説明責任 その2

この間、世間を騒がせてきた「メール問題」。
その問題に対する総括を書かねばならない。遅まきながら・・・。

昨日は、委員会質疑の後も、すったもんだの連続で、とてもとても落ち着いて寄せられたコメントに目を通す時間がとれず、したがって、自分の考えをまとめる余裕もなく、ついに日付を超えてしまったばかりか、こんな時間のエントリーになってしまった。この間、じりじりした思いで、何度もこのブログを訪れてくださった方々に感謝とお詫びを申し上げねばならない。

先週の水曜日のブログに、私が「この勝負絶対勝てる」と傲慢にも言い放った瞬間から怒涛のような民意が殺到した。平均300アクセスだったこの超マイナーなブログに、何と7万余のアクセスと1000を超えるコメントが寄せられた。どなたかのコメントに、映画『スミス都へ行く』(Mr. Smith Goes to Washington)との対比があった。(私も大好きな映画の一つ。公務員を志望する後輩には、黒澤映画の『生きる』を、政治家志望の後輩には、『スミス・・・』を推薦している。)しかし、あの映画では、地元政官界を牛耳る老政治家の不正を暴いた主人公のスミス上院議員の許へ激励の手紙が山のように寄せられたが、今回の私の軽率な発言に対してはまさに非難轟々だった。しかし、その中の多くが、示唆に富むものであったり、襟を正されるものであったり、国民の皆さんの偽らざる心情を吐露したものであった。

結論を急がねばならない。まことに残念なことであるが、先週水曜日、さらには、翌日「ITベンチャーと政権与党中枢の癒着を糺す勝負に絶対勝てる」と「確信」した根拠につき、今日この瞬間までに、24日(水)のブログに記した根拠以上の、とりわけ、このブログを読まれている皆さんを納得させるだけの、新たなそして確かな情報をこの期に及んでも持ち得ていない。実際、私自身は、送金の指示を出した人物と指示を受けた人物の氏名・所属は見せられた(その情報の真偽の確認もできていない)ものの、送金にかかわった金融機関名以外、口座名、口座番号などは明かされなかった。したがって、今になって振り返れば、当時の(つまり、先週の党首討論直後の)私の確信的心証は、きわめて脆弱な根拠に基づくものだったと省みざるを得ない。これしきの根拠で「勝負に勝てる」と虚勢を張り、「日記」とはいえ一般に公開されたツールであるブログを使って、このような世を惑わすエントリーを行ったことは、率直にお詫びしなければならない。

そして、私人である武部幹事長のご次男を傷つけたことに、この場を借りて深謝申し上げねばならない。

永田氏の会見も、断片的ではあるが、テレビ中継で観た。詰まるところ、親密な関係の情報仲介者を特別に信頼し、提供された情報を鵜呑みにして、委員会質疑に立ったということか。理解はできるが、私ならそれしきの情報で、与党幹事長の首を取らんとして予算委員会の質疑には立てない。(「お前だって、それしきの情報で「勝利を確信した」などとはしゃいでブログに書き込んでたではないか!」とのお叱りが飛んで来そうだが・・・。)

このブログを書く前に、最も信頼できる同僚と電話で話したが、「民主党という組織の論理を脱却して、国民の目線に立ち戻らねばならない」という意識で一致した。寄せられたコメントの中に、いまの民主党執行部が、国民からかけ離れて「group-think」の状態に陥っているとの警告があったが、この間の、自分を含めた民主党のどたばたぶりは、国民不在の党内組織防衛の最たるものであったことを深く反省しなければならないと思う。また、民主党執行部が、あれほど重大な国会質疑の事前に質問内容のチェックを怠った(あるいは、チェックを行う意識や仕組みすらなかった)ことも大きな欠陥だと考える。その意味で、現場責任者の野田国対委員長が、責任を取って辞任する意向を表明されたことは、「けじめ」として正しいご判断だと思う。民主党の国会議員の中で私が最も信頼し、尊敬している先輩には忍びないが、あくまで国民と民主党との関係を切らさないためにも、そのようなご判断を深く他としたい。

もうすぐ、党の両院議員総会が始まるので、ここでエントリーを中断せねばならない。議員総会の後、深夜に及ぶかもしれないが、今後のことも含めて、また記したい。
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ニーチェの言葉

ここ数日、本当に多くのコメントをいただいた。
月曜日には、安全保障委員会で質疑に立つ予定で、その準備もしなければならず、また、週末は、地元の行事や挨拶回りもあり、これまでに寄せられた1000を超すコメントには正直言って目を通し切れていない。

