それが「出会い系サイト」と見破る。「社会勉強の一環」と弁解する小山内に郷田は、トラブルが多いから気をつけろと諭す。今度は、その郷田あてに「大学の先輩」と名乗る男から突然電話がかかってくる。投資アドバイザーと名乗るその男は「必ず儲かるから」と、東南アジアでのタラバガニの養殖事業への投資を誘う。それを聞いた郷田は俄然のり気になるのだが・・・。

 →「逆選択」とは、正確な情報が人々に共有されないため、次第にひどい欠陥商品ばかりが市場に出回るようになること。

例えばひと昔前のアメリカの中古車市場。ここには売り手と買い手の間に情報の格差(情報の非対象性)が存在した。つまり、売り手はエンジンの状態など車の品質をよく理解しているが、買い手は、車の外見以外、詳しい品質を知ることができない。悪意を持った売り手は、状態の悪い車をなるべく高く売ろうとするし、無知な買い手は疑心暗鬼になってどんなに良い車でも安く買い叩こうとする。こうした状態では、仮に良心的な売り手がいても、質の高い中古車を市場に出そうとはしなくなる。そして市場はどんどん衰退する・・・ということ。

当初は普通の男女の出会いの場として始まったといわれる「出会い系サイト」も、まさに、逆選択が起きることで悪質な利用者ばかりが目立つようになってしまった典型的なケース。また、郷田先輩が受けた怪しげな「儲け話」も、逆選択が起きているがゆえに誘う側は無差別に電話をかけてくる、ということも考えられるのだ。

(引用終わり)


「逆選択」とは経済学用語というより、「悪貨は良貨を駆逐する」という昔からのことわざのように思います。

ブックオフやハードオフに良い品物が集まらなくなってきたのは、これらの店で物を売っても安く買いたたかれるのが分かっているので、売り手は、売らないで手元に置いておくか、ヤフオクや楽天などのネットオークションなどより高く売れる市場で売るようになったからでしょう。

現在の中古市場で優劣が付いているのは、このあたりの情報の確かさにあると思われます。

秋葉原の中古パソコンショップが強いのは、ネットオークションと並列販売していたり、値段に厳しいアキバの客が大勢いて、情報の確かさなども洗練されているので、利ざやを稼ぐテンバイヤーの入り込む隙がないところにあります。

人間にも良い人間、悪い人間がいるので、良い人は犯罪者が寄りつきやすい出会い系サイトにはアクセスしなくなりました。

結果として、世に出回るのは質の悪い欠陥商品ばかりとなります。

就職にしてもそうです。

先日、会社で斡旋会社の説明会があったのですが、この不況に正社員の就職率がほぼ100%近い数字なのだそうです。無料で利用できる職安などの求人と、斡旋会社が世に出る前に取ってくる求人は世間から全く隔離されているということで、斡旋会社を通じて仕事を探せる求職者は全体の求職者の1%にも満たないということです。

どんな大不況であっても、ある一定割合の求人はあるわけですから、斡旋会社が仕事を先に取ってしまえば、大企業などから一人当たり100万円以上の高額なコストで斡旋依頼を受けた会社に限って、1%の求人の要求を満たすことくらいはできるということです。

ちなみに法律では、平等性を重んじるために、個人で斡旋会社と契約することはできなくなっているそうなので、なるほどなと思いました。

そんなわけで、自力で仕事を探す人には会社から30万円の支援金が出るのですが、僕は斡旋会社に頼むことにしました。

「逆選択」の貧乏くじを引かないためのコツは、情報の確かさなのでしょう。

より企業内部に近い情報を得て、株で儲けられる人も一握りです。

考えてみれば、今の世の中「逆選択」ばかりですね。

GDPがマイナス12.7%ということは?

2009-02-18 09:33:00 | Weblog
昨年10-12月期のGDPが年率換算でマイナス12.7%ということは、2007年度のGDPが515兆円ですから、単純計算で65.4兆円も落ち込んでしまうということでしょう。

今までの経験上、年率換算というのは四半期にたまたまいい数字が出ただけで、「年利7%の経済成長で好景気だ!」とか言われたりもして、しかし、その結果は1%程度にしかならなかったりと、あまり目安にはならなかったのですが。

しかし、政府は全般的に景気に甘い数字を出しているので、下落率については信用できそうな気がします。これが本当に年通しで出てくる数字になると、本当に恐ろしいことになります。元々が、80兆円に及ぶ帰属家賃などの市場外取り引きでかさ上げされたGDPですから、なおさらです。

