ライバル出現で

地元駅北口近くの日高屋は近距離に２店舗あり

どちらも学生やサラリーマンに人気がある

最近その片方の店舗の並びに東秀と言う中華の店がオープンした

日高屋も中華なのでライバル店同士の生き残りをかけた戦争が勃発したわけだ

北口のもう一つの日高屋にも斜向かいに、親子丼のなか卯が後を追う様にオープンした

その時も仁義なき戦いと思われたが何とか共存している

しかし今回は同規模中華が殴り込みをかけて来たのだから

日高屋としては心中穏やかではいられないはず


早速、後発の東秀に足を踏み入れてみた

オープンして間もないのか非常に清潔感がありきれいで明るい

更にはスタッフがイケメンだったりする

あらやだ女性客にはポイント高いじゃない

しかも不慣れで、マニユアルトークもたどたどしいのが母性本能をくすぐる

日高屋と同じ中華とは言え食欲をそそるメニューも悪くない

値段も同等で後は味だけ

私は前から東秀の他店舗を贔屓にしているので馴染みの味で好みである

会計を終えて店を出た

ビストロや喫煙店などを挟み日高屋の前を通りかかったので中を伺うと

客はオジサン一人だけだった

当分は苦戦を強いられるであろう日高屋

どんな業界でもライバル出現はお互いを切磋琢磨する

日高屋も負けじとイケメンスタッフ入れたりして…

営業メールで

２月の暇さ加減を連日嘆いても仕方ないが

裏通りに位置する当店の前を歩く人の姿もまばらで、本当に心細い限りである

近隣の店のママ達も同じ様に「今年は特に静かだわね～」とこぼす

去年の暮れに店のスタッフを大勢連れて来たママも

「新人が２人も入ったのにお客さんが来てくれなきゃ宝の持ち腐れよね」

ママの隣に居る品の良さそうな美人がその内の一人だろう

当店にも昨年、週末を中心にキャラの違ったイケメンが新しく入ったので

女性客に営業メールで呼び掛けた

「ちょっとぉ、久々のイケメン入店よぉ！それも２人もよ。

夜の商売に慣れてない掘り出し物なの。フテ子じゃないわよ。一度見に来てね。」

いつもならイケメンと聞くと何を置いても駆け付けるＭ子やＲ子なのに全く音沙汰なし

インフルエンザにでも罹ってしまったのだろうか

お客さんが来なければ必然的にイケメン達の出番は減る

焦って私は追加メールを送る

「早くしないと手垢が付いちゃうわよ、賞味期限内に御賞味下さいませ。」

って一体何をアピってんだか…

とにかくお客さん来てぇ～

とんだミス

雨は上がったが気がかりな事が心を支配して浮かない気分だ

明日までに手に入れなければならない物があり

それを購入するには吉祥寺の某店まで行かなくてはならないのだ

それは毎年必要な物であるが

これまでは事前にネットで取り寄せていた

今年もそろそろ注文しなくてはと思っている内に必要な日の前日になっていた

最近、月曜日の午前中は寝ている事が多い

今日もまた９時過ぎに一度目が覚めたのに、そのまま布団から出ずに再び眠りに落ちた

昼前にやっと起きて洗濯を済ませ、例の物を注文する事に気付いたのだ

チンタラしてたせいで既に時計は３時になっていた

翌日配達に間に合わないかもと思いながらサイトを開くと

案の定、午後１時までの注文に間に合わなかった

これから注文すると翌々日になってしまう

それでは困るので何とか手に入れる方法を探す

確か吉祥寺から歩いて１５分の所にそれを売っている店があったはずだ

営業時間は夜９時までになっている

少し早く起きて途中下車すれば間に合いそうだ

それにしても毎年分かっている事なのに

ギリギリまで行動しない私の悪い癖が、こんな所にも影をおとす

全くだらしない性格にほとほと嫌気がさす

明日はとにかく何としてでもそれを手に入れなければ…

この冬はまだ…

日頃の寝不足をたっぷり補った日曜日

夕方に目が覚め、いつもなら出勤準備を始めるのだが

「今日は日曜日なんだ」と思うと途端に幸せな気分のまま

再び布団を頭まで被って睡眠を貪る

次に目覚めたらもう夜の８時を過ぎていた

また今週も引きこもりの日曜日となった

どんだけ自分の部屋が恋人なのか…


この冬はまだ風邪をひいていない

昨夜ご来店のシングルマザーが

「子供２人が次々とインフルエンザに罹って

　最後は私に来ちゃって仕事を一週間も休んだわ」

家族が居るとどうしても家庭内感染は免れないだろう

「大変だったわね～

　アタシはまだこの冬は風邪ひいてなのよ」

狭くて換気の悪い店なので

お一人でも風邪をひいた方がお見えになると

体力が低下している場合などはすぐにうつってしまう

うがいや手洗いの他に

定期的に換気扇を回したり

お湯を沸かして加湿するなど工夫をしている


アパートに帰って来てもすぐに部屋を暖かくして

時間があれば睡眠をたっぷり取るようにしている

それと起きている時は常にポットのお湯でお茶を淹れて飲んでいる

更にこの冬はみかんも大量に食べているので

ビタミンＣもバッチリ摂取

外出時はマスクと手袋は基本だ

それが効果あったのかどうかは不明だが

取り敢えずノロウイルスも風邪も免れている

とにかく歳を取ると病気に罹っても中々治らないからね…

ユリコ姐、懐かしの店で

昨夜は金曜日らしく忙しかった

今月は平日があまりにも暇なので週末がそこそこ賑わっても焼け石に水なのだ

私は経営者ではないが、ママはさぞかし胃が痛い事だろう

いつも御贔屓いただいているユリコ姐さんが昨夜

御無沙汰していた吉祥寺の店を数年ぶりに訪れたそうだ

「懐かしかったわ～、マスターは髪の毛が真っ白になってて時の流れを感じたわ」

その店は以前からユリコ姐さんの話の中に度々登場していて

歌の上手いマスターがとても楽しい人でいつも賑わってたらしい

「金曜日だから、さぞかし忙しかったんじゃない？」

「それがね、私の他に二組しか居なかったわよ、昔はあんなに混み合ってたのに…」

たまたま昨夜は客足が鈍かっただけだろうがユリコさんは少し寂しげだった

「でもマスターにカラオケのキイを教えて貰って上手く歌えたのよ」

女性にしてはハスキーで低音の彼女はいつも女性の歌の時キイを下げていた

「６つ上げで無理なく歌える事が分かったの」

カラオケ好きで盛り上げ上手なユリコ姐さんは嬉しそうに話す

早速その成果を当店でも披露していた

今夜も何処かの店で彼女の渋いノドがお客さんを魅了すれのだろうか