俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

新々ジャンル

2015-10-16 09:48:26 | Weblog
 多くの人が同じメーカーのビールと発泡酒・第3のビールを飲んでいるだろう。私の場合はスーパードライとクリアだ。アサヒビールにとってスーパードライが理想の味だろうから、それと似た味の第3のビールを作るのは当然と思える。
 第3のビールのトップブランドを持つキリンビールは違った戦略だと思う。のどごし〈生〉は一番搾りにもラガーにも似ていない。むしろサッポロビールの黒ラベルに似ている。これは面白い戦略だ。かつて戦略ミスによって業界1位の座を失っただけに、現在のマーケティング担当者の能力はアサヒ以上なのかも知れない。
 アサヒの戦略が最悪だ。スーパードライの愛好者をクリアとプライムリッチが奪ってしまう。この点キリンは賢い。社内競合を避けてスーパードライの味を真似ても既にクリアやプライムリッチをアサヒが作っているから敵いそうに無い。だからサッポロビールのシェアを奪おうとしているのではないだろうか。しかし私のようなアサヒのファンにとってはのどごし〈生〉は旨くない。なぜこれが第3のビールのトップ商品なのか分からない。多分キリンのブランドが高齢者にとっては今尚有効だからだろう。
 その一方で、発泡酒№1の「淡麗〈生〉」がリニューアルされて「淡麗極上〈生〉」に変わった。かなりラガーの味に近付いたように思う。かつてキリンビールはラガーを「生」に変えることによって日本のマーケティング史に残る大失態を演じた。これはアメリカでのコカコーラの失敗をそのまま踏襲してしまったということもあり大変な恥晒しになった。そんなキリンにとって主力商品のリニューアルはかなり勇気の要る決断だっただろう。
 製造方法が限定されているビールとは違って発泡酒や第3のビールには製法の自由がある。昨年サッポロの極ZEROが大ヒットしたが、糖質やプリン体を除くというマイナス発想ではなく付加価値を付けるというプラス発想の新商品を開発できないものだろうか。
 ビール類の摂取量は他の飲料と比べて桁違いに多い。だからほんの少しのビタミンやミネラルでも充分な量を摂取できる。あるいは悪酔い・二日酔いの予防に有効と言われるウコンでも良い。「楽しく美味しく健康」というコンセプトで新しい飲料を開発して欲しいと思う。
 ノンアルコール飲料では5月に「サッポロプラス」が特定保健用食品として発売されたが、トクホとして認定される必要は無い。高付加価値であることさえ認められれば、極ZEROと同様に充分な需要を喚起できる。ビール類を飲んで健康増進が期待できるならビール好きにとっては朗報だろう。酒飲みが健康に無関心な訳ではない。