同著者作品
アルフレッド・ベスター:河出書房新社
『ごきげん目盛』
- 一人称<わたし>の対象が同じ文中でころころ変わる。それはアンドロイドの持ち主ヴァンデルアーであり、高価だが狂った多目的アンドロイドであり、そして安物の労働ロボット・サーヴォ機構だったりする。
- 文壇での評価は高いが、読者の目は冷めたもので評価の低い作品。わたしもこれは作者の独りよがりだと思う。ただ、表現の実験としては面白いのかもしれない。
『ジェットコースター』
- 腕時計型タイムマシン。
- 現代は未来人にとってアトラクションテーマパークのようなもの。彼らはスリルを求めてやってくる。
- この後の『えり好みなし』も同様のタイムマシンもの。
『願い星叶い星』
『イヴのいないアダム』
- ありきたりな話に見える。だが、手塚治虫や松本零士、星野之宣も似たような話を書いているし、こちらの方が先なのだな。
- 生命の滅びた世界で一人の男の亡骸が、新たな生命の環の素となる。
『選り好みなし』
- 人は自分が生きられる自分の時代が一番の楽園だと気付かない。隣の芝は碧い。他の時代がすばらしく、自分の時代は最低だと思う。
- 逃避を続ける未来の人々、それに気付いてしまった男。
『昔を今になすよしもがな』
- 世界最後の男と女
- やっと出会えたというのにそっけない。あまりに普通の生活、行動をとろうとする。そう、彼らはすでに狂っていたのだ。
- 映像的には頭に浮かびやすい。他の本にも収録されていたんじゃないだろうか。
『時と三番街と』
- 手違いにより未来の年間を買ってしまった男。それを確認もしていないが、未来から来たという男にその本を渡すよう要求される。
- 悪い冗談かと疑うが、本を渡した後で未来の証拠を見る。
『地獄は永遠に』
- 悪魔(?)の登場。5人は望みの世界を与えられる。
- だが、自分が造り出す世界は自分の中の世界でしかない。そこは永遠に続く自分の中の地獄である。
- 誰もが固執する念を持ち、それは決して人を幸せにはしない。
- 彼らが与えられた世界こそ、自ら作り出す地獄だった。彼らはすでに死んでいたのだ。
|
はっきり言ってしまおう。
1900円は高いよ!
「虎よ!虎よ!」や「分解された男」の興奮、作品の出来を考えると・・・ツマンナイ
まあ、ベスターの作品を手元に置けた事はうれしいけど。
同著者作品
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます