金属中毒

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両王手11

2009-01-19 01:30:56 | コードギアス
両王手11


「鏡志郎、あなただけに苦労をかけますね」



皇の少女は自分のサムライをねぎらう。
天子には『軍事上に必要な行動ですから、ご心配には及びません。』
そう言って慰めたが、神楽耶は確信していた。これは暴走であると。
軍事の事は分からずとも神楽耶には政治の感覚があった。

もし、星刻の行動に意味があるとすれば、それはブリタニア内部の反抗組織と共同戦線を張っている場合のみ。
一方で皇族に対して首都を人質にし、その隙に反抗組織がブリタニアを変革する。
しかし、神楽耶の知る限りブリタニアにそれだけの組織は無い。
また、もしも神楽耶の気付かない組織が合って星刻がそれと内密の繋がりを持っていたとしたら、それは黒の騎士団に対する裏切りともなり得る。しかし、その可能性は無い。神楽耶は確信できる。何故か。
それは。
「私は天子様とお茶にした後、軍の鼓舞に参ります」
あの男が愛しい天子を危険な目に合わせることは有り得ない。
天子はここにいる。それがこの行動が暴走である事を証明している。


「彼はあせっています。理由は分かりませんが」
神楽耶は短い間に見た星刻の印象を己のサムライに告げる。付き合った時間なら藤堂の方が長いが、神楽耶には皇の巫女姫としての目がある。
おそらく、その焦りがこの行動を引き起こしたのだろう。もちろんゼロが廃人になったこともフレイアも引き金となっているだろうが。


その廃人化したゼロがどうしているかを藤堂は己の姫巫女に告げる。スザクと共に去ったと。
「スザクと。そうですか。ずいぶん回り道をしてようやく、いえ、スザクは真っすぐしか歩けない子ですから。」
年上のいとこを巫女は子と呼ぶ。
「歩く道はあの子の思いを裏切って曲がっていたのでしょうけど」
『地球が丸いから道はいつでも曲がっているのに』
小さい頃、真っすぐにこだわるいとこにカグヤはそんなふうに言ってからかった。
『それでも俺は真っすぐ行くぞ』
記憶の中のスザクは真っすぐ前だけを見据えている。
(世界を一周してようやく帰ってこられた。お兄様)
これから先、いとこと自分達の道は重なるのかぶつかるのか、それを知る力は神楽耶には無い

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