2007年度の国の税収でも53兆円程度にしかなりませんし、280兆円の年間消費の4分の1が失われるのですから、本当に笑えない数字です。

我々が景気対策として考えていた真水の50兆円は、今よりもっと緩やかな景気低迷の時期の話なわけです。

まずは政府紙幣や無金利国債を財源に、65兆円のGDP減の穴埋めと、それに50兆円を加算した数字が、本当に効果のある景気対策ということなのでしょう。

合計だと115兆円になります。それも単年度で。

おやおや、optimistic monsterさんの言ってるのと、数字が似てきましたよ(笑)

しかし、米国よりも株価が下落していて、欧米諸国よりもGDPの下げ幅が大きいというのに、「日本の金融危機の影響は、欧米諸国ほどではない」というのは、どれだけ偏った情報なのでしょう。

日本の景気後退は、マスコミがいうようなリーマンショックではなく、小泉時代に決められた公共事業の削減や、地方交付税交付金の削減、定率減税の廃止、あらゆる個人負担の増税が原因であると思われます。

それで更に消費税増税の話などしているのですから、まったく世間のネジが緩んでいるとしか言いようがありません。

今の不況に対応できる政治家は、ただ一人。

150兆円の景気対策を提示している亀井静香さんしかいません。

いっそのこと、全ての国会議員をクビにして、亀井さん一人の独裁体制にした方が、日本は救われるものと思われます。

しかし、それは無理だろうなあ(笑)

政局のゆくえ

2009-02-16 11:55:57 | Weblog
植草一秀『知られざる真実』より
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-7fe9.html

植草さんのブログにあるように、つぶれかけのシティバンクを連れてきて日本のメガバンクを支配させてしまったり、郵政資金を大量にサブプライムローンに流用されていたりしたらと考えると、ゾッとします。

鳩山邦夫もTBS「時事放談」で、かんぽの宿について、「郵政民営化の時に外資に売り渡すようなことはまさかないと思って賛成したが、本当にこんなことになろうとは思っていなかった」と言っていましたが、彼に対してよく言ったと褒める前に、郵政民営化が国会で議論されている内容から、分かっていたことでしょうに。

かんぽの宿にまつわる売国話は、氷山の一角に過ぎないのですが、これは小泉改革が間違いであったと認識させるための突破口になるはずですし、マスコミは戦後最大の疑獄事件を封印させてはなりません。

つまり、自分へ火の粉が飛んでくることを牽制するがための、最近の小泉発言でもあったわけでしょう。

昨日のサンデー・プロジェクトでは、反郵政民営化代表として亀井静香さんが出演されていましたが、田原総一朗のペースに飲み込まれないように発言したところが、さすが亀井さんだなと感心しました。

それが分かったためか、田原を始め、総掛かりで亀井さんの発言を封じ込めようとしていましたが(笑)

恐らく、小泉一派と田原総一朗はグルであり、かつての改革派VS抵抗勢力と同様の図式をつくるために、今回は、麻生グループVS小泉一派との対立をつくり、かんぽの宿疑獄事件など、野党の攻勢から焦点を外すことをもくろみとしているのでしょう。

国民に人気がなく、定額給付金に反対の人も大多数である現在、麻生氏を攻め落とすのは、公約を廃案にするだけですみますから簡単です。

おそらく予想される順序として、「定額給付金」が衆議院で可決され、参議院の野党過半数反対で法案は否決されます。そして衆議院に戻されたとき、小泉一派の抵抗で与党の2/3の議決を取れずに「定額給付金」法案は廃案にされ、麻生氏は公約を守れずに、辞任へと導かれることになると思われます。解散させるかどうかについては、自民を二度と政権を持てないレベルにまで落とし込め解党させるだけですから、解散する度胸は彼にないでしょう。

マスコミは大騒ぎするでしょうし、国民もメクラましに遭ってしまうかも知れませんが、これは、小泉首相が劣勢に立たされ、抵抗勢力が参議院否決で勝利した、郵政決議の時と同様の攻防になるでしょう。

小泉劇場再びということになりますが、あの時と違うのは、小泉一派の立場が逆転し、15票程度の反対票を集めるだけで勝利してしまう強力な抵抗勢力になっているということです。

