おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

サンペイちゃん

2011-07-04 13:16:19 | Weblog
今日は風が強い

少し早起きしたので洗濯を済ませて干そうと思ったら

強風で洗濯物が飛ばされそうな勢いだった

何気にお隣のベランダを覗くと

既に落下した洗濯物が見受けられた

とても良いお天気なのに洗濯物を干せないなんて悔しい

仕方ないので部屋干しで我慢している


先週久しぶりに遊びに来たタエコ

中学生になった娘の世話で中々以前の様には遊びに出られない

バレーボール進学で部活中心の娘

心優しく純粋な彼女は

バレーは楽しいから好きと言う感覚だった

ところが素質を認められ戦力としてスカウトされた

これまでとは違う練習にとまどい

先輩や仲間たちとの人間関係でかなりストレスを溜めている

夜な夜なタエコの布団に入って来て

「もうバレーやりたくない」と泣くそうだ

タエコもそんな娘が不憫で辛い

数ヶ月ぶりにやって来て開口一番

「病んでるわよ~」

たまたまその日は先に来ていたサンペイちゃんも

かなり色んなモノを溜めてやって来た


サンペイちゃんは71歳のお母さんと2人暮らし

彼は数年前に彼女を失った

その原因が自分にあると思い込み

ずっと懺悔の日々を送っていた

いつも暗い海の底に居るような重い空気

何をやるにしても常に彼女の事が頭をよぎる

楽しい会話をしていても

ふいに顔が曇って何かを思いつめる

励ますにしても軽率な事は言えない

彼の気持ちを慮りながら

「いつまでもその事だけに縛られて前に進めないのでは

 彼女とてサンペイちゃんが心配で成仏できないのでは?」

「そうだよね~」

頷くもののきっと彼の心の中は誰にも理解できない

そんなサンペイちゃんが珍しく彼女の事ではなく

その夜はお母さんとの事で気持ちがダウンしていた

タエコがそんなサンペイちゃんににじり寄るが

まるで興味を示さない

サンペイちゃんの心の痛みはどうやったら癒せるだろう


タエコが時計を見てそわそわしだした

飲み始めると止まらない彼女は

この後吉祥寺に行こうと思っているのだ

顔見知りの店で発散したい

「あらタエコ、身体が疼くのね」

タクシーを呼んで彼女は店を後にした


2時を過ぎた辺りからサノちゃん行きつけの店のマスターや

駅の反対側のスナックで働いていたレイナが

友達2人を連れてやって来た

店内は一気に華やかな雰囲気になった

レイナはとにかく明るく元気だ

連れの友達も最初はオカマに圧倒されてたが

徐々に解きほぐされ最後はハイテンションに…

いつの間にかマスターとレイナは合流

どうやら顔馴染みだったようだ

サンペイちゃんはこの雰囲気に気後れしたようで

「お会計…」

ゴメンネ~、せっかく来てくれたのに…

レイナたちはお構いなしにカラオケでノリノリ

ま、とにかく色んなタイプのお客様に恵まれた夜だった




コメント
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