上海事変18
香凜は天子の寝室を覗いた。天子は少しくたびれたパンダのぬいぐるみを抱きしめ明日の勅令の文を読んでいる。
「香凜聞いていてね」
香凜が顔を出すと天子は喜んで一緒に寝台に座って聞くように言う。本来、臣下の身でそんな無礼なことはできないが、香凜はにこりと笑うと天子の横に座る。(私は星刻様の代わりだから)天子が望む事、星刻がしていたことは全てする。
暗記は完璧だ。発音もきれいだし文句のつけようがない。
「とてもお上手ですよ。天子様」
「ねぇ香凜、星刻もほめてくれるかしら」
「はい、星刻様ならそれはお喜びになってたくさんお褒めになるでしょう」
「私が上手にできたら星刻は喜ぶの?」
「星刻様は天子様をご敬愛でございます。天子様がりっぱな天子におなりになれば誰よりも喜ばれます」
そう、あの男にとってはこの幼い天子が全てなのだから。
ふと、天子の雰囲気が変わった。ぬいぐるみをぎゅつとだきしめる。
「明日はしんくーも一緒にいっていいでしょう。だってわたししんくーが大好きだもの」
香凜は天子の寝室を覗いた。天子は少しくたびれたパンダのぬいぐるみを抱きしめ明日の勅令の文を読んでいる。
「香凜聞いていてね」
香凜が顔を出すと天子は喜んで一緒に寝台に座って聞くように言う。本来、臣下の身でそんな無礼なことはできないが、香凜はにこりと笑うと天子の横に座る。(私は星刻様の代わりだから)天子が望む事、星刻がしていたことは全てする。
暗記は完璧だ。発音もきれいだし文句のつけようがない。
「とてもお上手ですよ。天子様」
「ねぇ香凜、星刻もほめてくれるかしら」
「はい、星刻様ならそれはお喜びになってたくさんお褒めになるでしょう」
「私が上手にできたら星刻は喜ぶの?」
「星刻様は天子様をご敬愛でございます。天子様がりっぱな天子におなりになれば誰よりも喜ばれます」
そう、あの男にとってはこの幼い天子が全てなのだから。
ふと、天子の雰囲気が変わった。ぬいぐるみをぎゅつとだきしめる。
「明日はしんくーも一緒にいっていいでしょう。だってわたししんくーが大好きだもの」
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