実現男、初見参!

いまネットで大ブレーク中の「実現男」と会いました。
本名は、後藤祐一さん、38歳。
なかなかいい面構え。
「何かやってくれそう」なオーラを発しています。

彼は、昨年7月に経済産業省を「脱藩」し、政治を志しましたが、民主党の候補者公募にあえなく落選・・・。
しかし、志を捨てることなく雑草魂で這い上がってきたのです。
毎週一つ、身の回りの小さなことを片っ端から「実現」しながら。

お正月を祝い鏡餅を全部一人で食べる。
新宿でゴミを1000個拾う。
30分で息子の背丈より深い穴を掘る。
一輪車に乗る。
公園のトイレを掃除する、などなど。

バカバカしいと言うなかれ。
彼のHPを見れば、公約実現に懸ける気迫が伝わってきます。
そして、何を隠そう、いまや全国における改革競争の基盤となっている「構造改革特区」を構想したのが、この人物なのです。
以下は、彼のブログ(http://jitsugen.jp/)から。

(引用はじめ)
「構造改革特区」の実現
●英語で全部教える学校作りたい
●会社で農業やりたい 
●体が不自由な方を車で運ぶのを1回数百円で助けたい
こういった「別にやったっていいじゃん」ということも規制があって禁止されてるのです。そんなくだらない規制やめてしまえってことで「ある地域だけ実験的に規制をやめてしまえ」というのが「構造改革特区」です。
 2001年12月、私がまだ経済産業省に勤めていた頃、風呂に入っていた時に思いつき、風呂上がってすぐ3枚ぐらいの紙を書き、次の日からいろんな人にばら撒いたら評判よかったので、やってみることにしました。いろんな抵抗にあいましたが、全国の改革派の市長さんとかが「特区制度が出来たら、うちの市はこれやるぞ」といっぱい応援してくれたので、実現しました。
(引用終わり)

こんな快男児が、10月に行われる衆議院神奈川16区の補欠選挙に民主党公認でチャレンジすることが決まったのです。
県立厚木高校から、東大法学部、通産省(現経済産業省)、スタンフォード大学に留学し、カナダの外務貿易省に勤務したという経歴から想像されるエリート臭さはまったくありません。官主導の政治をいかに克服するか、子供たちの教育現場をどう変えるか、アジア外交の行き詰まりをいかに打開するか、ほんの1時間余りでしたが多岐にわたる懇談の中に、強烈な信念と颯爽とした好印象を残して帰りました。

あと半年後の補欠選挙。
自民党の新たな総裁が迎える最初の国政選挙です。
小澤民主の中間評価にもなるでしょう。
この局地戦を制した陣営が、翌年の参議院選挙勝利に向かって確実な一歩を踏み出すことになるはずです。
ですから、民主党としては絶対に落とせない衆院補選となります。

候補予定者として、あと半年、決して平坦な道のりではないでしょう。
時に政局の荒波にもまれ、活動の足をすくわれ、気の滅入る場面もあるでしょう。
しかし、「実現男」後藤祐一なら初志を貫き、必ず勝利を実現してくれるはず。
そんな期待に胸膨らませた清々しい出会いでした。

がんばれ、実現男!
皆さん、応援よろしくお願いします!
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海洋権益法案、並行審議へ!

国会も終盤。
教育基本法案、共謀罪法案、国民投票法案、社会保険庁による年金納付率偽装問題を称して「新4点セット」と呼ぶそうな。
すでに官邸サイドからは、大幅な会期延長には否定的なシグナルが。
それと平仄を合わせたように、上記3法案の継続審議が取りざたされています。
これらに加えて、米軍再編にかかる閣議決定も遅れに遅れ、財政負担を可能にする再編推進法案も秋の臨時国会へ先送りの気配・・・。

会期末まで実質あと2週間(土日を除く)となれば、与党サイドから弱気な観測が出てくるのも仕方ないのですが、なんとも拍子抜けです。それでも、いずれも重要法案ですから会期いっぱいまで真摯に審議を尽くす必要があります。教育基本法などは、昨日の初審議で、小泉首相が思わず「日本を愛する心を涵養し」といった民主党の「日本国教育基本法案」を絶賛していましたから、ぜひ民主党案を軸に必要とあれば与党による修正を施して早期成立を図りたいところです。

