ゲリラ豪雨

昨夜はゲリラ豪雨の影響を受けた

開店して１時間後のこと

店前でキャッチしていたら目の前で閃光が…

えっ？今のは何？まさか稲光？

数十秒後、ドドーン！と言う激しい音

近所の家で飼われている犬が激しく吼えている

路面に目をやると小さな雨の染みが広がって行く

駅の方から歩いて来た人たちが

急な雨に傘もなく私の前を走り抜けて行く

雨は一気に激しさを増し私のサンダルにまで雨粒が届いている

２階のベランダがちょうど店前の屋根の役目をしているのだが

雨が容赦なく入り込んで来る

きっと通り雨だろうと呑気に構えていたのだが

３０分は強い雨が降り続いていた


ヒデミさんとバトンタッチ

ドアを開けた彼女も急な雨に驚いている

「さっきまで降ってなかったのに…」

はす前のカウンターバーのママも出て来た

「あら凄い雨だわね」

彼女の店は早い時間にお客さんが来て

ある程度の売り上げは達成した様なので

「こんな雨じゃこの先お客さんは来ないわね

　帰ろうかしら」

日付はまだ変わっていない

「ウチは１人でやってるから

　こんな時気楽よ」

とは言え週末だけは女性スタッフが手伝いに来る

「ママ、明日から新人さんが来るんでしょ？」

「新人たって５０のオバサンよ

　それにお酒も飲めないって言うし…」

そんな井戸端会議をしていると

顔馴染みのＵさんが上品なマダムを伴ってこちらに向かって来た

「あらウッチー、嬉しいわ！」

向かいのママさんに手を振って店に入る


近隣でスナックをやっているＭママ

最近Ｕさんが通っていると言うお店で

聞いていたほどお歳は召してない様子

それに結構ざっくばらんな感じで話し易い

「あら、今夜はママさんお休みなの？

　ウチにも一度遊びに来てくれたから

　是非お会いしたかったわ～」

「ゴメンナサイ、体調壊してて…」

Ｕさんが横でニヤッと笑っている

「私のことケメ子って呼んで！」

昔そんな歌があったけど…


カラオケを歌ってかれこれ２時間くらい経っただろうか

ドアが開いて近所の鉄板焼き屋のマスターが来店

店のスタッフのＫちゃんと一緒だ

彼女はマスターの店とスナックを掛け持ちしている

持田かおりと里田まいを足して２で割った様な顔立ち

「最近ダイエットして５キロ痩せたんですよ」

元々スレンダーだったが

一段とモデルっぽい体型になっている

大きな瞳が特に印象的だ

以前マスターの店で働いていた男性も途中合流して

懐かしい話や近所のお店の噂話で盛り上がる


ケメ子ママを先に帰して

しばらくヒデミさんと話し込んでいたＵさんもお帰りになって

店内はマスターたちだけになった

外の雨はすっかり上がり遠くで鳴っていた雷も今は聞こえない

閉店時間３０分前にマスターが呼んだタクシーが迎えに来た

話はまだまだ盛り上がりを見せている所だったが

続きはまた今度と言うことで今夜はお開き

そう言えばこの日ボーイのトシが風邪で休んだ

昨夜、彼が以前働いていたホストクラブの先輩が遊びに来た

トシは休みだったのだが

先輩は今度新店を任されるとの事で

スカウトの真っ最中だ

色々と興味深い話が聞けたのだが

トシが休みで残念だった

今夜は元気に出勤して来る事を祈りたい