金属中毒

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プロポーズ小作戦121

2010-01-10 01:34:31 | コードギアス
プロポーズ小作戦121
スザクが見た例のブログは、そのアクセス数や話題性から一般のニュースにもなった。当然ミレイやリヴァルも見た。ましてやミレイはアッシュフォードの娘、(祖父は先日亡くなった)、あの写真については詳しいはずだ。マスコミが業界人であるミレイをほっておくはずはない。しかたなくミレイは写真がアッシュフォードでまつりのときに撮られたもので被写体がルルーシュ・ランべルージュであることは認めた。それぐらいはどうせすぐにわかってしまうことだ。その先が問題だった。はたしてどこまで認めていいのか。それを相談しようにもナナリーにうかつに連絡できない。
結論だけ言うとこの件をうまく治めたのはリヴァルだった。ブログを詳しく調べた彼はあの写真がアッシュフォード一の美人としか書かれていない点に注目した。そして悪逆皇帝の前歴が一切不明なのも調べ上げた。さらにはリヴァル本人が記憶操作されていた間にアッシュフォードにいたのは、ロロであったこと。

リヴァルの書いた筋書きはこうである。
ルルーシュとナナリーの姉妹は幼いころからアッシュフォードにいた。ナナリーは側にいたルルーシュを兄と信じていたが実は別人であった。(一説として乳母の子供)
 ナナリーはブリタニアに戻され、入れ替わりにルルーシュとロロが来た。その後、ルルーシュは皇帝になりゼロに殺された。
 つまりあの美人と悪逆皇帝は別人としたのである。
リヴァルはあくまでも噂としてこれを流した。ところで、仮定とはいえ万人が知る事実は多数が知るということで真実とされてしまうことがある。それに男どもとしてはあの美人が性別男だとは信じたくない。まぁ、悪逆皇帝も容姿だけは絶品だったが、それでも男だ。
 かくして別人説は受け入れられた。結果ナナリーは亡き〈姉〉をどうどうと偲ぶことができるようになった。
二人のルルーシュの容姿が似ているのは、あるいは亡き美人も皇帝の娘であった可能性があるということで簡単に説明がついた。なにしろ公式な妃だけで108人の絶倫皇帝シャルルである。隠し子の100人ぐらいいてもおかしくない。
 噂を流したリヴァル本人が思ってもいないほどにこの説は流布した。あるいはそこにはスザクの依頼を受けた星刻の情報操作もあったかもしれない。


プロポーズ小作戦120

2010-01-10 00:43:59 | コードギアス
プロポーズ小作戦120

ことがことだけにどう切り出そうかと、星刻が出る前の通信機の前で考えていたスザクだが、電話に出たのが星刻本人ではなく秘書グループの長であったので話題を振り損ねた。大司馬は今会議中ですと秘書は答えた。
ゼロであるスザクならどのような場合でも最優先で繋がせることはできる。しかし、今回は話題が微妙だ。どっちかと言うと個人的な相談というか、(自分は愚痴りたいだけだ)とスザクは気がついた。
中華に鞘を預けてから、スザクは星刻とよく話した。シュナイゼルと異なり星刻のやり方は理が通っており軍人上がりのスザクには馴染み易かった。星刻もスザクに対しては気を許していた。だからスザクは星刻の食べ物の好みさえも知っていた。
 食べ物の好みなんて誰でも知っていると思われるかもしれない。しかし、星刻は私的感情を一切隠して生きていた。どんなことが弱みになるかわからないからだ。むしろ本国にいるときのほうが星刻は孤独だった。
 スザクのほうも仮面こそ取らなかったが、結構個人的なことをしゃべっていた。例えば、星刻の好物が山羊のチーズ(日本人の感覚からすればけだもの臭いチーズ)だと聞いたきっかけは、「CCのピザの臭いがすごくて、せっかくの豆腐がチーズ臭くなったよ」と言ったことだ。 
 星刻は苦笑して私も彼女には参ったなと言い、ふと思いついたように『幼少時に覚えた味や、飢餓状態で覚えた味は他人から見てまずい物でも忘れられないらしい。私も山羊のチーズだけは別格だ』と続けた。
それをきっかけにスザクも納豆が好きと言いだし、おかげで中華にいる間スザクの朝食には納豆が付くようになった。
 実のところ星刻は会議に出ているわけではなかった。ストレスが原因で気道が狭まり呼吸困難を起こしかけたため、地下5階に閉じこもっていた。地下5階には大型病院並みの設備がある。星刻がこの公館を使うようになってから運び入れた設備である。その中の1室に星刻が金魚鉢と呼ぶ設備がある。完全な空調設備が付いていて酸素濃度・窒素濃度・空気圧等を完全に調整できる。本来なら医師の指導の下で専門技術者が使うべきだが星刻は自分で操作していた。医師は先日切り捨てた。


 さて、スザクが通信を切ったあともネットでは例の写真が話題になっていた。
やっぱり誰かが何とかすべきだと考えた者がスザク以外にもいた。