月曜日の午後までには、もう一度虚心坦懐に膨大なコメントを読み直し、民主党の「出直し」も含め、(数日前に私が「正しいと確信」した情報についての)総括のエントリーを行いたい。トリノでの荒川静香さんの素晴らしい活躍についても触れたかったが、どうも筆が進まない。安保委員会での質問内容についても、要旨(米軍再編について)ぐらいはお知らせしたかったが、そんな気分になれない。

ただ、寄せられたコメントの中に、私自身の政治家としての姿勢を正されるもの、民主党の出直しに向けての重いアドヴァイスなど数多く含まれていたことに、深く感謝している。

とくに、つぎのニーチェの言葉を噛み締めたい。
「怪物と対峙する時には自らも怪物にならないように注意せよ」

目的のために手段を選ばずはテロリストの論理、というのもズシリと響く指摘だ。また、国会審議の場における私人攻撃は厳に慎まねばならない。国政調査権に対する民主党の論理も、再考の余地がありそうだ。この点に関しては、過去の事例も含め、さらに時間をかけて自分なりに研究してみたい。

いずれにしても、党としての「けじめ」をつけねばならない。しかも、時を置かずに! そして、一日も早く「対案・提案路線」に立ち帰らねば。そうでなければ、この国に政権与党と競争できる現実的な野党勢力がなくなる。政権交代可能な野党が消滅すれば、この国の政治は間違いなく弱体化するであろう。民主党の将来などといった次元で、こんなことを書いているわけではない。いつでも政権交代が可能な緊張感こそ日本の政治(家)を強く正しく導く、という一点で民主党議員としてこれまで活動を続けてきたのだ。この信念に揺るぎはない。
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説明責任

昨晩、ここ3日間に寄せられたすべてのコメントに目を通させていただいた。昨日は、7万アクセスを超えた。これまでの平均が300程度であったから、一連の「メール問題」をめぐる国民の皆さんの関心の高さ、民主党の対応の拙さに対する失望やお怒りの大きさを痛感するとともに、改めて政治および政治家の姿勢を正される思いがした。そして、多くのコメントが真摯なものであり、政治家として正面から向き合わねばならないことを改めて肝に銘じた。

問題を2つに分けて考えたい。私自身の対応の問題と、民主党の問題である。
まず、私自身の問題。第一に、皆様のコメントに対する姿勢である。「祭り」や「炎上」といったネット言語を安易に使い、真剣な議論を提起しようとした方々に対し、失礼な態度をとってしまった。この点、謹んでお詫び申し上げます。

第二に、エントリーに加筆した場合のマナーを欠いていた点も大いに反省している。多くのご指摘をいただいたように、加筆した場合には、日時を明記するのは最低限のマナーであろう。単なる「炎上」と思い込み、コメントにろくに目も通さずに、新たなエントリーを書き込んでしまったことは、甚だ軽率であった。あとで気づいて慌てて反省の弁を加筆したものの、日時を明記しなかったばかりに、「姑息な改竄」との謗りを受けてしまったことは、きわめて遺憾である。

第三は、私が「勝利を確信した」根拠についての説明責任。この点は、現在、党執行部を中心に調査が続行中なので、この時点で詳細を明らかにすることはお許しをいただきたいが、私が党幹部の一人から受けた説明(および複数の記者さんからもたらされた情報)によれば、(メール自体が本物でなかったことは報道の通りであるものの)メールに書かれた内容、つまり、ある人物からある人物に送金の指示がなされ、その人物たちも特定され、送金元と送金先の金融機関、口座名、口座番号が特定されていること、が明らかであり、私の「確信」的な心証の主な根拠となった。

これを立証する責任が民主党の側にあることはいうまでもない。当然、政府与党の側もこれらの情報はすでに掌握しているはずだから、すべてを白日の下にさらすためには、国政調査権の行使以外にない、というのがわが党の主張であり、それは正当なものだと思う。しかし、国政調査権の行使を政府与党の側が容認する可能性はきわめて低いのも事実で、彼らを動かすには、国民世論の高まりが不可欠である。民主党としては、独自の「証拠固め」によって、国民が納得いくかたちで情報を開示して行く必要に迫られている。

そこで、もう一点は、民主党の問題である。
民主党として、今回のような不十分な情報や調査に基づいて、予算委員会の場で公党の幹事長を糾弾する質問を行ったこと、あるいは一議員をして行わしめたことについて、国民の皆様からのご批判はこれを甘んじてお受けする他ないと思う。国民をお騒がせしてしまったことは慙愧に耐えないし、「税金の無駄遣い」とのご批判には返す言葉がない。今回の顛末によって傷ついた党のイメージは計り知れず、全国津々浦々で戦っている(候補者や浪人の)同志の皆さんに対しては、まことに申し訳ない思いでいっぱいだ。永田議員をはじめ、当事者や責任者がしっかり「けじめ」をつけねばならない。

