4点セット

政府の迷走で、昨日の本会議は吹っ飛んだ。
中川農林相がしどろもどろの答弁を繰り返している真っ最中に、東京地検の捜査が防衛施設庁の中枢に入り、庁内ナンバー3を逮捕した。

BLTの3点セットに追及品目がまた一つ増えた。
防衛施設庁の官製談合事件。
民主党はどうするんですか?
記者さんたちが、入れ代わり立ち代り訪れる。

すでに、昨年から高山代議士をヘッドとする「疑惑追及チーム」が綿密な調査をしてきた。来週からの衆院予算委員会で、その成果が炸裂するであろう。

私は、NC防衛担当として、疑惑追及とともに掘り下げていかなければならない政策テーマに取り組む。防衛庁の省昇格、海外協力のための恒久法、緊急事態基本法、米軍再編、日米秘密保護協定、などなど。それに、上海総領事館員自殺事件の追及もある。これは、我が国のインテリジェンス体制にかかわる重大問題だ
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「次の内閣」臨時閣議

民主党「次の内閣」の定例閣議は、毎週水曜日。
しかし、今日は別だ。午後の衆院予算委員会で、平成17年度の補正予算案を採決し、続いて本会議採決が構えられているからだ。臨時閣議は、党としての態度を最終的に決断する場である。

普段の月曜日は、朝の駅頭遊説に始まって、スタッフ全体ミーティング、そして、地元密着のスケジュールだ。今は、とくに、来月の日野市議選に向けた応援態勢のため、月曜日に永田町周辺にいることはまず考えられない。後ろ髪引かれる思いで、立川駅から特別快速に乗り込んだ。しかし、これも大切な仕事だ。国民のために、野党でできることを示していかねばならない。

さて、今回の補正予算は、年末年始の雪害対策や耐震強度偽装マンションの被害者支援策などが盛り込まれたきわめて緊急性の高いもの。通常であれば、賛成することもやぶさかでない。事実、党執行部の間では、先週末から賛否をめぐりかなり緊迫したやりとりがあったと聞いている。

臨時閣議の結論は、「否」であった。

理由を記しておかねばなるまい。なぜなら、この補正予算をめぐる政府与党と民主党との考え方に、彼我の政治理念の相違が鮮明に出ていると思われるからである。「民主党らしさ」の追求を基本テーマに掲げた2006年にふさわしい内容なので、多少長くなるが、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

総額4兆5千億円余におよぶ政府の補正予算案は、税収の増額補正3兆円に加え、豪雪など災害対策費に約5,700億円(この中に、アスベスト対策費約1,800億円、新型インフルエンザ対策費約370億円、耐震偽装問題対策費80億円が含まれる)を計上してる。

しかし、民主党の考える緊急性の認識とはかなりの隔たりがある。
①耐震偽装の被害者の皆さんへの迅速な対応が必要なことは言うまでもないが、それには、まず、事業者の責任を追及し補償させる仕組みを作ることが先決であるし、政府の責任の所在を曖昧にしたままで、公的資金を投入することに国民の納得は得られない。
②私有財産への公的資金は投入しない、との理由で震災や水害の被災者支援に反対してきた政府が、耐震偽装被害者に対しては支援を行うことの不公平について、説得力ある説明は尽くされていない。さらに、政府は、同じ耐震偽装物件でも、分譲物件には補助するが、賃貸物件やホテルなどには補助しないという矛盾について説明できていない。
③(耐震偽装の陰に隠れてしまったが、)きわめて深刻なアスベスト対策について、労災による補償と労災以外の補償の格差が余りにも大きく、救済の体をなしていない。たとえば、工場の壁を隔てて外側の人は300万円受け取ったらそれでお仕舞いというのでは、余りに不条理だ。
④昨年末に起こった子どもに関わる凶悪事件の続発を受け、政府は昨年末に「緊急対策6項目」を発表したが、補正予算には「子どもの安全」に関わる費用は一切盛り込まれていない。
(臨時閣議の様子は、http://www.dpj.or.jp/news/200601/20060130_02nc.htmlから、臨時閣議を終えてての松本剛明政調会長のコメントは、http://www.dpj.or.jp/news/200601/20060130_04hosei.htmlで、どうぞ!)

そこで、民主党では、対案としての「補正予算案」を閣議決定した。
その柱は以下の通り。
①真に国民の安全を考えれば、昭和56年改正前の建築基準法に基づく建物への対策を講じなければならず、まず、5000棟分の耐震診断費用約150億円を追加計上すべき。
②子どもの安全のために、通学路の安全施策や不審者侵入対策をはじめ、改正前建築基準法に基づく全国の学校、幼稚園、保育園などの耐震化工事等を加速するための費用、総計7,235億円は、最低限計上されるべき。
③アスベスト対策に、通院費、休業補償、遺族年金などの給付費約25億円、豪雪対策に200億円などを追加計上すべき。

以上のように、あくまで「生活者の視点」に立った補正予算の修正(追加計上)を提案したが、与党の数によって一蹴されてしまった。そして、夜にも行われる本会議では反対することになる。ただし、補正予算への反対が、当該予算で救済される方々への反対票ではないことを、この際とくに明記しておきたい。

さらに、私たち民主党は、ここ4年連続で公表してきた、党独自の「平成18年度予算案」も準備している。今のところエンバーゴーがかかっているが、数日以内に公表できる。乞うご期待!
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日本外交のお手本は大英帝国!

