おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

ゴマメさんの一軒屋

2010-05-17 11:24:29 | Weblog
朝からとても清清しいお天気だ

6時前に起床して洗濯を始めた

昨日も好天に恵まれて絶好の洗濯日和だった

階下の住人も早朝から物干しにたくさんのTシャツを並べていた


土曜日は暇で最後のお客さんは近所の小料理屋のママだった

ゴマメさんと私がお相手した

近所の店も多くが早仕舞いをして通りは真っ暗だった

「オバケでも出そうな暗さね」と私は笑っていたが

「オバケと言えば…」とゴマメさん

浦和から通って来ている彼女は一軒家に住んでいる

駅から徒歩5分の2Kだ

何よりも一軒家なのが気に入ったとかで

入居者募集中の貼り紙に即反応した


「電話したら不動産屋じゃなくて大家にダイレクトだったの

 しかも家賃は4万5千円だと言うのよ」

相場を考えても安いと思った彼女は入居の手続きをした

引越しを終えてご近所に挨拶回りに出かけたところ

「えっ?あのお家に住むんですか?」とある住人は青ざめた

お節介な住人は先日その家で起きた事件に付いて話し始めた

「実はあのお宅、お年寄りの夫婦が住んでいたんだけど

 お婆ちゃんの方がベッドで寝たきりだったのよ

 お爺ちゃんが何とか看てたんだけど何たって高齢だから

 介護疲れって言うの?首を絞めて殺しちゃったのよ…」


ゴマメさんは血の気が引く思いで大家さん家に駆け込んだ

「すみません、契約したあの一軒屋、殺人があったらしいじゃないですか

 そんな怖い所に住めませんからお金返して下さい」

大家さんは慌てて

「そんな事言わずに考え直して!

 お家賃も一万下げるから、それに更新料も値上げもなしにするから」

ゴマメさんはその言葉に反応した

よく考えたら自分はまるで霊感はないし

家賃も格安、値上げも更新料もないのなら

こんな好条件が他にあるだろうか

それにこんな不景気である日仕事がなくなったとして

家賃は自動的に出て行くので安いに越した事はない

「そこまで言うなら…」と前言を撤回した


ある日ゴマメさんの家に友人のオカマが泊まりに来た

「素敵な一軒家じゃないの

 私もこんな所に住みたいわ」

そう言っていた彼女が翌朝

「ねえ、この近所に横断歩道とかあるかしら

 よく信号が青の時に流れるメロディー“とおりゃんせ”だっけ

 あれが耳に付いて離れないのよ…」

ゴマメさんの一軒家は住宅街の奥まった場所にあるので

信号など近くにはないのだ

「ちょっと勘弁してよ~」と震え上がったのは言うまでもない











コメント
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