なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

田んぼで見た黄色い花~ヒレタゴボウとチョウジタデ

2020-09-25 05:29:42 | 植物

昨日は撮りためたツユクサをどどーんと出し、はてさて今日は何を載せようか・・・
と思ってマイアルバムのお散歩で見た花を眺めていると、黄色い花が多いことに気づきました。
特に今の時期、地元の田んぼで目立っています。

数年前からよく見かけるようになったのがこちら。
ヒレタゴボウ(アカバナ科チョウジタデ属)


別名アメリカミズキンバイから分かるように、アメリカ原産の外来種です。
外来種のミズキンバイといえば、悪名高いオオバナミズキンバイがあり、どうも印象が悪いです。
和名はてっきり、ヒレタ・ゴボウかと思っていたら、ヒレ・タゴボウなんだそう。
この名前は、タゴボウ(チョウジタデ)に似ていて、葉にひれがあることから名づけられたとか。
和名になると途端にアメリカっぽくなくて、親しみを覚えます。
結構綺麗な花なんですけど、繁殖力の強さを見ると、ちょっとコワいですね。
一昨年行った奈良の本薬師寺のホテイアオイ群落でも、あちこちからぴょんぴょん顔をだして駆除に苦労されているようでした。


さて、お次はタゴボウと呼ばれるチョウジタデ(アカバナ科チョウジタデ属)
在来種ですが、外来のヒレタゴボウとは体格差があり、ちょっと分が悪そうです。
結構小さい花なので、これまで見逃していましたが、道草日記を始めてから気づきました。


おや、花弁は4枚かと思っていたら、5枚のものもあるようですね。
というか、過去の写真を見てみたら、上の写真以外全部5枚でした・・・


ヒレタゴボウとチョウジタデ、地元の田んぼでは、隣同士仲良く咲いています。
手前がチョウジタデ、奥がヒレタゴボウ、大きさの違いが分かっていただけると思います。
あれ、チョウジタデの花弁が6枚に見えるのは私だけ?


在来種と外来種、どちらも仲良く暮らせたらいいんですけどね~
ちなみに、地元で見られるアカバナ科・・・
在来種:チョウジタデ
外来種:ヒレタゴボウ、ユウゲショウ、コマツヨイグサ、メマツヨイグサ、ヒルザキツキミソウ
と、圧倒的に外来種王国です。
がんばれ、チョウジタデ!

【撮影:2020/9上旬~中旬 宇治市】


コメント (9)
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つゆくさの花のまとめ

2020-09-24 05:28:49 | 植物

これまでの投稿で、いつもチョイ役で出演していたツユクサ。
今日はそんなツユクサを主役に、どどーんとまとめてみました。

(2020/9/6  宇治市)

それにしてもツユクサって、花期が長いですね。
そんなときの道草日記、元データで花が咲いていた時期を確認してみると・・・
2018年・・・6月~10月
2019年・・・7月~11月
2020年・・・6月~

今年は8月、猛暑の中で近所の株はどれも枯れてしまいました。
ところがどうして、宇治川上流の水の滴る場所では暑くても咲いていました。
9月になり、少し涼しくなったら勢いを盛り返し、通勤路でも再びあちこちで見かけます。

<6月に咲き始めた花>

(2020/6/28  宇治市)

朝に咲いて昼には萎んでいます。なので、早起きしないと見られない花です。
朝露とともに見られる花だから、露草・・・この由来は情緒がありますね。
古くは月草、着き草とも。朝に見るのに月草とはこれいかに?
青い色が服に「着く」から着き草というのは納得ですが、ちょっとロマンがないので、月草になったのかも。
他にも、蛍草、青草、帽子花など、綺麗な名前が多いです。
それほど昔から親しまれていたのでしょうね~

<朝7時に見た花>

(2020/7/23 宇治川)

帽子花といえば、こちらの少しフリフリでサイズが大きいのは、オオボウシバナでしょうか。
とても綺麗です。

(2020/7/12 宇治市)

花の構造もユニーク。
普通青い花弁ばかり目立ちますが、花弁は3枚で、上の2枚が青、下に受けるような形の花弁は白。
雄蕊は6本で、可愛い黄色い小さい4本と、前に突き出す2本からなります。
花粉を出すのは前の2本だけで、残りは虫寄せ??
長い2本の雄蕊の中央にびよんと伸びているのが雌蕊。

(2020/8/2 宇治川)

二段になって咲いている花をよく見かけます。
この写真、上の花の下の白い(透明の?)花弁がよく分かりますね。

(2020/7/12  宇治市)

二段に咲いていると言えばこちらも・・・
でも花が小さくて葉も丸っこい。そう、こちらはマルバツユクサです。
最近どんどん勢力を増していますが、地元では花が遅かったことから、葉が広がった時に刈られてしまいました。

(2020/8/15 山田池)

