水曜日の朝の事だった
5時台半ばの総武線はまだまだ空席を残してホームに滑り込んで来た
3人掛けの端に腰を下ろして
イヤフォンから流れて来る美川さんの歌声に耳を傾けていたら
ドアが閉まる寸前に30代くらいのサラリーマンが飛び乗って来た
彼は私の向かいの席に腰掛けてすぐに目を閉じた
朝の通勤電車に乗る人の多くは
新聞を読むかケータイをいじるか眠るかのどれかだ
目の前の彼はしばらくは寝ている様に思えたが
突然、靴下の上から足を掻きはじめた
余程痒かったのか、靴を脱ぎ靴下も下ろして患部をしきりに掻いているのだ
その間、目は閉じたままである
無意識なのか、それとも眠いのでそのままなのか
患部はかなりこじらせた状態になっていて今にも血が滲みそうだ
無表情のまま目を閉じてひたすら足を掻いている彼
医者で診て貰えば早いのに…
きっと私と同じく面倒臭がりで市販の薬を適当に塗っているタイプだろう
それにしても朝から他人の足の患部に釘付けになる私もどうかしている
5時台半ばの総武線はまだまだ空席を残してホームに滑り込んで来た
3人掛けの端に腰を下ろして
イヤフォンから流れて来る美川さんの歌声に耳を傾けていたら
ドアが閉まる寸前に30代くらいのサラリーマンが飛び乗って来た
彼は私の向かいの席に腰掛けてすぐに目を閉じた
朝の通勤電車に乗る人の多くは
新聞を読むかケータイをいじるか眠るかのどれかだ
目の前の彼はしばらくは寝ている様に思えたが
突然、靴下の上から足を掻きはじめた
余程痒かったのか、靴を脱ぎ靴下も下ろして患部をしきりに掻いているのだ
その間、目は閉じたままである
無意識なのか、それとも眠いのでそのままなのか
患部はかなりこじらせた状態になっていて今にも血が滲みそうだ
無表情のまま目を閉じてひたすら足を掻いている彼
医者で診て貰えば早いのに…
きっと私と同じく面倒臭がりで市販の薬を適当に塗っているタイプだろう
それにしても朝から他人の足の患部に釘付けになる私もどうかしている