「対米依存」

地元の会合から、つい今しがた帰ってきて、昨日の「安易な対米依存」発言に非難轟々であることを確認しました。

たしかに、いまの憲法や政府の憲法解釈を「放置」している政治家にだけは言われたくないよ!誰も好き好んで「対米依存」に甘んじているわけではないよ!・・・とのお怒りはごもっともです。もちろん、そんな状況を政治家として放置することを是としているわけではありませんが、私の発言が、政治家として傲慢の謗りを免れないものだったことを反省しています。皆さんが、じつに冷静で現実的な視点を持っておられることに改めて敬服しました。

ただし、「セルフ・ヘルプ(自助)」は、あくまで国際関係の基本ですので、そこから国の安全保障を考えるという点は、是非ご理解いただきたいと思います。だからといって、日米同盟を破棄したり弱体化させて「自主自立」防衛を確立することが現実的な選択肢であるとは考えていません。私自身、拙著に繰り返し書かせていただいたように、日米同盟破棄などということになれば、最後まで反対する一人だという自負はあります。

しかし、現実的選択肢がたとえそうであったとしても、「セルフ・ヘルプ」の精神を基本に置いて、米国の支援はあくまで補完的なものにとどめる努力をしなければ、いつまでたっても外交の(狭くは対米関係の)主体性は確立されないと思うのです。雑誌『フォーサイト』3月号に、私の畏友マイケル・グリーン(米NSC前アジア上級部長)が喝破しているように、日本から主体的な発想や提案が出てこなければ、日米関係の活力は生まれないし、そういう一方的な同盟関係は長続きしないと思います。

まだまだ書きたいことはありますが、今晩はこの辺で休ませていただきます。
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