傘を忘れて

仕事を終えて店を出る時、既に雨が降っていたので傘を持った

中途半端な冷房の総武線各駅に揺られ窓の外にどんよりと垂れ込める雲を眺めていたら

新宿駅のホームに電車は滑り込んだ

寝ぼけてたので傘を忘れてしまった

しかし既に雨は上がり、この駅で傘を持つ人は殆ど居ない

そのまま小田急線に乗り換える

何と「どらえもん電車」ではないか

気恥ずかしくなる様なペイントを車体に施して、車内も全て藤子・Ｆ・不二雄一色

昔で言う所のイベント車両である

さっきの総武線とは違いかなり効きの良い冷房だ

はす向かいに腰掛けている若いお嬢さんは短いスカートなのに足を開いている

読書に夢中で無防備な股間は向かいのオヤジに凝視されている

パンツが見えようと女子には興味がない私は目を閉じて仮眠


ふと目が覚めたら登戸駅だ

ドアが開き巨デブの男２人がこちらに向かって来た

背中には大きなリュック

いかにも汗臭そうな出で立ちである

３人掛けのあと２人分が空いているので彼らが椅子取り合戦の如くそこをゲット

私も細い方ではないが彼らが腰掛けた途端、圧迫感がハンパないのだ

デブが３人窮屈そうに腰掛けてる光景はさぞかし暑苦しいものだったろう

実際に息苦しいが席を立つのも悔しいので下車駅まで我慢した

それにしても隣のデブ、こちらにもたれかかってんじゃないかしら

一段と窮屈なのだ

その内、彼はイビキをかき始めた

全く気楽なもんだよ、こちとらアンタの体重で今にも内蔵が破裂しそうだ


電車は私の地元に辿り着いた

あばよ！

巨デブに背中でそう言い放ってホームに下りた

バスに乗り換えてマックのある停留所で途中下車

今日は自炊する元気がない

チーズオージーデリとフィレオフィッシュ、アイスコーヒーはＭサイズ

土曜日の早朝、マックの２階は当然空いてる

週刊新潮をめくりながら朝マックしていると、いつの間にか雨が降り出した

やだ、傘がないじゃない
アパートまでは３分だが濡れたくはない

マックに寄り道した事を悔やむ

週刊新潮も読み終えたが雨はまだ上がらない

仕方ないのでこうしてブログを更新している

早く雨が上がらないかしら