雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺のいちびり俳句「花梨の実」

2016-10-06 | 日記
   ◇花梨の実 拾う者なし 街並木◇  (季語:花梨の実)

 花梨(かりん)は、梨と同じくバラ科の高木である。実は渋くてそのままで食べることは出来ないが、渋みを抜いてジャムにしたり、花梨酒を造ることができる。

   ◇花梨並木 靴音涼し 星月夜◇  (季語:星月夜)

 「秋ですね」と書きたいのはやまやまだが、昼間はまだ夏日どころか、真夏日が続く。だが夜ともなれば風が涼しく、散歩にもってこいである。誰が並木に花梨の木を選んだのかしらないが、歩道に花梨の実がごろごろと転がっている。車道に転がり出て、危なくないのだろうか。とか、言いながら、つい蹴転がしたくなる気持ちを抑えて、実を眺めながら歩く。「若くないのだから、そんなことをすると自分が転がるよ」と、死んだ女房の声が聞こえるような‥。

   ◇果林の実 拾い帰れば 横領犯◇  (季語:花梨の実)

 「だめだめ、酒も飲めないくせに花梨を拾って帰り、花梨酒を造ろうなどと考えては‥」「拾ってカ帰らないよ、公共物窃盗罪か、拾得物横領罪で罰金刑か懲役刑になるではないか」  「‥まさかと思うけど」 

  


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