前原代表辞任

それは、短い会話でした。
(私)重い決断をされましたね。
(前原代表)すべての責任は代表としての私にありますから。応援してもらったのに、こんなことになって申し訳ない。
(私)いや、十分支えることができず、謝るのはこちらの方です。本当に、お疲れさまさまでした。

電話を切ったあと、全身の力が抜けて行くような気分に襲われました。
昨日も一日床に伏せていましたから、いつも身体の中で回転しているエネルギーがフワフワと抜けて行くような、そんな中に襲いかかってきた代表辞任の第一報でした。

この間、皆さんから温かいお見舞いと励ましのお言葉をたくさん頂戴しました。
ご心配いただき、心より感謝申し上げます。
病み上がりのエントリーが、こんな形になって本当に残念です。

前原代表を推薦し代表選を勝ち抜いて、「戦う民主党」をつくり反転攻勢!・・・こう心に期して、与えられた役割を果たそうと日々懸命に取り組んできたつもりでしたが、今回の事件によって、せっかくつくった良き政策も、それを訴える土台そのものが崩れてしまっては、国民の皆さんに受け入れてもらえないどころか、関心すら示していただけない。それほど深刻な信頼の失墜を自ら招いてしまったことに、遅まきながら気づかされました。

いま、急遽設定された党の両院議員総会に向かう電車の中です。
率直に言って、次の代表選挙にはまったく関心がありません。
これから民主党はどうなるのだろうか・・・。
いや、この党がというより、日本の政治の将来に対して責任を果たさなければならない。でも、それは気の遠くなるようなエネルギーを必要とするはずです。
車窓から見えるいつもの景色ですが、なんだかグレーがかかっています。
苦い唾を飲み込むと、まだ喉の奥が痛みます。

いずれにしても、今度こそゼロからの再出発です。

(両院議員総会の帰りの電車の中です。昼のエントリーに付け加えることは殆どありませんが、「代表選挙に関心がない」と書いたのは、無責任に聞こえたかもしれませんが、9月までの残り任期、火中の栗を拾ってくれる方なら誰でも結構です。いずれにしても、総辞職した執行部の端くれとして、次期代表選挙にかかわる資格も意思もないということを言いたかっただけです。大失態と風邪、いつまでも引き摺ってないで、反省すべきは反省し再出発します。・・・なお、誤字脱字を訂正させていただきました。2006-03-31-17:45追記。)
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久しぶりに風邪でダウン

朝の駅頭遊説でブルっと悪寒が走り、風邪の菌が体内に入ってきたような感覚が。スタッフ・ミーティングの途中から頭がガンガンしてきてしまい、以前からアポイントメントの入っていた方への挨拶回りだけを何とか済ませた後、自宅へ直行。そのまま、風邪薬を飲んで、布団の中にもぐりこみ、目覚まし時計が鳴るまで約4時間、文字通り気を失いました。

のどが痛み、乾いた舌で口の中を探ってみると、口内炎が。重い頭を振りながらごそごそと起き出して、携帯電話を見ると受信履歴に電話が数件、メールが数通、メッセージが3件(これで目一杯)。もう一度布団に戻りたい思いを懸命にこらえて、着替えなければ。今晩は、大事な会合がありました。地元町会で特別にお世話になっている方が昨秋に藍綬褒章を受章された、その祝賀会。来賓として、喉を振り絞ってご挨拶させていただきました。

「公益の増進に貢献された方に贈られる藍綬褒章は、コミュニティの崩壊が叫ばれ市民生活を脅かす事件が多発している今日にあって、他の褒章に比べても、とくに意義深いものがあります」といった趣旨の祝辞を述べて、早々に退散しようと思っていましたが・・・、さすがに町会のお祝い事。顔なじみのの皆さんにつかまり、結局お開き近くまで中座できず。唾を呑み込むと喉の奥が痛みます。こんな日もたまにはありますが、どうしても今夜中に治してしまわねばなりません。明日から、いよいよ外交安保ビジョン取りまとめに向けた大事な一週間が始まります。気合だ、気合だ、気合だ!
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明日は、日曜討論

昨日のエントリーに対して、「いい加減にして欲しいのは民主党そのものだ!」「ブログでつぶやいてないで自ら行動せよ!」などの厳しいお叱りを多数頂戴しました。この件に関しては、私自身も「煽り」の片棒を担いでしまっていますので、すべての批判を甘受するほかありません。

