雌伏の時は、「未来に誇れる日本」のため

皆さまお揃いで、健やかに新しい年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。 昨年末の衆議院選挙では、厳しい選挙戦を乗り越え何とか4期目の議席を死守することができました。とりわけ、東京都25選挙区で踏み止まれた民主党2議席のうちの一つであったことは、ひとえに皆さまの温かいご支援の賜物であり、改めて深く感謝申し上げます。

「民主党のため」を超えて、ただひたすら国家国民のために!
それにしても、選挙結果は、民主党政権3年3カ月に対する国民有権者の厳しい審判となりました。これを謙虚に受け止め、私たちは他日を期して「雌伏の時」を真摯に歩まねばなりません。「党勢の立て直し」という言葉をよく耳にしますが、いったい誰のための党勢か、と自問自答しなければならないと思います。それは、ただひたすら国家と国民の為でなければならない。今夏に予定されている参議院および都議会選挙に勝利することが目的化すれば、あたかも政権交代のみが自己目的化しその後の政権運営で大失敗した手痛い教訓が全く生かされないことになります。国民は、「民主党のため」の党勢拡大などには関心もないし、期待もしていないと思い知るべきです。

課題を先送りせず、安倍政権と真の改革を競い合おう!
私は今回の選挙戦を通じ、国民は、民主党でも自民党でも第三極でもいいから、しっかりとこの国の舵取りを担い、現在の課題を先送りすることなく決断して実行に移し、(今すぐ結果につながらなくとも)未来に誇れる種蒔きを着実に進めることを、政治および政治家に祈るような気持ちで託しているのだと改めて痛感しました。安倍政権がそれを上手くやれば支持し、出来なければ次の国政選挙で否定するだけのことなのです。私たち民主党は、それが出来なかったので拒否されたのです。この単純明快な民主主義の大原則に従えば、私たちのやるべきことは、安倍政権の足を引っ張ったり、反対のための反対で国会を停滞させたりすることではない。安倍政権と改革をめぐるヴィジョンと実行力を競い合うことに尽きると思います。

成長戦略の推進にTPP参加決断は不可欠
幸い、安倍政権は、デフレ脱却と経済再生に当面の政治課題を絞り込み、徹底的に政策資源を投入する姿勢を見せているので、国民と共に期待を込めてその進捗を注視して行きたいと思います。ただし、経済再生のカギを握る成長戦略において、「環太平洋経済連携(TPP)」への参加問題は避けて通れない焦眉の急です。早期に日米首脳会談を模索するのであれば、TPP参加への明確な意思表示が必須であり、農業団体に依存している党内をまとめ切れるのか安倍総理の指導力が鋭く問われます。

「独立自尊」外交で、アジア戦略を積極的に展開せよ
外交安全保障の分野でも、政権交代のメリットを最大限に生かし、中国や韓国との関係改善を積極的に進めて欲しいと思います。ただし、主権や領土で譲歩することはできません。歴史問題でも安倍政権の姿勢がブレれば国内の支持基盤を一気に失う恐れもあり、「慎慮」を要する綱渡りとなるでしょう。また、安倍総理が指示したとされる『防衛計画大綱』の見直しは、歓迎しつつも具体的な中身をめぐって率直な注文を付けて行きたいと思います。野田政権で遂に踏み込めなかった集団的自衛権の行使容認は待ったなしであり、それがなければ真の意味での日米同盟の深化は望むべくもありませんが、その前提として、尖閣や沖縄を含む我が国南西方面における動的防衛力の拡充と態勢整備を急ぐべきです。

外交安全保障に与党も野党もなし、あるのは国益のみ
外交は、いつの時代も、セオドア・ルーズヴェルトが唱えたように「穏やかに対話せよ。ただし、棍棒を手に」(”Speak softly, carrying a big stick.”)です。最近は、防衛力や有事対処能力を磨く以前に、ただ声高に相手を挑発する勇ましい言葉を発する政治家が跋扈する風潮があるので、この点は強く戒めて行きたいと思います。いずれにせよ、私は、今後とも、「外交安全保障に与党も野党もない」という信念を貫いてまいります。そして、1月の通常国会から国会論戦の先頭に立って、健全野党の在るべき姿を世の中に発信してまいる所存です。引き続きのご支援よろしくお願いします。

平成25年 癸巳 元旦
衆議院議員 長島昭久 拝
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