ツユクサは青色が普通ですが、中には薄い水色のウスイロツユクサや・・・

(2020/8/23  宇治川)


(2020/9/13 宇治市)

白い花のシロバナツユクサも青い花に混じって見られることがあります。
見つけたらラッキー感がハンパないです。
この花はたまたま雨上がりに近所の休耕田で見つけましたが、思わず溝に足を突っ込んで撮ってしまいました・・・

(2020/9/13 宇治市)

憧れのメガネツユクサは野生では見られません。
こちらは前にも投稿した京都府立植物園のメガネツユクサの再掲です。

(2020/9/5 京都府立植物園)

最後は、去年10月下旬に見た名残のツユクサでお別れを!
さて、今年はいつまでこの可愛い姿が見られるでしょうか・・・


長くなってしまってすみません。
最後までみてくださって、ありがとうございました!

コメント (12)
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守りたい。カリガネソウにミヤコミズ

2020-09-23 05:20:47 | 植物

知人より聞いて以来、ずっと気になっていた、府内某所のカリガネソウ自生地に行ってきました。
最初に行ったのは9月上旬。
中旬には例年ほとんど花が終わっていると聞いたので、急いで向かいました。

山地の渓流沿いや林縁に生えているとのことでしたが、山道に入る手前の川沿いでいきなり群生を発見!
これは大いに期待できそう。


ということで薄暗い山の中に足を踏み入れます。
歩いても歩いても何もありません。本当に咲いているのでしょうか?
いい加減だらだら坂道に嫌気がさしてきたころ、辺りに特異なにおいが漂い始めました。
ひょっとして、この匂い・・
当たりです! 
付近にはいつのまにかカリガネソウの株が現れ、ぽつぽつと花を咲かせていました。




株は大きく、蕾が沢山付いているのですが、花はまだまだこれからといった風情。
こんな感じ・・・


今年は猛暑と少雨のせいでしょうか。いつもと勝手が違うのかもしれません。


リベンジを心に誓って、この日は自生地を後にしました。

さて、二回目訪問の結果をお見せする前に、カリガネソウのお勉強~
シソ科カリガネソウ属。
山野草として販売もされ、しいちゃんのお宅では沢山広がって咲いているということですが・・・
自生地は非常に限られており、京都では準絶滅危惧種に指定されています。
花弁は「二唇形」。上に二枚、下に三枚の花弁があります。
パッと見目立つのが下唇中央のびろんと前に突き出した部分。
まるでしゃくれた顎みたい。
カリガネソウという名前は、雁が飛んでる姿といいますが、似てるかなあ??
一番目立つのは、誰が見ても蕊ですよね。
で、花の姿を帆掛け船に例えて、「ホカケソウ」という別名もあるそうです。

おっと、写真も見せずに説明長すぎ!
四連休を利用して、また行ってきました。
花の造りをとくとご覧くださいませ。


今度は前よりは咲いていましたが、それでも植物園などで見られるような「一面青紫」にはなりません。


風情ありますよね~
でも暗いし、ゆらゆら揺れるし・・・で写真を撮るのにえらい時間がかかってしまいました。
撮り方によっては、上の写真のように少し青くなってしまうし・・・
実際には、下の写真のように、もう少し紫が強いです。





渓流沿いに咲くとのことですが、日当たりも好むので、こんな場所だとなかなか咲かないのかも。
少し上流山側に咲いていた株は、日当たりがいいからか、背が高く花付きも良好。
(一回目に行ったときの最後の写真の株がこんなに立派に咲いていました)


カリガネソウは小さい花ですが、大きな蜂が止まって蜜を集めます。
その時、湾曲した蕊が大きくしなって、蜂の背中に花粉が付きます。
その花粉が別の花にとまったときに、同じく湾曲した柱頭につくという次第。
うまく出来てますね~
一度だけ蜂が止まるのを見ましたが、確かに背中に葯がくっついてました。
で、下の写真ですが、もうすっかり花粉が出尽くした後と思われる花。
柱頭は開いていますね。


ちなみに、臭気が強いため、シカはカリガネソウを食べないそうです。
ただ、周辺、草刈りのあとがありましたので、相当数のカリガネソウが咲く前に刈られたかもしれません。
綺麗な花が咲く前はただの雑草にしか見えないので難しいですね。

長々とすみません。
で、実はこれで終わりではないんです。
この付近で見かけた小さい白い花。とても地味で、花の感じからイラクサ科と目星をつけました。


結構広がっていますが、普通のイラクサ科と比べてとても小さく、たとえて言えばヤブコウジくらい?


