千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

八色の森から

2014年02月02日 | 日記



 1月30日。
 池田記念美術館。
 凍てつくような寒さだった。
 絵画展の搬入日。
 美術館は休館で、暖房は入っていなかった。

 会長、絵画教室の先生、館長、学芸員の挨拶があった。
 一同のキビキビした動きが始まる。
 展示室は二ヶ所。
 力仕事ができないので、夫に同行してもらった。
 小品を運ぶ、ちょっとした用を頼まれる、そんなことだけができる。
 私同様、腰痛の女性がいる。
 腰が痛い、と言っては、椅子に腰をかけていた。
 痛いよりは寒い。どれだけ耐えられるか・・・
 冷え性になったと思う。
 動いた方が身体が暖まるのだが、何をどうしていいか分からない。
 途中、美術館のスタッフが何人も入ってきた。
 さすが、プロである。高い脚立に登る人は驚くほど身軽だし、見守って指示をする若い女性は、隣の作品との位置も寸分違わさない。
 美術館の搬入というものを、初めて目の当たりにした。

 結局、午前中には終わらなかった。
 弁当持参していない人は、食べに帰って午後一時二十分に集合して下さい、との会長の挨拶があった。
 弁当があっても、こんな寒い場所では食べられない。
 帰宅した我が家も寒く、ストーブで暖まった頃には出かけなければならなかった。背中にカイロを貼った。



 OBの人たちの作品はとても大きい。
 素晴らしかった。
 吸い寄せられ、胸に焼きついた作品があった。
 言葉などいらない。
 ただ、じっと作品をみつめているだけで、描かれている人物と静かに対話ができる、そんな絵、大きなキャンバスの絵だった。

 昼食を食べた後の人間のエネルギーは違う。
 またたくまに展示の作業が終わった。
 写真撮影は禁止だが、会場当番日にじっくり鑑賞しよう。



二人

本当は
何も分かっていないの あなたのことは
知っている限りの
あなたの記憶を たぐり寄せてみても
あなたの真実が見える訳じゃないわ
だから
あなたの見えない部分まで
今は 知らなくてもいいの

本当は
少しは分かっているの あなたのことを
知っている限りの
あなたの記憶を たぐり寄せれば
あなたの断片が見えてくるの
人は誰でも哀しいものだわ
だから
あなたの哀しい部分まで
今は 知らないふりをするの

あなたが近づかない訳が分かっているの
人生には どうしても
歩んではならない道というものがあるのよ
あなたのことを知りたくても
あなたのたどった道を追いかけることはできないわ
時は心のままに進んではくれないわ
だから 分かっているの
今のままでいることが 似合っているのよ
二人には
                      (azumi)

 椎名恵的なメロディを思い浮かべながら書いた詩。
 こういう遊び心が、未だ残存しているみたい。
 ピアノで弾き語りができる人がうらやましい。










                    (撮影2012・3・11)  








                    (撮影2009・4・12)

 池田記念美術館は何度も来ているのだが、写真が残っていないのが残念だ。





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