ほっとした一日

今日はビッグイベントが2つ。

一つは、防衛庁の省昇格法案に対する党としての賛否を決める「次の内閣」(ネクスト・キャビネット=NC)閣議。

もう一つは、私の政治資金パーティ@ホテル・ニュー・オータニ。

いずれも、無事に終わり、ただただ安堵。帰宅して、明日の衆院安保委員会での質疑準備に取り掛かったところ。

NCでの意見集約は、途中、珍しく鳩山幹事長が発言され「ここ一番」の助け舟を出してくださったこともあり、松本政調会長のブレないリーダーシップのお陰もあり、山口外務、笹木防衛担当の丁寧で粘り強い議論の積み重ねの結果もあり、何とか代表・政調会長・外務・防衛両担当に一任を取り付けることができた。事実上の「賛成」決着である。

この一週間、この瞬間のために奔走してきた。それにしても、このような国家の基本に関わるような法案で党内論議を尽くし、正規の手続きに則って、意見集約を行い得たことは、政権獲りを目指す民主党にとってじつに意義深いことである。もちろん、党内リベラル・グループを中心に根強い抵抗感は残った。しかし、政権政党足り得るためには、越えねばならない大切な峠だった。ともかく、越えた。このことを素直に喜びたい。明日は、一致して本会議で防衛庁省昇格法案へ堂々と賛成票を投じることができる。法案も歴史的、民主党としても歴史的な一日になる。

そして、夜は、政経フォーラム。
櫻井よしこさんの講演は抜群だった。会場に溢れた400人余の聴衆を魅了して余りあるものだった。教育問題から歴史、そして外交戦略へ。我が国の課題を縦横無尽に論じ切ってくださった。感謝!

会場へは、鳩山幹事長はじめ70人に上る同僚議員が駆けつけてくださった。岡崎久彦大使、金美齢さん、かんべえどの、山本一太さんらも顔を出してくださった。それこそ何のおもてなしもできなかったが、ただただ感謝である。地元からも100名を越える支援者が詰め掛けて、こもごも激励してくださった。懐かしい学生時代の友人や、石原秘書当時の杉並時代の応援者も多数来てくださった。本当に有り難い。

明日は、防衛庁の省昇格法案に対する委員会採決直前の集中審議@衆院安全保障委員会にて質疑に立つ。そして、賛成討論の後、本会議での採決に臨む。1952年の創設以来54年ぶりに防衛庁は、防衛省に移行する。しかし、課題は山積。庁が省に代わったからといって、直ちにパワーアップするわけではない。シヴィリアン・コントロールのあり方など、この夏ドイツで学んだことを踏まえ、あるべき国防体制につき、明日は久間長官に真正面から質すつもり。
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アメリカ中間選挙の総括

昨日は党の外交防衛部門会議で双日総合研究所の吉崎達彦(ご存知、かんべえ殿!)さんの、今朝は私的な勉強会で三井物産戦略研究所の渡部恒雄さんから、与党共和党が敗北を喫した中間選挙の総括を聞いた。

アメリカ民主党の勝因は、ずばり「中道化」にあったことが明らかにされた。民主党は、銃規制や同性愛婚など党内左派の年来の主張を封印して一致結束し、(行き詰まったブッシュに代わる)「新しい方向性(New Direction)」というスローガンの下に一致結束して中道寄りの党を演出して勝利を収めたというのである。New Directionは、04年の大統領選挙で失敗した有権者の怒りを掻き立てるAnti-Bushに代わる穏健なスローガンである。

これは、90年代半ばから急速に保守化した米世論(保守化の起源は、レーガン時代の80年代初頭)を背景にしたもの。民主党右派の代表格が、ヴァージニア州上院選挙の激戦を制し初陣を飾ったウェブ元海軍長官(レーガン政権)であり、08年の大統領選挙を狙う若き黒人スターのオバマ上院議員らである。彼らは、「ブルー・ドッグ」(ブルーは、民主党のイメージカラー、ドッグは論客という意味あい)と呼ばれ、保守的な主張を前面に民主党の中道路線を引っ張り勝利に貢献した。

