こんな夢を見た。虐待を受けている少女。親が、保護するものがいないため、ひどく汚い。頭も数年洗っていないようで、よく見ると、少女の頭皮にうじが這っている。うじは、頭の中にめり込んでみるみる太く長くなる。哀れ、ひどく気持ちの悪い、目覚め。
(藤堂志津子作/熟れてゆく夏/一行目は)
―海沿いの街にきてから三日目、眼ざめと同時に律子は寝台からとび降りた。―
寝台に巻貝が敷き詰められている。
―海沿いの街にきてから三日目、眼ざめと同時に律子は寝台からとび降りた。―
寝台に巻貝が敷き詰められている。
うぽぽ、といいながら男が通り過ぎる。うぽぽぽ。わたしはふいにそいつの後頭部を殴りたくてたまらない。そして、その欲求に忠実な格好で、殴り倒す。殴り倒す際、勢いを思い切りつけたものでロングスカートはふんわりと浮き上がって、ブルーの下着は後ろの男子中学生軍団に見えたかもしれぬけれどかまうものですか。うぽぷおーと倒れる。首を折るつもりで殴ったので当然。はは、と低く笑い私は天に向けて、拳突き上げて、せいっ!