それでも、やるべきことを整斉と実行しなければなりません。
国会議員として、それは政治であり政策です。
政府の足らざるところを指摘しつつ、民主党としての対案、提案を練り上げていかねばなりません。さらに、政権構想における外交安保ビジョンの策定も急がねばなりません。・・・現状では、期待する人は少ないとしても、です。議会制民主主義の下では、野党のオルターナティヴは、絶対必要だからです。

明日は、民主党の安全保障部門を代表してNHKの日曜討論に臨むことになります。自民党は、町村前外務大臣です。在職中には、何度も質疑でお手合わせいただきましたが、いつの時も冷静沈着で理路整然と答弁され、その中にも毅然とした日本外交を唱導していたことが印象的です。前任者の川口外相の掘った大穴を埋め、独自の外交ドクトリンを確立するには1年余の任期は短すぎたのでは、と少々残念な気がしたものです。後任の麻生外相が(失言を批判されながらも)率直な発言で日本外交に覇気を吹き込んでいることが救いですね。

テーマは、米軍再編問題、自衛隊のイラク撤収、そして、日米同盟関係とアジア外交についてです。

米軍再編問題をめぐっては、安倍官房長官が述べた「地元合意を得るのが難しければ日米間の最終合意を優先せざるを得ない」という発想を質すところから入りたいと思います。この発想は順序がまったく逆だからです。昨年秋に来日したブッシュ大統領自らが小泉首相に「民主主義国家における地元住民の基地受け入れに対する理解の重要性」を明言していました。米国は、この点にきわめて神経質であり、自国内では基地と周辺住民との友好的な関係構築に一日の長があります。

米軍再編協議そのものについては、日本側の「主体性の欠如」が混乱を招いた根本原因であると指摘せざるを得ません。「当事者意識の希薄さ」と換言していいと思います。そのために、少なくとも2001年9月の同時テロ直後から始まった米軍再編のプロセスに、我が国が正面から向き合うようになったのは、遅れること3年の04年10月、町村外相(当時)の就任以降だったのです。しかし、その時までに米側の基本計画は完了しており、日本側はその計画を鵜呑みにし、受け入れるか、値切るか、という「お決まり」の低レベルな日米外交交渉となってしまいました。

したがって、海兵隊のグアム移転経費75%負担などという法外な話に振り回されることになってしまったと考えています。衆院安保委員会で麻生外相が口走った「立退き料」という説明では、外務省総予算6900億円よりも、思いやり予算を含む我が国の米軍駐留経費負担総額6300億円よりも高い、8800億円という明らかに現行法の枠を超える海外基地建設のために経費負担することについて、日本の納税者を説得することは困難です。

私は、日本が、米国との同盟協力において、アジア太平洋地域の平和と安定に主体的に寄与するマスター・プランを持っていれば、91年湾岸戦争の二の舞のような「はじめに財政負担ありき」とはならないはずだと思っています。米国の世界戦略遂行における在日米軍基地の持つ価値は、その地政学的位置、経済的技術的観点、政治の安定性などからいって、他をもって代え難い死活的なものです。そのことを日本はもっと効果的にアピールすべきです。それに加えて、97年の日米防衛協力のガイドライン策定以来、日米間で積み重ねてきた軍事協力(といっても、主として「戦争以外の軍事活動」=military operations other than war, MOOTW)の射程をアジア太平洋地域に広げることによって、米軍がグアムを戦略拠点とすることと相俟って、同地域への抑止効果と秩序安定への意義のある寄与となり得ると考えています。

『日米同盟の変革と再編』(昨年10月末の日米合意のタイトル)と言うのなら、せめてこれぐらいのスケールで構想できないものかともどかしく感じていました。しかし、こういう発想も、これまでのような「対米依存」から、まず「セルフヘルプ」を基本に独自の安保観を確立していくことによって初めて出てくるのではないかと思っています。(じつは、偉そうに言っている自分自身も、米国留学時代に初めて、ワシントンの政府、議会、軍関係者や、専門家の方々との議論を通じて次第にこういった発想を養うことができました。)

自衛隊のイラクからの撤収については、すでに英国や豪州のみならず、米国もイラク国内の政治プロセスをにらみながら出口戦略を真剣に探っている段階であり、「撤収するか否かではなく、撤収をいつにするか」に議論の焦点が移っています。政府に問いたいのは2点。いかなる環境が整えば撤収を開始するのか、そして、自衛隊撤退後の我が国のイラク復興支援プランは何であるのか、それは誰が担うべきか、ということです。

