リッスン・トゥ・ハー

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殺人者たちと対話しない

2007-06-25 | リッスン・トゥ・ハー
まず水責めだ。とアッバスは言ったあとでうひひ、と笑った。それから丸太で殴ってやれ。対話の必要はない、全く無い。丸太で、肉がえぐれるまで殴ってやり、その傷に焼き鏝を当てて、からしを塗れ。うひひ。それからそれからね、ぼくね、燃やしたいの、燃やして、消火して、燃やすの、それを繰り返すのいいでしょ、と乞う様な口調に涎が垂れる。彼は眠っていて、とても幸福な夢を見ているのだろう、と私は想像している。

この男 銀座ティアラ強盗

2007-06-25 | リッスン・トゥ・ハー
こいつが2億のティアラを盗んでいった男だという。ビデオに映っていた男は眼鏡がキラリ☆。髪はぼさぼさで、髭がある。オルタナティブロックバンドのフロントマンのようである。いや、渋くベースでも弾いているかのような陰で支えるタイプのようである。男はにゅんと動いて店内に入る、まったく不自然なところはない。その数分後に同じ顔して店内から出てくる男は確かに、こちらに向かって、つまりカメラに向かって、にあと笑いかけ、Vサインをした。うなり声が聞こえる。担当刑事や被害店の関係者が怒りを必死で抑えているのだ。私はそれにあわせるようにさも厄介なことが起こったものだ、というように腕を組み、難しい顔であさってを見た。この部屋にいる皆が、追い求めているティアラは私の家の冷蔵庫の中にあり、鮭や、マヨネーズと一緒に冷やされている。