このような責任をとって前原代表以下「執行部総退陣」という選択肢も否定するものではないが、しかし、である。敢えて批判を覚悟に一言だけ申し上げさせていただければ、野党として、力関係が圧倒的に不利な中で、政府の不正や政治の腐敗を糺す立場にあって、(もちろん、慎重の上にも慎重な証拠調べや情報収集を最大限心掛けねばならないが)結果的に事実誤認や多少のやり過ぎがあったからといって、そのつど代表以下執行部が交代したり質問議員が辞職したりするのでは、時の権力に対するチャレンジ精神や闘うインセンティヴなど湧いてこないのではなかろうか。野党議員が無難な質問に終始するようになったら、(もちろん、言葉尻を捕らえたり、重箱の隅をつついたり、反対のための反対討論などもってのほかだが)議会は深い眠りに落ち、政治や社会の改革など到底期待できなくなるだろう。したがって、議員辞職や役職辞任がこの際正しい「けじめ」のつけ方かどうかについては、なお議論の余地があるのではないか。(昨晩行われた党の緊急役員会の結論もこういった問題意識から出たものと推察する。)

もちろん、私自身これまでどおり、なるべく「品格ある質疑」を心掛けることは言うまでもない。今回の事件を省み、さらには私のブログに寄せられた多くの方々コメントを読ませていただき、改めて、政治家の言葉の重みを痛感させられるとともに、その真剣なご意見を一つ一つ胸に刻んで、今後の政治活動の糧とさせていただきたい。失った信頼を取り戻すべく、そして、国民の皆さんの生活に直結する重大な課題についての政策論議を活発化させるために、国政に携わる者として、さらに精進することをお誓い申し上げ、とりあえずの中間総括とさせていただきたい。
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ダン・クエール元米副大統領

「ブログ炎上」などと不謹慎な表現を使ってしまったことお詫びしなければ。
寄せられたコメントの大半は真摯なご意見ばかりで、その意味では、俗にいう「祭られた」現象とは異質なのだと思う。まさに民主党に対する「期待」の裏返し。軽率であった部分は私自身も含め党全体で反省しなければならない。

ところで、今朝は、忙しい前原代表の代理で、来日中のクエール元副大統領と朝食を共にした。
今日は、ちょうど、8時から党の外交防衛部門会議で「対中認識」のペーパーを議論する大事な会合があったため、その前の時間で正味50分ぐらいだったが、対中戦略からイラン情勢、テロとの戦い、中東における民主主義の在り方など、多岐にわたり興味深い議論ができた。

じつは、留学時代にご指導いただいたカール・ジャクソン教授がクエール副大統領の安全保障担当補佐官だったこともあり、ワシントン・ゴシップもふくめ、大いに盛り上がった。

その後は、新聞紙上でも話題となっていた、「対中認識」の党内取りまとめ作業。もちろん、「中国の軍事力増強を国民の多くが脅威に感じている」こと自体をペーパーに盛り込むことに慎重な議員もたくさん出席された。しかし、私たち(浅尾外務担当と私)が書いたドラフトが党内のさまざまな意見に耳を傾けすぎてなんとも歯切れが悪くなっていることに不満を漏らす議員もかなりいた。でも、最後は、書かれた内容については、皆さんの了承をいただくことができ、今日出た意見を持ち帰ってもう一度修文した上で、次回の部門会議に報告することで1時間半にわたる闊達な議論に決着がついた。

この間、浅尾さんとドラフト執筆や、党内根回しに奔走したが、これで、昨年の訪米訪中に端を発した「中国脅威論」をめぐる党内論議は一段落。前原代表の発言から大きくブレることなく、しかし、安定的で未来志向の日中関係を築く上での基本認識を文字にすることができ、個人的には満足している。また、この策定プロセスそのものが、自分としては大いに勉強になった。同僚議員の助言や応援も本当にありがたかった。完成版の公表にご期待いただきたい。
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ブログ炎上

昨日のコメントにブログが炎上した。
初めての経験だが、すさまじい。
ネットに詳しい友人たちが大いに心配してくれた。

件のメールの真贋について「絶対勝てると確信した」わけではないので、その点は誤解してほしくないが、きちんと立証して行けば、資金の流れは確実だから、「ITベンチャーと政権与党中枢の癒着を糺す」勝負には絶対勝てると確信したのだ。
今後の推移をぜひ見届けてほしい。
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