ただし、民主党としては、130人の所属議員を総動員して衆議院で少なくとも130時間(各議員1時間づつ!)の審議時間を確保し、全国47都道府県全てで公聴会を開催し、教育現場から校長や教員、教育専門家など100名を超す参考人を招致して、60年ぶりの法改正に向け徹底的に議論を尽くそう(鳩山幹事長・党教育基本問題調査会長)と意気込んでいます。

そんな中で、いよいよ与野党提出の海洋権益を守る法律案が、並行審議されることになりそうです。我が党の法案は、「海底資源開発推進法案」「排他的経済水域(EEZ)等における天然資源の探査および海洋の科学的調査に関する主権的権利その他の権利の行使に関する法律案」の2本。(法案の概要については、民主党HPのhttp://www.dpj.or.jp/news/200510/20051021_04kaiyou.htmlからご参照ください。)昨年1年かけて、細野代議士と二人三脚で策定に当たってきた自信作です。自民党からも同旨の(しかし、もう少し焦点を絞った)法案が提出され、経済産業委員会を舞台に、早ければ来週後半からガチンコ審議となります。

与党側法案も議員提出法案なので、自民党提出者と答弁席を二分して私たちも民主案の説明のため答弁に立つことになります。先方の提出者には、この連休中に一緒にワシントンへ行った西村康稔代議士も含まれています。たった数日間でしたが、彼はなかなかの「使い手」です。しっかり準備して、答弁負けしないよう民主党案をアピールして行きたいと思います。ただし、両案の趣旨は重なる点も多く、ある程度審議を進めて修正協議の場を設け、できれば早期に成立を図りたいところです。

東シナ海における中国側の傍若無人な資源開発が続けられる中で、わが国政府は何ら対抗手段を持たずに、これまで6回にわたりずるずると日中審議官級協議を続けてきました。せっかく中川前経産相が決断した試掘権付与という措置を二階現経産相が「封印」しようとし、麻生外相がそれに不快感を表明したりと、閣内不一致も目立っています。そういった現状を打開するためにも、国連海洋法条約で定められたEEZ内の主権的権利を確立させる国内法の制定を急がなければなりません。そして、その主権的権利に対する侵害を排除する権限を執行機関(海上保安庁など)に付与する必要があります。

海洋国家・日本としての矜持と戦略を持たねばなりません。そんな気概を国の内外に示す国会審議を目指したいものです。
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子供たちの命

秋田で、佐賀で、痛ましい事件が相次いで起こりました。
先週、議員会館で開かれた「命のメッセージ展 in 国会」を見学し、突然肉親を失った皆さまの深い深い悲しみと消えることのない愛の記憶の尊さを目の当たりにしたばかりでしたから、あの秋田の事件で犠牲になった豪憲くんのお兄さんが葬儀の際に呼びかけた「豪憲、お兄ちゃんだよ!」の叫びには、ほんとうに胸が締め付けられました。同じ年頃の子供を持つ親として、なんともやるせない。絶対に許すことはできない!

※命のメッセージ展については、公式サイトhttp://www.inochi-message.com/をぜひご覧ください。

先ほどまで、地元の「青少年健全育成協議会地区委員会」の総会に出席していましたが、ここでも話題は秋田の事件で持ちきりでした。地域の子供たちを守ろうと、ボランティアを募り「あいあいパトロール」と称して街の中を散歩し、できる限り死角をつくらぬようにと地域の大人たちが尽力しています。また、各学校の周辺を網羅した「防犯マップ」を作成したり、小中学校の通学路には「こども110番」のステッカーが貼られ、このステッカーのお店や家は、子供たちの身に何か起こったら飛び込んで助けを求めることができる、という工夫も凝らしています。

秋田の事件では、4月の女児死亡事件(当初は事故死と断定されましたが、今回の事件を受け再捜査が開始されました)を受けて、子供たちにとって危険な場所や一人では近づいてはいけないような場所を明示した地図を作成しようとしていた矢先だったということを聞きました。そういう意味で、地域における平素からの大人たちの取り組みの大切さを改めて浮き彫りにしたと思います。都会に比べ田舎の方が安全であるかのような錯覚が私たちにはありますが、今回の事件を見ると、かえって田舎のほうが人気のない場所が多いことがわかります。

