「今度こそ!」―野田どぜう内閣誕生!

追い詰められた民主党が、崖っぷちで何とか踏みとどまった。そんな代表選だったと思います。増税問題も含め、今の日本にどうしても必要な課題(にもかかわらず不人気なイシュー)から、たった一人逃げず、ブレず、おもねらず、訴え続けた野田佳彦さんが、絶望的ともいうべき厳しい代表選を勝ち抜いたことに、私自身大いに勇気づけられました。野田さんは、私の浪人時代から深く親交があり、とくに海洋や宇宙といった人類のフロンティアをめぐる基本法策定の際には、誰よりも力強い後押しをしてくれました。


外交安全保障担当の総理補佐官へ

そして、今回の組閣にあたり、「官邸外交を仕切ってほしい」と、私を外交・安全保障担当の総理大臣補佐官に起用したのです。身に余る光栄というか、その重責に身の引き締まる思いでした。振り返れば、大学進学直前に目の当たりにしたソ連によるアフガン侵攻によって国際政治に関心を持って以来、「国際関係をリードできる政治家になりたい」という志を抱き、当時総理だった中曽根康弘さんをロールモデルに、アメリカでの貧乏留学生活を耐え抜き、衆議院初当選後もひたすら外交・安全保障の立法や政策立案に邁進してきただけに、野田新総理の下で外交安保分野の助言を責務とする立場に立たせてもらったことに、深い感慨を禁じえません。


首脳外交の最前線に!

就任早々、野田総理の各国首脳との電話会談にあたってブリーフを求められました。ロシアのメドヴェージェフ大統領、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領、国連の潘基文事務総長らに対し、たった15分間の初会談をどのようなテーマで組み立てるか、苦心しました。野田新総理の外交デビューにあたって私が立てた大方針は、第一に外交の継続性を確認すること、第二に外交のリアリズムに立脚し、国益を見据えた姿勢を鮮明にすること、第三に新総理として最も重視している政策課題を明確に、しかし注意深く相手に示すこと、でした。

たとえば、メドヴェージェフ大統領に対しては、最近のロシアによる北方領土問題無視の姿勢に楔を打ち込むべく、敢えて、北方領土問題の解決により平和条約を締結すべきであることを強調してもらいました。結果的には、先方も静かな環境で領土問題を話し合うことに前向きな姿勢を示してくれました。中国の温家宝首相に対しては、「戦略的互恵関係」が短期的な利害得失に目を奪われることなく長期的な視野に立ったウィン・ウィンの関係を築くことを再確認したうえで、東シナ海資源開発に関する協定交渉の早期再開と海上における危機管理メカニズム構築の必要性について、やんわりと促しました。また、韓国の李明博大統領とは、我が国の北朝鮮政策の基本原則である「拉致、核、ミサイルの包括的な解決」の重要性を再確認した上で、拉致問題を置き去りにした経済支援は困難であることについて改めて理解を求めたのです。
 

国際的な公益と合致した「真の国益」を求めて

今後は、9月21日の国連総会を皮切りに、訪中や韓国大統領の訪日、フランスでのG20、ハワイにおけるAPEC首脳会談など外交日程が目白押しとなります。私も世界中を飛び回る日々が続くと思いますが、体力と精神力が続くかぎり粉骨砕身、国益のためにこの身を捧げてまいる所存です。もちろん、国益といっても国際的な公益とぶつかるような独りよがりの狭い国益ではありません。長期的に国民の利益を増進できるような真の国益を拡大する「未来に誇れる日本外交」実現のために、全身全霊全力で頑張ってまいります。今後ともご支援のほどよろしくお願いします。


内閣総理大臣補佐官・衆議院議員 長島昭久
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