ママの未来は…

冷たい雨の朝となった水曜日

仕事帰りにアパートの近くで朝マックしている

２階席から慌ただしく行き交う車の流れをボーッと眺めながら

数日前の事を思い出している


速水パパが御贔屓にしている店の一つが今週限りで閉店すると

ママさんから直々に聞いたのだ

銀座の経験があるママさんは正統派のクラブを目指していた

それまで勤めていた店を辞めて独立

数年前に小さいけれど自分のお城を持った

音楽好きのママさんらしいこだわりが店名やピアノ生演奏などに表れていた

開店時はキャストにも恵まれて賑わいを見せていたが

ここ最近は素人に毛が生えた様な子しかおらず

客足も遠退くばかりだった

内情はよく解らないが

たまにママさんが独りで当店に見えては嘆いていたのを思い出す

頑張りやの彼女は何でも自分でやってしまい

キャストに任せる事をしなかったのかもしれない

役割分担を決めてママさんの負担を軽くする方法もあっただろう

しかし何よりも先ず自分が動いてしまい

結局辛い思いを全部背負ってしまったのかもしれない

サポート役のチーフなりチーママが居なかったのも一因かも

店を辞めたら他に仕事経験もなく、何の資格もないので

お先真っ暗だと彼女は途方に暮れている

誰か信頼のおける人に今後の身の振り方をアドバイスして貰えると良いが…