猫爺が住むところは、山を削って住宅地にしたところである。まだ周りには山が見え、少し歩けば田畑が見られる。
子供の頃は、野原で遊ぶと、必ずお土産を持ち帰ったものだ。ヤブジラミ、イノコヅチ、センダンクサの種子で、猫爺等は「ひっつきむし」と言った。センダングサは、まだ枯れていないものを胸にくっつけて勲章遊びに、ヤブジラミは子供同士で投げ合って遊んだ。だが、センダングサの枯れたものや、イノコヅチは、母親の敵であった。服やズボンにびっしりと付いて、一個一個剥がして取るのが面倒なのだ。
どこにでも生えていたその雑草を、猫爺が住む住宅地の周辺の叢で探してみたが見つからなかった。
子供の頃によく捕まえて遊んでいた「ケラ」や「ハサミムシ」も、最近は全く見たことがない。見た目は恐そうに見える虫だが、ケラは噛みもしないし刺しもしない。しかし、力が強くて、掌で包み込んでも、子供の指なら抉じ開けて出てくる。その力の強い前足で土に穴を掘るのである。
当時、こんなCMソングがあった。
ゆうべミミズの鳴く声聞いた、あれはケラだよ、オケラだよ
オケラなぜ鳴く、アンヨが寒い、……が無いから鳴くのだよ
「ジー」抑揚のない虫の声が、土の中から聞こえてくるので、ミミズが鳴いていると思い込んでいたのを、このCMソングでケラだと知った。
ハサミムシは、尻のハサミで挟まれると多少痛い。サソリのように尻をピンと上に向けて威嚇してくるが、毒が無いのでそのハサミをつまむと、難なく採れる。もっとも、捕まえても面白くもなんともない虫ではあるが…。
子供の頃は、野原で遊ぶと、必ずお土産を持ち帰ったものだ。ヤブジラミ、イノコヅチ、センダンクサの種子で、猫爺等は「ひっつきむし」と言った。センダングサは、まだ枯れていないものを胸にくっつけて勲章遊びに、ヤブジラミは子供同士で投げ合って遊んだ。だが、センダングサの枯れたものや、イノコヅチは、母親の敵であった。服やズボンにびっしりと付いて、一個一個剥がして取るのが面倒なのだ。
どこにでも生えていたその雑草を、猫爺が住む住宅地の周辺の叢で探してみたが見つからなかった。
子供の頃によく捕まえて遊んでいた「ケラ」や「ハサミムシ」も、最近は全く見たことがない。見た目は恐そうに見える虫だが、ケラは噛みもしないし刺しもしない。しかし、力が強くて、掌で包み込んでも、子供の指なら抉じ開けて出てくる。その力の強い前足で土に穴を掘るのである。
当時、こんなCMソングがあった。
ゆうべミミズの鳴く声聞いた、あれはケラだよ、オケラだよ
オケラなぜ鳴く、アンヨが寒い、……が無いから鳴くのだよ
「ジー」抑揚のない虫の声が、土の中から聞こえてくるので、ミミズが鳴いていると思い込んでいたのを、このCMソングでケラだと知った。
ハサミムシは、尻のハサミで挟まれると多少痛い。サソリのように尻をピンと上に向けて威嚇してくるが、毒が無いのでそのハサミをつまむと、難なく採れる。もっとも、捕まえても面白くもなんともない虫ではあるが…。