アメリカの現象は、私たち日本の民主党にとっても参考になる。

ほぼ10年に1回づつ政権交代を繰り返してきたアメリカ式二大政党制の基本的な約束事は、「野党は、政権をとったときに困るようなことは言わない」(吉崎さん)のだ。極端に党派的な行動には批判的で、より現実的で中庸な解決方法を求めている。イラク戦争でネオコンに振り回され、傷ついた米国民は、なおさら中庸を求めている。

とくに、イラク戦争の終わり方に米国民は大きな関心を寄せている。吉崎さんのたとえ話が面白い。これまでのブッシュ政権のイラク政策は、午前0時を回ってハコテン3回も食らってるのに、「朝までやって取り返すぞ!」と息巻いてるに等しい。これに対して、民主党左派の即時撤退論は、「俺は負けたから帰る!」と終電も過ぎたのに雀荘を飛び出して行くに似る。来月発表される予定のベーカー委員会(イラク研究グループ、ISG)の報告書は、まさしく中庸の現実路線で、「そこそこで終わらせるので、あと半チャン2回我慢してね」というものだそうだ。

ラムズフェルド国防長官を更迭し、穏健保守派のロバート・ゲイツ元CIA長官を指名したブッシュ大統領が、この中庸現実路線を受け入れる準備に入ったことは間違いない。国務長官のライスも新国防長官のゲイツもISGのベーカー元国務長官も、パパ・ブッシュの人脈だ。イラク戦争に反対したパウエル前国務長官やアーミテージ前国務副長官やリチャード・ハース前国務省政策企画局長らリアリストたちが、ネオコンに代わってイラクの後始末に乗り出す構図。ネオコンが目の敵にしてきたイランやシリアとも連携をとりながら、イラクの国内情勢を収束させる戦略だ。

こういった米戦略の転換に、ネオコンに軸足を置いたブッシュ政権との緊密関係を誇示してきた小泉・安倍路線がどのように対応するのか、慎重に見極めて行く必要がある。本日正常化した国会では、金曜日にも衆院安全保障委員会で「防衛庁の省昇格法案」が実質審議に入る模様だ。

野党のトップ・バッターで質疑に立つことになりそうだ。これまで審議に加われなかった悔しさもこめて、「一問入魂」(野田前国対委員長の言葉)で臨みたい。米政権の戦略転換にともなう米軍再編やミサイル防衛をめぐる政策の変化の可能性、いよいよ安倍政権の下で本格的な見直し研究が始まった集団的自衛権の解釈変更、さらには、省昇格とともに本来任務となる自衛隊の海外活動に対するシヴィリアン・コントロールのあり方など多角的に質問するつもり。
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面舵いっぱい! 方向転換する勇気

沖縄県知事選挙で野党統一候補が負けた・・・。
4万票差は惜敗というべきだが、もはや民意は下った。
政治家は、これを厳粛に受け止めるしかない。

沖縄で「反基地」を掲げて6派連合を組んで、左のエースといわれた糸数女史を立てて戦った。それで、敗れたのだ。
つまり、野党共闘路線は破綻したといわねばなるまい。
驚くなかれ。ほとんど(※)の市町村で野党候補は与党候補に負けている。
しかも、基地の抱える宜野湾市や嘉手納町では票差が拡大しているのだ。
もはや、現実から乖離した「反基地」一辺倒では、沖縄の民意は動かない。
それが証拠に、与党候補は無党派の4割に食い込んだ。
かくて、私たちに残された選択肢は方向転換しかない、と思う。

あの頑迷なブッシュ大統領も民意の審判を潔く受け入れ、上下両院を制した民主党との協調路線を鮮明に打ち出した。どの選挙区も僅差の敗北だったが、民意は民意だ。
我が民主党も、ここは潔さを見せるときだと思う。

