「成功者K」羽田圭介 2017河出書房新社
『文藝』2017年春号
駄洒落タイトル「性交者K」
ファンに笑ってもらうために書いたのかな。
おそらくは抑え込んでいる正直な欲望(中2的な願望)を客観的にコントロールしつつ、「神の視点」で愚かな主人公を作り出す。H・KではなくK・Kにしたのは、なんのはぐらかしか。そしてその主人公Kの突っ込みどころ満載の発言に、笑いを超えて恐ろしさを感じ始める。(笑わせる文体にしなかったのはそのためだろう)現実と創作の境が狂気となって消えていくラストは、それこそが作者の感じた本当のリアル感覚なのかもしれない。ずっと作中で問われ続ける「自分」に対する答えか。見つからない自分という。
共感できねー。成功者としての追体験出来ねぇー。
作者もそのつもりで書いているみたい。
楽しみ方の難しい作品だったな。
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