雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

温故知新「太田道灌」

2012-03-28 | 日記

 和歌の入った落語を探してみたら、自分のコレクションDVD約800席の中には無かったが YouTube で見つけた。 タイトルは「太田道灌」、演者は「橘ノ圓都」

  七重八重花は咲けども山吹の 実の一つだに無きぞかなしき (中務卿兼明親王) 後拾遺和歌集

 狩りの途中、雨に降られた太田道灌は、一軒のあばら家を見つけて「蓑」を借りようと立ち寄る。 この家の娘は、黙って山吹の花枝を差し出す。 太田道灌は怒って立ち去るが、後で家来に「実の一つ」と、「蓑一つ」をかけて、奥ゆかしく断ったことを教わる。 道灌は「自分はまだ歌道に暗いのう」と反省して歌の道に励んだという。 

 落語では、このことを隠居さんから教わった八五郎が自分もやって見たくて、提灯を借りに来た「ダチ公」に隠居がカナで書いてくれたこの歌を黙って差し出す。 「ダチ公」も文盲に近いのでうまく読めずに「ナナヘヤエハナハサケドモヤマブシノ、ミソヒトダルトナベトカマシキ」と読む。 意味がわからない「ダチ公」に八五郎「お前も歌道に暗いのう」と言うと、ダチ公は、「暗いから提灯を借りに来た」(落ち)

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