一部には、「核の議論くらいは構わないではないか」とする世論調査を見ては「何かの間違いだ」と首をかしげ、選挙結果を突きつけられても「こんなはずではなかった」などと叫ぶ者もいる。しかし、そうやって、旧帝国陸海軍は、ノモンハンで敗れ、太平洋に散って、最後は数十万にのぼる無辜の国民を犠牲にしたのではなかったか。

ここは、潔くこれまでの野党共闘路線は失敗であったことを率直に認め、大きく路線転換を図るべきだ。このまま、針路を変えずに参院選挙へ突っ込んで行くのを看過するわけには行かない。

先週の国会混乱の中、「審議を尽くすべし」と叫び、断腸の思いで採決を欠席した。
簡単に復帰するのはいかにも格好悪い、と笑われるかもしれない。(何を条件に審議復帰するか、それこそ国対の知恵の見せ所だ。あまり詳細に書けないが、すでに水面下の交渉が始まっている。)

「簡単に起きるな!」左の耳に悪魔のささやきが。
しかし、有権者の叫びは、右耳に響く。
「面舵いっぱい!」
そうだ、左へ左へ流された『民主党丸』の針路を思いっきり右へ戻さねばならないのだ。
急激な進路変更に、船は軋み、横波が甲板に叩きつけられ、舵を持つ手が震えるだろう。いつものようにマスメディアがあざ笑うだろう。
それでも、勇気を持って面舵いっぱい針路を戻さねばならない。

昨夏の総選挙で大きく議席を失ったとはいえ、衆参で200人の大型艦艇だ。
進路変更に数日かかるのはやむを得まい。
しかし、審議復帰は早ければ早いほどいい。
明日からすべての審議に、とりわけ安全保障委員会での「防衛庁の省昇格法案」の実質審議に復帰しよう!
そして、参議院を舞台に、教育基本法の議論を徹底的にやろう!

(※)読者のご指摘により、「すべて」を「ほとんど」に訂正いたしました。41市町村のうち10市町村で野党候補が辛勝しています。不正確な記述をお詫びします。(2006-11-22 14:00)
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重大な決断

昨日の本会議採決の欠席は、まさしく党執行部による重大な決意の所産である。
私も国対副委員長として、その重大決定の責任の一端を担っているから決して他人事ではない。これまでは、私はつねに国対手法や国対判断を批判してきた。今回は、そんな単純な立場ではない。ただし、「副委員長」といっても20名ほどの2-3期生議員の一人であり、私独りの抵抗でこの重大決定が覆るわけでもないが。

野党の論理はこうだ。
「100時間超の審議を尽くした」との与党の主張には意味がない。
審議終盤の2週間に、教育現場はきわめて深刻な事件に見舞われた。
たった2週間の間に、9人の生徒児童がいじめ自殺で命を絶ち、命の大切さを教える教師のトップである校長先生の3人が自殺した。
公立高校に端を発した未履修問題が、私立へ、中学校へと波及する様相を見せている。
この深刻な事態に、文部科学省・教育委員会・学校という既存の教育行政システムは完全に機能不全に陥っていることが露呈した。
(おまけに、「子供たちに規範意識を!」と叫んでいる安倍首相のお膝元でタウンミーティング偽装が発覚し、国民新党所属議員に対する「議席買収」ともいうべき暴挙が行われた。)
・・・したがって、与党はこの新事態に鑑み、当初のスケジュールを粛々とこなす(採決を急ぐとはそういうこと)のではなく、もう一度真摯に事態を見つめなおし、教育の根本から議論しなおすぐらいの姿勢を見せるべきだ。それには、さらに国会で教育基本法案審議の場を利用して、慎重審議を尽くすべきだ。60年ぶりの法改正なのだから、1-2ヶ月の遅れはどうということではない。すべては、子供たちのため、国家百年の大計たる教育の将来を見据えた英断を!