「街に死角をつくらない」を合い言葉に、東京では、地域ボランティアの皆さんによるパトロールが実際に成果を上げており、都内ではここ5年間の犯罪発生件数が低下してきました。街で出会ったら挨拶を交わす、一声かけるなどの励行で、邪まな動機で進入してきた「よそ者」が居ずらくなって出て行かざるをえなくなる、というのはまさに「地域力」による自然な防犯対策といえます。私自身も、立川駅周辺の環境パトロールに何度となく参加してきましたが、毎週のようにこの地味な活動を繰り返している有志の皆さんに頭が下がると同時に、「地域の子供は地域で守る」そんな当たり前の取り組みが、近年叫ばれているコミュニティ再生の第一歩であると実感しています。
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ブログについて

前回のエントリー冒頭の不適切、不必要な表現で多くの方に不快感を与えてしまったことをお詫び申し上げますとともに、まさしく品位に欠ける言動により自らの品位を貶め、その結果、これまで期待や支援を寄せていただいた皆さんを大きく裏切ってしまったことを深く反省しております。

今回は、メール問題にかかわる前回の失言よりも遥かに深刻であると思っています。この間に頂戴したコメントの中から、とくに皆さんのお気持ちを代弁していただいていると思われ厳しいご批判をいくつか引用させていただき、このブログを私の政治言論活動の中でどう位置づけていこうとしているかを改めて確認させていただきたいと思います。(もちろん、この他にももっと端的に問題点を抉り出して指摘してくださった有意義なコメントも多数ありました。感謝!)

まず、2006-05-19 04:35:22に頂戴した匿名のコメントにある「それでもなおあの党首と党首討論を褒めるというならば、「貫録勝ち」「賞味期限切れ」などという思考停止した馬鹿なマスコミが好んで使うような言葉ではなく、もっと論理的に、具体的に、紳士的に、冷静に、言葉を尽くして語るべきです」とのご指摘は、今回の私の軽薄なエントリーに対する核心を衝いたご批判と重く受け止めさせていただきました。皆さんがつねに求めているのは、単なる印象論ではなく、外交や経済や教育を問わず日々の事象に対し、私が政治家として、どう評価し、問題点をどう分析し、それを具体的どんな処方箋で克服し、是正し、新たな制度的提案に落とし込み、さらには、実際にどう行動して行こうとしているのか、であることをズバリ示唆していただいたと思っています。

また、2006-05-19 21:36:13付けのやはり匿名のコメント「ただの愉快犯的なバッシングはこの手のネットコミュニティーではよくある・・・というかありすぎることなのでお気になさらずに。しかし、そういうのを何千何万と見ている私(苦笑)の目には、ここのblogに寄せられる批判的意見は、その殆どが愉快犯的なモノではなく、それおぞれがたぶんに的を射ていると感じます。特に「民主党には期待していないけど長島議員には少なからず期待していた。でもまた裏切られた」という怒りを含んだモノが多いような?」も、私の心にズシリと響きました。

とくに、今回のエントリーは、日頃「品格」だの「礼儀」だの「王道」だのと偉そうに叫んできた自らの言行の不一致を図らずも天下に露呈したものであり、「今のバッシングは、品格などと言う美辞麗句で人気や票や我々の期待を得ていることに対する当然のリスク」との鋭いご指摘には、顔から火が出るほど恥ずかしい思いです。決して軽い気持ちで「品格」などという言葉を振り回すつもりはありませんでしたが、今後は、少なくとも、下品な他者の悪口や個人攻撃などは厳に慎むことを公約したいと思います。その点、「人の悪口は絶対に言わない」とされる小泉首相の爪の垢でも煎じて飲む必要がありますね。(一部表現を訂正@2006-05-20 16:35)

そして、2006-05-19 21:36:13付け「アンチ小泉政権」さんからいただいた「最近、厳しい内容のコメントが圧倒的多数を占めていますが、まだまだ簡単に見限らない支持者も少なくないはずです。私もその一人ですので、襟を正すべき点は謙虚な姿勢で正しながら前向きに頑張ってください」との温かい激励の言葉には、本当に感謝の気持ちで一杯です。

いずれにしても、今回の教訓を猛省の糧とし、「双方向メディアを通じた政治言論活動の実践」というブログ開設の原点に立ち返って、これからは、謙虚に、しかし大胆で刺激的な政策提言や国政報告を発信し、それこそ「海千山千」にして「手強い」皆さんとの間で建設的な政策議論を深めてまいりたいと存じます。そう、『翔ぶが如く』の名に恥じぬように。どうぞよろしくお願いいたします。