前者については、首相が無事選出され(すでに3ヶ月遅れている!)、イラクの正式な政府が樹立されることが最低条件だと思っていますが、最近、英国のリード国防相が、比較的治安の安定した南部各県(日本の自衛隊が支援しているムサンナー県も含まれる地域)については、政治プロセスとは切り離して治安権限のイラク人への移譲を開始する可能性について言及したことは注目に値します。また、陸上自衛隊撤退後については、私見では、航空自衛隊による輸送協力を残し、隣国のクエートかヨルダンに日本の対イラク復興支援センターを創設して、自衛隊と民間の協力による日本型CIMICを実施することも一考だと思います。

最後の日米同盟とアジア外交については、小泉政権の日米同盟一辺倒の姿勢を批判せざるを得ません。日米関係とアジアとの関係は日本外交にとって車の両輪であって、小泉首相が強調する「日米関係が良好であればあるほどアジアとの関係が良くなる」という点は正しいものの、それと同時に、アジアに外交基盤を持った日本の同盟国としての価値を米国に示すことは、より強固な日米同盟関係を築く上で不可欠です。そういうダイナミックな外交を展開するためにも、「首脳外交」の効用を訴え、その実現に向けた政府の努力を強く促したいと思っています。

それは、首相が靖国参拝に拘ろうと拘るまいと、我が国として必ず成し遂げなければならない外交政策の基本中の基本です。現状のように、事務方に「戦略対話」を丸投げしているようでは、本来の戦略的な外交など展開しようもありません。首脳外交で、拉致問題を前進させ(まだ成果は不十分ですが・・・)、戦後最高の日米関係を築いた小泉首相なのですから、中国や韓国との関係で首脳外交を忌避する理由は見当たらないはずです。

とくに、中国との外交は、今後、世紀の単位で我が国の最重要課題となるでしょう。対中外交は、大きく分けて3つの側面から成り立っています。一つは協調、二つは競争、三つは抑止です。米国は、さかんにshape & hedgeといっています。つまり、協調を促して安定的な関係を形作っていく努力(shape)と、その努力が実らず不安定な関係に陥ってしまった場合に備えるリスク・ヘッジ(hedge)の努力の必要性です。私は、これに「競争」の側面を加え、「遠交近攻」外交によって、インドやロシア、豪州やASEANなどとの関係緊密化によって、中国に対し外交攻勢をかけつつ、我が国にとって有利な環境の下で中国の台頭をしっかり受け止める(英語で言えばmanageということになるが、適当な日本語が見当たりません。失礼!)戦略を模索したいと思っています。

以上、予告から少し日が経ってしまいましたが私の安全保障観の一端です。(ほかに、民主党予算案で5000億円も防衛費を削っておいてセルフ・ヘルプもないもんだ!・・・とのご批判も多数頂戴していましたが、これはまた稿を改めてやりたいと思います。)
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いい加減にして欲しい!

この言葉だけは吐くまいと自重してきましたが、今日の懲罰委員会審議(?)を受けて、叫ばざるを得ません。永田さんが「愛している」と言った民主党がぶっ壊れるばかりか、国会の審議時間が空費され、論戦の焦点が拡散し、日本の議会制民主主義がサーカスの舞台と化しまう! 永田さんと「情報仲介者」の主張が真っ向から衝突し、証人喚問の日程が決まり、もっと刺激的なサーカス技を求めるマスコミの格好餌食となって、この問題がずるずると尾を引いていく最悪の展開となってしまいました。先日も述べたとおり、議員の出処進退は議員本人と有権者に最終的には委ねられるべきものであって、他人がとやかく口を差し挟むべきものではないとの考えに変わりはないのですが・・・。しかし、それ故に、党の自浄作用が働かず、遅きに失してしまったことは、ただただ恥じ入るばかりです。

でも、いま敢えて叫ばざるを得ません。「永田さん、いい加減にして欲しい!」 私たちには、ほかに取り組むべきもっともっと重要な使命、それも国民の皆さまから付託された重大な責務、があるからです。

むろん、彼が辞任したからといって事態が好転する保証はどこにもありません。民主党にとって、所属議員にとって、党の看板を背負って全国津々浦々で懸命に頑張っている候補者の皆さんにとって、党員・サポーターはじめ支持者の皆さんにとって、茨の道が続くことは覚悟の上ですが、最低限、永田さん自身のけじめが付かなければ、この事件によって、しなくてもいい苦労を背負わされている同志の皆さんがつぎの一歩を踏み出すことはできません。苦しい心情は察して余りあるのですが、永田さんには、より広い視野をもって、もう一度考え直していただきたい。今は、ただそれだけを祈るばかりです。
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ありがとう、王ジャパン!

