金属中毒

心体お金の健康を中心に。
あなたはあなたの専門家、私は私の専門家。

ぼくとけっこんしてくにになろうその11

2012-12-15 16:56:51 | Weblog
 ジルは情が濃すぎる。狡猾だの卑怯だの言われたプロイセンだが、ギルベルト本人は情に厚く優しい。その愛情ゆえに彼は亡国となった。
大戦後国名を失うべきだったのは、一部国民の暴走にあっさり巻き込まれたドイツだった。

フランシスは思う。国とは何かと。
だれかに聞かれた時には 国とは舟なり。と答えている。その答えとは別にフランシスにはもう一つ思う事がある。国はなんのためにあるのかと。人に言ったことはないが、国の役目とは防波堤であると思う。
国の役目は民の想いの防波堤である。

いつの時代もひとはたやすく流される。支配される。例をあげればきりがないが自国のフランス革命。ドーバーの隣人のクロムウェルのアイルランド征服。人々の思いが異常に熱狂し反対意見を口にすることさえできない。そんな時、国はどうするべきか。実のところどうすることもできない。国人は国の姿の鏡像のようなもので、なんの力もない。ほとんどの国人はそう思っている。
 フランシスはそうとばかりは思わない。国民が一方方向に熱狂するとき、国人は違和感を感じるべきなのだ。それを意識し感じ続けるべきだ。熱狂する国民感情の中で違和感を感じ続けるのはむずかしい。フランシス自身もなんども失敗している。それでも精一杯違和感を持ち続け、熱狂していない国民と接した。それによって、熱狂に多少のブレーキをかけることができたと思う。
 口にしたことが無いので他の国人がどう思っているかはわからない。だが、おそらくギルベルトはそれをかなり意識的に行っているとフランシスは読んでいる。ギルベルトはいったい誰から、それを学んだのだろう。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