(追記:不必要なので削除しました。ご指摘に感謝します。2006-05-20 16:30)
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小澤一郎 vs 小泉純一郎 第一ラウンド

小澤民主党代表初の党首討論が行われました。
9月に賞味期限切れ、じゃなかった任期切れを迎える小泉首相との直接対決をあと何度見ることができるでしょうか。
教育問題に絞った天下国家論はなかなか見ごたえがあったように感じましたし、小澤代表の「貫録勝ち」というのは決して贔屓目ではないでしょう。

個人的には、原案作成にかかわった対中・対アジア外交や米軍再編にも触れる時間があったらよかったと思いましたが、これは仕方ありません。次回の党首討論に期待しましょう。

また、今日は、国際問題研究所で行われた『台湾・沖縄と日米同盟の将来』というシンポジウムにディスカッサントの一人として参加しました。ディスカッサントとは、発題者の後にその発表を受けて主要論点をもう少し掘り下げて全体討論につなげていく役回りのことをいいますが、これが結構難しいのです。3人の専門家が自説を発表した後に、私をはじめ3人(後の二人は学者)が討論しました。テーマは、「台湾海峡有事について」。

米カーネギー平和研究所の危機管理の専門家マイケル・スウェイン氏、ブルッキングス研究所の軍事専門家マイケル・オウハンロン氏(拙著でもずいぶん引用させてもらった旧知の友人です)、そして、日本側から軍事評論家の小川和久氏が、それぞれ有事のシナリオや中国、台湾、米国、そして日本の役割などについて専門知識を駆使して興味深い発表をされました。

私からは、有事シナリオを招かないための戦略的、外交的努力のポイントについて議論させていただいた。その前提として、台湾海峡をめぐる長期的なトレンドについて、まず指摘。第一に、いつも話している「大海に浮かべた小舟の論理」を引いて、現状を維持するために必死に努力している台湾の現状、あるいは、努力を怠れば長期トレンドは中国側に圧倒的に有利(経済的にも軍事的にも国際政治的にも)となる将来展望について。第二に、中国は基本的に「戦わずして勝つ」という孫子の兵法を実践する国であり、人民解放軍首脳も「準備が整わなければ戦わない、勝算がなければ戦わない」との毛沢東の軍事思想を忠実に守るであろうから、北京政府にとって軍事的リスクの高い状況をなるべく維持することが、中国の武力行使を予防する方法であること。

第三に、米国の介入については、現状およびここ数年は米国にとって介入の軍事的コストはきわめて低く(つまり、中国側がいかなる方法で武力行使をしたとしても、それを跳ね返し台湾の原状回復を実現する軍事作戦の選択肢は広い)、政治的コストもそれほど高くない。しかし、短期的には米中経済関係の緊密化により、次第に介入に伴う「政治的コスト」が高まること、中長期的には中国軍事力の近代化によって「軍事的コスト」が高まることになる。第四に、わが国における台湾有事介入をめぐる国民世論の動向は、高まる「嫌中意識」や台湾の民主主義に対するシンパシーによって、介入圧力が今後ますます強まっていくであろうこと。第五に、台湾人のアイデンティティ追求の流れは何人も押しとどめることができないこと。

などなどを述べた上で、台湾海峡危機を抑止するためには、(1)台湾人が誇りを感じることのできる国際的な地位を確保する必要があること、(2)わが国としては中国の軍事力の近代化についてはできる限り厳しくチェックする必要があること、また、(3)米国との同盟協力の実効性を担保するために、周辺事態における集団的自衛権行使を容認することにより、共同作戦に伴う曖昧性を予め除去しておく必要があること、(4)同時に、中国側との首脳レベルをはじめ重層的な対話や協議の場を通じて相互不信の芽を摘みとっておく必要があること(・・・強硬策一辺倒では、賢い外交とはいえませんからね!)、など処方箋として指摘させていただいた。

いずれにしても、1時間半のセッションはあっという間に終わり、米国参加者から時間が足りないとの強烈なクレームが入ったりするほど、議論は白熱し充実した会議となりました。外務省、防衛庁からもシニア・レベルの官僚が多数オブザーバー参加しており、現場で政策執行している彼らの率直な感想も聞いてみたいと思いました。たまには、国会や地元の活動を離れ、こういう知的刺激もいいものです。
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