リッスン・トゥ・ハー

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豚混入、社長が指示

2007-06-23 | リッスン・トゥ・ハー
なななんと、なななんと、と社長は二度言った。「どうしましたか?」「これを見たまえ杉浦君」「なんでしょう」「牛に豚を混ぜてみた物だ」「ほう」「これを食べてみたまえ」「生憎あまりおなかが減っておりませんが」「いいからいいから」「では、食べてみましょうか」「どうぞどうぞ」「わあ、おいしー!」「だろう?」「びっくりー!」「でしょう?」「革命だ!」「私はこれをもって我が生涯の発見とする」「異議なし」

こんな夢を見た070623

2007-06-23 | 若者的白夢
こんな夢を見た。漫画喫茶のロビー、共有スペースで手を洗い外へ出る。ザ・モンキーズのデイドリームビリーバーを歌いながら階段を自転車で下っていく。上ってくる人がいて、非常に邪魔扱いされながら、下までたどり着く。ぐーんとむこうまである世界が広く感じる。目覚め。

こんな夢を見た070615

2007-06-20 | 若者的白夢
こんな夢を見た。車を買う。2台。無事納車となり、車が置いてある場所に行く、新しい赤い車がある。もう1台、隣にあるのが、トラックなのだが、タイヤが非常にチープで、エンジンで動くものではなく、引っぱられてようやく動くという仕組みになっている。わたしはそれを憤慨し、あとで車屋さんに返そうと、それを引っぱっていく。通常のトラックぐらいの大きさだが意外と簡単に引ける。そのうち、坂道だったのか、トラックは勝手に動き出す。前に小屋がある、でかいミニカーみたいなトラックが小汚い小屋をめりめりといいながら壊していく目覚め。

盆にて、僕は少しめかし込んで

2007-06-19 | リッスン・トゥ・ハー
家を出る頃にはあんなに明るかった外はすっかり暮れていて、僕は少し面食らってしまった。夏だってちゃんと夜は来る。当然だ。せっかく、サマーニットなどを着て嬉しがっているのに、あんまり目立たないじゃないか、結局のところそれが気に入らなかっただけなんだけどね。みんなに会うのは久しぶりで、いや、そんなことはない、つい1ヶ月前にも会ったし、高校の時の友だちで大学にいってからも会うなんてよく会う方だろう。でも、あの頃毎日のように顔をあわせていたのだから、久しぶりと感じるのもわかって欲しい。とにかく久しぶりで、僕はなんとなく気合を入れて自転車に乗った。

欲望451~460(虹のいぬ間に雨)

2007-06-15 | リッスン・トゥ・ハー
・アイキャンフィールハイブリットレインボー

・音速を超える乗り物に乗る

・光速を超える

・イスカンダルに向かう

・すごくいいパスを出す

・キャッチボールで仲を深める

・ともだちのともだちのともだちが皇族

・海の広さを言葉で説明できる

・浜辺に流れ着いた外国のおもちゃを持ち帰る

・信じている

ピアノガールと形のない悪魔2

2007-06-10 | 掌編~短編
悪魔は彼女の周りにいつもいて、といっても彼女の部屋の中のみであったが、時々思い出したように話し掛けてきた。
最初、彼女はシャワーを浴びる時にも周りにいる悪魔に対して、恥らうようなこともあったが、すぐに慣れた。相手は悪魔であるし、形はない。あるのは悪魔という概念だけだ。慣れれば全く苦にならなかった。それどころか、悪魔は、いなくなった恋人の穴を埋めるに値するだけの存在になりえた。

悪魔は時々、ユリネのことを話す。それも同じ話だったが、彼女はいつ聞いてもはじめて聞いているような錯覚を受けたし、実際、その細部は聞くたびに少しづつ変わっていた。どれが真実でどれが真実でないかなんて曖昧なものだった。変わらないことはどのユリネも悪魔の、人間であった頃の悪魔のことを愛していて、綺麗な女の子であるという事だった。ただしそれは悪魔が言い張っているだけであって、本当のところは分からないのだが。

いくつか季節が変わった。
相変わらず彼は帰ってこなかった。彼女も半ば諦めていた。それは悪魔とのくらしで、分かっていた。悪魔が実際に存在して、その悪魔が彼は戻ってこない、といっているのだから。そういうことなんだと思った。
寂しさや、悲しさは、感じなくなっていた。それも慣れてしまった。
悪魔の言うとおり、すぐに慣れてしまったのだ。それを言うと、癪だったので、彼女は黙っていた。でも、悪魔には分かっているようだった。決して口には出さないが、ほらそうだろう、僕の言ったとおりだ、とでも思っているような気がした。

いつからか、彼女のほうから悪魔に話し掛けることが多くなった。悪魔からの返事が遅くなると、彼女は無性に寂しさを感じるようになった。
それこそが悪魔の怖さなのかもしれない。しかし、そんなことはどうでもよかった。ただ悪魔と会話をして、ユリネの事を聞いていたかった。
もしかしたら、私はユリネなのかもしれない。そう考える事もあった。しかし、いや、私は白くないし、何より皆に愛されていない。ここは雪の多い地方でもないし、とその考えを打ち消した。打ち消すたびに、それを残念に感じている自分がいることにも気付いていた。
つまりピアノガールは悪魔に惹かれつつあった。
恋愛に近い感情だった。

そのうち、いなくなった恋人のことを忘れてしまいそうになった。
どうして、悪魔が近くにいるのか、分からなくて考えていると、彼のことを思い出せた。