麻生首相辞任後は、自民は新たな御輿を担いだ後に、総選挙に打って出ることになると思われます。

その御輿に乗る人物は、中川秀直か、小池百合子ということになるのでしょうか。

オレオレ詐欺を知っていても、国民は何度でも騙されてしまうのですが、今度ばかりはどうでしょう。

麻生グループにも問題があって、郵政民営化に反対だったのなら、ちゃんと最初から反対の立場を明らかにして文脈を正しくしてこなかったからこうなるのです。

しかも、小泉一派が再び政権を取れば、政府紙幣どころではないでしょう。

モラルハザード

2009-02-12 15:35:03 | Weblog
先週の「出社が楽しい経済学」のテーマは、モラルハザードでした。

http://www.nhk.or.jp/shussya/word/index.html
 →経済学では、「モラルハザード」を、道徳や倫理感の欠如ではなく、他人の行動を観察することができないことから起きる問題と考える。
例えば、ある経営者が部下に仕事を依頼した時。その経営者が従業員の仕事ぶりをつぶさに観察できず、しかもその仕事の成果も客観的に評価するのが難しい場合、従業員は「努力せず最低限の給料をもらっていた方が合理的」と判断。サボるかもしれない。
ではここで、郷田先輩が提案するいわゆる「成果主義」の給与システムが全ての問題を解決するかというと、それもまた微妙。「成果の大小」は必ずしも「努力」と一致しないからだ。にもかかわらず成果だけを見て相手を評価しようとすると、他人の努力の成果を自分の努力だとアピールするズルイ社員が得をして、一方の真面目な社員は嫌になって会社を辞めていくかもしれない・・・。モラルハザードとはこれほどまでに解決が難しい問題なのだ。

(引用終わり)

今週も、窓際族だが経済学の達人の居相田司郎係長(通称いそうろう係長)が、「完全歩合制にすれば、人はやる気を出して、サボることなく働いてくれる~!!?? な、な、ナンセンスっ!!」と叫ぶところから始まるのですが(笑)

番組にあるように、アンケート調査を歩合制にしてしまえば、バイト君たちが、自分たちでアンケート用紙に書き込んでしまって、枚数だけが増えて使い物にならない結果になってしまうのでしょう。

モラルハザードは人間の不正が見えにくく、監視を続けるだけのコストもかけられないことから始まるのですが、ミートホープや船場吉兆や石屋製菓の事件のように、企業が生き残りをかけた選択のところで経営者自らが、不正をやらせてしまうケースもあるようです。

彼らのように摘発されなくても、スーパーマーケットなどでは中国産のネギやアメリカ産の牛肉のラベルを貼り替えて売っていたり、賞味期限切れの生鮮食品は総菜に回されて売られていたりもするのですが、企業倫理だけを問われて、そのような手段に出ざるを得なくなった社会的背景もあるだろうということを、皆さん分かっていながら言わないというのも天津・木村のギャグじゃないけど、あると思います(笑)

企業倫理の継続は、現在ように成果主義を安易に導入すれば壊れやすくなるだけというのにもそろそろ気が付かなくてはならないでしょう。成果主義の導入は、モラルハザードの他に、職場で互いに仕事を教えなくなったり、失敗を他人に押しつけて手柄だけは横取りしたり、能力の低い人を差別して見るようになったり、単年度で赤字になっただけで大量首切りを行ったり、狡い人間だけが残れるギスギスした住みづらい世の中にしてしまう傾向が多いでしょう。

結論として、以前の日本のレベルに合わせて高品質の製品を維持しようとするなら、熟練した正社員を雇う高コストや、クレーム対応のコストだけで会社が潰れてしまいますし、反対に、無理して会社を残そうとするならモラルハザードが原因で企業は社会的に潰れてしまいますし、どちらにしても生き残りの道は狭くなっています。

「衣食足りて礼節を知る」の言葉通り、まずは企業にとっても、モラルが守れるような経済基盤が必要ということでしょう。

youtube☆丹羽春喜教授-そこまで言って委員会

2009-02-09 10:33:10 | Weblog
丹羽教授、まだまだお元気そうですね!

何で、こんな面白い番組を東京で放送しないのだろうなあ。

政府紙幣って何? 1/4
http://www.youtube.com/watch?v=UoDLMqhHj4E&feature=related
政府紙幣って何? 2/4
http://www.youtube.com/watch?v=ldyW6kh94KE&feature=related
政府紙幣って何? 3/4
http://www.youtube.com/watch?v=nIvFnkncIKQ&NR=1
政府紙幣って何? 4/4
http://www.youtube.com/watch?v=BC1QAxtbxsg&feature=related