今日、地元の挨拶回りの合間に、国際関係専攻のある大学教授とコーヒーブレイク。そこで、日本外交のお手本を英国の外交に求めることで、話がはずんだ。

折りしも、畏友・櫻田淳くんの薦めで、細谷雄一『外交による平和-アンソニー・イーデンと20世紀の国際政治』(有斐閣)を読み始めたばかり。50年代に英国外相として、戦後秩序の形成と冷戦構造の深化に取り組んだイーデンの伝記には、中国の台頭をにらんだ東アジアの新しい秩序形成をめざす我が国外交が参照すべきエッセンスが満載されている。

今年は、インド、ヴェトナム、シンガポールなどを巡って、アジアにおける遠交近攻外交を模索する一年としたいとも思っているので、国会や地元といった日々の活動に加えて、自分なりに思索をめぐらしたい。よい知恵があったら、大歓迎!
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民主党の外交安保政策

今朝の外交・防衛部門会議では、じつに印象深い良い議論ができた。
同時刻に、米国産牛肉輸入再開問題をめぐる農水・厚生共管の部門会議や、ライブドアをめぐる財務・金融部門会議などが重なり、少人数での議論だったが、「中国脅威論」について、議員同士の率直な意見交換ができた。
正直言って、民主党に入って以来、こんなに突っ込んだ議論ができたのは初めてのことだ。

一昨日の私の代表質問における冒頭のチャーチルの言葉「外交は常識が8割、あとの2割はニュアンスの違い」の引用は、聞く人たちに民主党の外交政策は小泉政権と変わらないのか、という予断を与えかねないのではないか、と達増議員から苦言が提起された。

内心(質問の中身をきちんと聞いてもらえれば、そういった誤解は生じないと思うけどな・・・)などとつぶやいていると、すかさず、吉良議員から、あの発言は正しい。なぜなら、民主党は外交政策で無理に対立軸を作ろうとして、良質な保守層の支持を逃してきた。そういう意味では重要なメッセージになった、と反論。内心(そうだ、そうだ!)と叫んでいると、山口議員から、有権者が小泉外交にどんな危惧を抱き、民主党にどんな期待を寄せているか、一度綿密な世論調査をかけてみる必要があるのでは、との意見。ふむふむ、内政、外交にかかわらず、一度本気で有権者の意識調査をかけてみれば、議員たち(自分も含めて)の独りよがりの意見は等閑視され、もっと確信を持って「民主党らしい」政策を打ち出せるはずだ。

いずれにしても、私も今回の代表質問に立たせていただく過程で、民主党の外交政策の在り方についてはずいぶん深く考えさせられた。その結果が、チャーチルの言葉であり、「現実的な選択肢」宣言であり、脱・靖国問題アプローチであり、アジア外交と日米同盟の「相互補完関係性」への言及だった。また、有事「保険」としての日米同盟強化と同時に、「平時」における安心な環境をつくるための周辺諸国や基地を抱える自治体との信頼醸成を積極的に展開すべき、という点も強調した。

この調子で、党内の議論を活発化させ、深めていけば、前原代表が目指している今年前半にも外交安全保障の基本政策をまとめ上げる、との「公約」は実現できるに違いない。手始めは、中国の軍事力に対する党としての見解とりまとめを急ぐ。つぎは、現行憲法下での海外における平和活動への参加の在り方の議論、そして、集団的自衛権の限定的な行使をめぐる議論だ。大変な作業だが、やり甲斐があることも確か。ぜひ、ブログ読者の皆さんのご意見も伺いたい。
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国家の品格 その2

ホリエモン容疑者に対する小泉首相の昨夜のコメントは、一国の宰相としての「品格」をまるで感じさせない、典型的な幼稚園児の言い訳のような印象を持った。

政界における重大な潮目の変化が起こっていることを如実に示すものだ。ついに(ようやく、やっと!)「奢る平家」の敗走が始まった瞬間と言えよう。富士川で平家を大混乱に陥れた水鳥の羽音も、平常心で聞けば何ということもなかったはずだ。

以下、asahi.comから引用:
小泉首相「メディアも持ち上げた」 堀江容疑者支援で反論(2006年01月25日07時41分)

 小泉首相は24日、自民党が昨年の総選挙でライブドアの堀江貴文前社長を支援したことについて、「不明だと言われれば、それまでですけどね。持ち上げたと言っても、無所属で落選したんだからメディアより有権者は冷静だったんじゃないですか」と語った。そのうえで「あのメディアの持ち上げ方、何ですか。自分の持ち上げ方を棚にあげて、改革まで私の責任と批判している」と反論した。首相官邸で記者団に語った。
(引用終わり)

こんなにディフェンシヴな小泉首相のコメントは珍しい。(そういえば、森前首相は、毎日こんな感じのコメントで、マスコミの格好の餌食となっていた。)
もはや、「突っ張れない」情勢なのだろう。頼みの女房役・武部イエスマン・ザ・グレイト幹事長も四面楚歌・・・。

ホリエモン容疑者を選挙戦に最大限に利用しようとしたことは周知の事実。彼が公認候補でなかったことは、自民党にとって不幸中の幸いだったのだ。品格なき政治家によって、品格なき政治が行われ、品格なき国家となってしまった。そのことを、率直に反省し、謙虚に出直すことが求められていると思う。

私自身、襟を正して、座右の銘たる西郷南洲翁遺訓を、今ひとたび胸に刻もう。
「命もいらず名もいらず。官位も金も望まざ る者は御し難きものなり。然れどもこの御し難き人にあらざれば艱難をともにし国家 の大業は計るべからず。」
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