俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

有害物

2015-10-15 10:26:54 | Weblog
 薬は有害物だ。どう有害であるかによって3種類に分類できる。①病原体にも人にも有害②病原体にのみ有害③人にのみ有害。
 大半の薬は人にも病原体にも有害だ。「毒を以って毒を制す」が薬の本質だ。そんな毒物が薬として使われるのは、メリットのほうがデメリットよりも大きいからだ。命を救うためであれば多少の副作用など無視してでも使わざるを得ない。
 理想的な薬は、病原体にのみ有害な薬だ。大村博士の発見に基づく寄生虫病治療薬のイベルメクチンや抗生物質などがそれに近い。しかし実際には人体に全く無害という訳ではなかろう。有害性がかなり低いだけなのだから過信して常用すべきではなかろう。
 人にのみ有害な薬とは妙な薬だと思われるだろうが、退治すべき病原体が無ければ人体に異常反応を起こさせることによって症状を緩和する。対症療法薬がその典型だ。下痢止めは腸の機能を鈍らせ、鎮痛剤は痛覚を麻痺させるだけであり、原因は放置されるから治療効果は全く無い。
 生活習慣病の患者に投与される薬は検査数値を下げるだけだ。降圧剤は血圧を下げるだけでありなぜ血圧が高いのかを問わない。昔、水道水に含まれる塩素を塩酸に変えることによって塩素の検出値をゼロにする「浄水器」があった。塩素よりも塩酸のほうが一層有害なのではないだろうか。降圧剤で血圧を下げることもこの「浄水器」の使用と似た愚行と思える。検査数値を下げることばかり考える人はフォルクスワーゲン社のディーゼル車の偽装工作を笑えない。
 抗癌剤は細胞破壊薬だ。毒物のレベルだ。実際に抗癌剤に「毒」と表示している病院もあるそうだ。癌細胞も正常細胞も破壊するから、運が良ければ多少の延命効果が期待できるというレベルの薬に過ぎない。
 抗精神病薬は人を狂わせる有害物だ。過酷な仕事や重大な問題を抱えた家庭事情が原因で欝状態になった人を薬で治せる訳が無い。生活環境が変わらない限り苦境は続く。そんな苦しみを感じなくさせる薬は治療薬ではなくロボトミー手術と同様の精神破壊だ。
 栄養障害の人に対する栄養補給剤以外の薬は総て毒物だ。寄生虫や病原菌を殺すから薬効を発揮する。ウィルスは生物ではないから殺せない。だから風邪に効く薬は無い。毒を飲んで健康になれる訳が無い。昔から「馬鹿に付ける薬は無い」と言うが、巷に溢れ返っている薬の大半が、薬の有害性を知らない「馬鹿のための薬」だ。

定額と定率

2015-10-15 09:45:33 | Weblog
 〔問〕同じ店で使えるが同時には使えない千円券と1割引券を1枚ずつ持っていればどう使い分けるのが最も得か?
 〔答〕千円券を低価格品の購入に、1割引券を高価格品の購入に使う。
 〔理由〕1,500円と10,000円の商品を買うなら、正しく使えば2,000円得をするが、間違った使い方をすれば1,150円しか得をしない。お釣りの出る千円券であれば極力安い品に使ったほうが得だ。もし10円の商品を買えば990円の現金を入手できる。
 千円券のような定額券は低価格品の購入に使い割引券は高価格品の購入に使うべきだ。定額と定率には異なった特長がありそれを理解すれば、それぞれの長所を生かした使い分けが可能になる。
 消費税は定率の税制だ。この税制の最大の欠点は「平等性」だ。富裕者にも貧困者にも平等に課税する。富裕者にとってたった8%の税金など気にならないが、貧困者にとってはたった1円でも惜しい。1円の重みが違うから平等な課税は不公平だ。
 この不公平さを改善するためには軽減税率を含めた税率の見直しよりも定額制の給付金のほうが有効と思える。定率である消費税の欠陥は定額制によって補完できる。全員に定額を給付した場合、富裕者にとってははした金だが、貧困者にとっては貴重な収入になる。敢えて全員とするのは、制限を設ければその手続きのために無駄なコストが掛かるからだ。そんなことに経費を使うよりも富裕者も含めた全員に給付したほうが却って国費の負担は少ない。
 しかしやはり制限は必要だ。失敗例がある。リーマンショックの時、オーストラリア政府は景気対策として一人当たり約60,000円をバラ撒いたそうだ。これが招いたのは空前のギャンブルブームだったと言われている。国民がアブク銭と考えればこんな乗数効果の乏しい出費のために浪費されかねない。
 給付金よりも用途を制限した給付券のほうが良いと私は考える。地域限定にしたり、購入対象品や対象店舗を絞ったりして、しかも申し込み制にする。給付券に魅力を感じない富裕者であればわざわざ申し込まない人もいるだろう。こうすることによって給付を必要とする人を優遇する政策となり得る。