本当は、昨日はこの話題を書きたかった!
ついに、日本の野球が世界を制したのです。
じつは、初回の4点を観ていました。
へー、勝つ時はこんなもんか、と思って観てました。
今日は何点取るのかなあ、などと着替えながら暢気に観ていました。

家族でお彼岸の墓参りに車で出掛けるため、やむなくTV観戦中断し、カーラジオに切り替えることに。娘たちからは、非難轟々でしたが、今日ばかりは勘弁してもらいました。

終盤戦は、じつに見応え、否、聞き応えのある試合でしたね。
じりじり詰め寄るキューバの執念には鬼気迫るものがありました。
そのキューバを突き放したのは、やっぱりイチローのバットでした。
終盤、日本もエラーが続出して、流れがキューバに傾きかけた時、イチローが値千金の追加点を叩き出し、後続が連打して勝負を決しました。
ゲームセットの瞬間は、叔母の家で観ることができました。
親戚一同で、バンザイ!

野球少年のような満面の笑みで興奮しながらインタビューに答えるイチローを見ながら思わずほろりとしてしまいました。横で観ていた娘が「3回も負けたのに優勝なの?」って、いやに冷静だな! でも、表彰式のときに王監督とイチローが隣同士で何か言葉を交わしているのを見て、また感無量。

それにしても、王ジャパンは、結果として良いティームで戦ったと思います。当初は、松井も城島もいないんじゃ飛車角落ちだな、などと多少残念に思っていましたが、結果的に、日本のプロ野球で頑張っている選手が主役で、イチローが友情出演し、監督・王貞治という感動のドラマが見せてくれた日本野球の素晴らしさは、きっと日本におけるプロ野球をもう一度見直す絶好の機会となったのではないでしょうか。

さて、昨日までの「地下鉄サリン事件」エントリーに対して、「特定の事件の被害者だけを特別扱いするのはいかがなものか」とのもっともなご指摘を多くいただきました。まったく同感なので、端的にお答えしておきたいと思います。

実際、私は、犯罪被害者「一般」に対する支援運動をやっている地方議員のみなさと6年前に出会って以来、交通事故を含むすべての被害者支援救済活動に携わってきました。そこで、高橋シズエさんとも出会ったし、多くの交通事故被害者や、世田谷の一家殺害事件のご遺族の方とも交流させていただいてまいりました。その運動の一つが、1月の代表質問での「被害者支援」への言及だったのです。以下に、その該当部分を引用して、お答えとさせていただきます。

(引用開始)
内政問題の最後は、犯罪被害者への支援策です。
人が被害者となった刑法犯の認知件数は、平成16年で約305万5,000件余にも上りました。毎年これだけ起こっているということは、一生の間に犯罪被害者とならずに過ごすことの方が、むしろ稀だともいえます。昨年12月に閣議決定された『犯罪被害者等基本計画』は、確かに一歩前進ではあります。しかし、愛する肉親を、卑劣な犯罪や突然の交通事故などで失った被害者の皆さんが切実に訴えてこられた肝心要の「経済的な支援策」については、その在り方すら決まりませんでした。周知のとおり、欧米に比べて我が国の被害者への経済支援は著しく貧弱です。なぜなら、基本理念がまったく異なるからなのです。

欧米の被害者支援の基本理念は、国家が、テロや犯罪から自国民を守れなかったために、被害者の人権が侵害されたと受け止める。したがって、侵害された人権を回復し救済するために、国家が「補償金」という形で被害者に給付するのです。翻って我が国の給付金制度は、あくまで「見舞金」的な性格だという。そこには、犯罪を防げなかった国の責任意識も、被害者の人権を救済しようという姿勢のかけらも見られません。このような基本思想を根本的に転換しなければ、欧米並みの被害者支援制度は確立できません。小泉総理、ぜひとも、経済支援のあり方は、「犯罪被害者の基本的人権を保障する」という憲法の要請に従って定める、との明確な指針を示していただきたい。
(引用終わり)
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