夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

日本に新型ウイルス患者発生

2009年05月09日 | 社会問題
 カナダから帰国した3人が新型インフルエンザの患者だった。朝のそのニュースをテレビで見て、疑問に思う事がある。
 患者の一人は機内検疫では引っ掛からず、外に出てから具合が悪いと訴えたと言う。それで、その周囲に居た乗客が問題になっている。それは乗客名簿によってその後の様子の連絡を取ると言うのだが、私が疑問に思ったのは、それなら、機内検疫は何のためにやっているのか、である。そこでは何の異常も無かった人が、外に出てから異常を訴える。それなら今までの乗客すべてにそうした情況になる危険性があったのではないのか。
 しかし番組の中では誰もそのような事を言う人は居ない。これってとても大事な事だと思うのだが。
 考えてみると、機内検疫でははっきりと症状の現れている人だけが対象になる。そしてその周囲に居た乗客も白黒がはっきり付くまで滞留させられる。それしか取れる方法は無いのだろうが、症状が無く、すぐに家に帰れた人々は何の問題もなく出歩いている訳だ。その中にもしも症状の現れた人が出たら、どうなるのか。検疫は無事に通過しているから、乗客名簿の管理だってどうなっている事やら。それに中には架空の住所や名前を記入する者も居ると聞く。
 本当に防御体制って信頼出来るのだろうか。

 話は変わるが、テレビのこうした番組に専門家が出演して話をする事がよくある。だが、その専門家の話し方が非常に分かりづらい。早口だったり、発音が不明確だったり、難しい言葉を使ったり。大体が、話す事が得意の人ばかりではない。
 本人はすっかり分かっているからそれでいいのだろうが、大体が非常に難しい話なのだ。だから専門家を呼んでいるはずである。そして番組のスタッフはみなさん事前に勉強なさっているのだろう、やはりすらすらと分かっているらしい。まさか分かった振りをしているのではなかろう。
 もしかしたら、肉声とテレビのスピーカーでの音声との違いもあるのかも知れない。機械を通しているから余計に分かりづらくなるのかも知れない。でもそれなら、番組内ではことさらに分かり易く話す必要がある。
 今日のように突発的な場合には事前に勉強している暇が無いから、専門家に出演してもらってその場をしのぐのかも知れないが、専門家とてそんなに簡単に出て来る訳には行かないはずだ。それなら、番組のスタッフがそれなりに勉強して、きちんと対応する事は出来るはずだ。今日の話では、パニックになる事無く、冷静に、そして少しでも異常を感じたら速やかに保健所なり関連の施設に連絡を取って欲しい、と言う事が分かれば良いのである。それなら何も専門家に頼らずに、スタッフだけでも出来る。
 多分、労力を省きたいのと、専門家の権威を借りたいのと、両方の思いがあるのではないか、と私は疑っている。

 話を分かり易く、と言う事に関係者が少しも関心を抱いていない事は既に証明済みだ。ある朝の番組で男性司会者の話の半分が私には分からない。なぜなら、話の途中の言葉や語尾を飲み込んでしまって話すからだ。所々の単語は分かるが、その繋がりがまるで分からない。横に居るサブの女性アナウンサーの話はとてもよく分かるのだから、話し方の欠陥としか言いようが無い。女性の声と男性の声の違いでもない。ほかの男性の話はとてもよく分かるのだから。
 つまり、分かろうが分かるまいが、番組関係者は何の関心も持っていないとしか考えられない。番組が流せればそれで良し、なのだろう。
 だから私はその番組は見ない。話の分かり易い人々が話しているのは、エンターテイメントばかりだから、最後のわずか1分足らずの「今日のわんこ」だけを見る。日替わりで面白い犬が登場する。
 結局、嫌みになるだろうが、何もしゃべらない犬に負けているのである。