帰ってからググってみたら、なんとミヤコミズ(イラクサ科ミズ属)という植物のようです。
京都府南部で発見されたから「ミヤコ」と名付けられたそう。
分布が限られており、なんと絶滅危惧種!
地味な花ですが、がんばって山道歩いたご褒美をもらった気分です。

京都にもまだまだ希少な植物が残っているようです。
守るために私に何ができるでしょうか・・・

【撮影:2020/9上旬~中旬 京都府】

コメント (10)
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秋桜と向日葵~大原野2020/9上旬(2)

2020-09-22 05:20:46 | 植物

大原野神社を後にして向かったのは、里に広がる田んぼ。
5年まえに行ったときはコスモス畑が広がり、秋の花が咲き乱れていました。
少し季節が早いですが、今は見られない田の植物がみられるのではと期待して・・・

う~ん、やはりコスモスはまだ早かったですね。


それでも少し咲いていた花には、コセンダングサやヒメムカシヨモギも写りこみ、野趣豊か。


穂を垂れたイネの隙間にはオモダカがにょきにょき。


それでも見たかったイボクサの姿はありません・・
別の開けた場所に移動。キバナコスモスが咲いていました。
ここはもう稲刈りが終わっていたようです。


あとはヤブツルアズキばっかりやん。


その時、向こうの方に見えてきたのは・・・


あれれ、今頃ヒマワリが満開?
地元で育てておられるヒマワリ畑のようです。
維持のための寄付金を入れるポストが置いてありました。
こんな時期でもまだまだ綺麗に咲いています。今年はやはり小型が流行り?


残念だったのがロケーション。後ろが普通の住宅地なので、里の光景と一緒には撮れません。
(赤い車を洗車しているおじさまがバッチリと写ってしまっていました><)
花のアップは大丈夫。

フロリスタン(左)とルビー(右)
 

さらに小さいヒマワリも。こうなると、ヒマワリというよりキクイモの仲間のような・・・(笑)
フレッシュオレンジ(左)とフレッシュレモン(右)
 

反対側のロケーションは最高! でも後ろ姿。


腕が悪いのをロケーションのせいにしてはいけませんね。
短時間でしたがしっかりと楽しんで帰路につきました。

近くには、花の寺と言われる勝持寺や、お庭の美しい正法寺というお寺もあるので、
十分楽しめるところだと思います。
紅葉の時期もよさそうだけど、この道で渋滞したらいややなあ。

【撮影:2020/9/13 大原野】

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大原野神社の鹿とご神木と蛙~大原野2020/9上旬(1)

2020-09-21 05:20:57 | 植物

先週末、久しぶりにアッシー君にお願いして京都は西京区の大原野神社に行ってきました。
京都市内ですがのどかな里の光景に癒されるところです。
狭い狭い集落の道を通り抜けて神社へ。


まず手水舎で手を清めます。


鹿・・・ですね。巻物から水が出てくる光景はどこかで見たような・・・
令和2年の看板にもどどーんと鹿。干支のネズミと一緒にはねています。


本殿の左右に鎮座する狛犬・・・ならぬ狛鹿。
ここまでくると、この神社の由来が気になります。


 

鹿と言えば、奈良、奈良と言えば春日大社ですね。
大原野神社のHPを見ると、「大原野神社は春日大社第一の御分社で京春日と呼ばれている」とのこと。
創建は784年、平安京遷都の10年前長岡京の時代です。
藤原氏の氏神の春日神を祀り、平安京からも近かったことから、藤原氏の重鎮が事あるごとに参詣したそうです。
HPには、「寛弘2年(1005)3月8日に中宮彰子が本社に行啓、御父左大臣藤原道長、紫式部以下がお供をした。
その行列の絢爛さは、人々の眼をみはらせた。」とあり、当時の壮麗さがしのばれます。

境内にあったご神木の樹齢500年のモミの木は一昨年の台風21号で倒れてしまいましたが・・・
残った根元の中に入って、500年の気を感じることができるようになっています。
入り口がかなり狭いですが、四苦八苦しながら入ってきました。中は結構広いです。
こんな大きな木が一瞬で倒れるのですから、台風恐るべしです。


大原野といえば、今は希少種となっているフジバカマの自生地で、今も地元の人に保護されていることで有名。
そんなフジバカマでしょうか。境内の鉢で元気に咲き始めていました。


神域には奈良の猿沢の池を真似て作られた鯉沢の池という池があり、スイレンの葉が広がっていました。


午後だったので花は咲いていませんでしたが、葉の上には・・・
大きなトノサマガエルが。


別のカエルも。このカエルは何カエルでしょうか?


よく見ると、いるわいるわ・・・見える範囲だけでもなんと17匹のカエルが確認できました。
ちょうど休むのにいい場所なんでしょうね。
(それにしても我ながら数えるか~笑)

大原野神社の境内には茶店もありましたが、この後里の方も散策したかったのでパス。
駐車場前の草餅屋さんで草餅だけ買って帰ろうと思ったら、なんと休業しておられ、再開はお彼岸から・・・
今はやっておられるかもしれませんね。

ということで、この辺で大原野神社を後にしました。


【撮影:2020/9/13 大原野】 

コメント (7)
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