この論理にどれだけ説得力を感じていただけるかわからない。
しかも、審議復帰の目処は立っていない。すなわち出口戦略は見えない。イラク戦争に突っ込んでいったブッシュ政権に喩えるのは、不謹慎か。
厳然たる共通項は、イラク戦争開戦を決断したブッシュ大統領に向かってパウエル国務長官が放った次の言葉だろう。「You broke it, you own it」(あなたが壊したんだから、あなたが責任を持つのですぞ!)
本件では、主語は「We」、つまり私たち民主党だ。

今朝は、地元で朝食会、明日は午後タウンミーティング。
厳しい有権者の皆さんのご叱責は覚悟している。
この重大決断が正しかったのか否か・・・。
もとより甚だ不本意な決断であったことは隠す必要もないと思う。

私個人としては、せっかく民主党の代案として提出された「日本国教育基本法案」の内容が素晴らしかった(民主党案には、今日起こっている事態にも的確に対応できる「教育行政の責任の所在」が明記され、機能不全に陥った教育委員会の廃止も盛り込まれていた!)のだから、与党に修正を迫り、与野党共同で成立させる道を真剣に模索して欲しかった。与野党間にそのような国民第一、国益最優先の考え方が共有されていなかったことが残念でならない。(ただし、参議院での修正をあきらめたわけではない!!)

どんな事態に直面しようとも数の力で粛々と予定通り法案を上げていく与党の姿勢も、与党案に乗ればアイディアは吸い取られ、(しかも、失敗した場合には)連帯責任を取らされメリットは何もないとする硬直した野党の論理も、等しく批判されるべきだと思う。しかし、いずれにしても、国会審議欠席戦術が国民の理解を得られなければ、返り血を浴びるのは私たち野党国会議員だ。厳しい現実だが、目を背けるわけには行かない。

しかし、頻発するいじめ自殺を解決しなければならない、という課題は重い。そこに野党も与党もない。いじめはいじめる人間がいなければ成立しない。今日のいじめは、私たちの知る過去のいじめとはまったく異質。より陰湿で、より集団的で、より長期にわたる。これは虐待だ。犯罪だ。いじめ根絶には、加害者を厳正に処罰するほかない。加害者が居たたまれなくなるような、加害することが人間として卑怯で卑劣で耐え難いことあることが明白になるよう、社会全体の正義感を涵養しなければならないと思う。そして、いじめの当事者はもとより、「傍観者」や「観衆」に成り下がることに対しても徹底的に反省を求めて行くべきだろう。いじめに割って入る「仲裁者」や「救済者」を増やす努力を教師、保護者、地域社会が一体となって行っていくべきだと思う。

先週末にも空手の市民大会に参加している子供たちに呼びかけた。「皆さんは、空手道を身につけた強い人間です。どうか、周囲でいじめの被害にあっている友達をその力で助けてあげてください。そういう正しい人間になってください!力は正義を実現するためのものです!」・・・この訴えにどれほどの子供たちが耳を傾けてくれたかわからない。しかし、社会の大人の一人として、やむにやまれぬ一歩であった。これからもあらゆる機会を捉えて、子供たちの良心と正義感に訴え続けたい。
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久しぶりの良いニュース

福島県知事選挙で、我が党の前参議院議員・佐藤雄平さんが見事当選しました。

補選に連敗して、国会でも迷走気味だった我が党にとって、久しぶりの朗報となりました。佐藤さんは、人格・識見とも素晴らしい方で、もちろん、義父にあたる渡部黄門様の全面的バックアップもありましたが、福島県民の良識が選択してくださったものと思います。また、何といっても投票率が58%を超えたことが自公連合に10万票以上の大差をつけて勝てた最大の要因となったことも、民主党にとっては今後に向けて大きな弾みとなりました。

今週は、教育基本法案と防衛庁の省移行法案の扱いをめぐって緊迫する国会となりそうですが、いずれの法案も国民の関心は高く、50年、60年に一度の歴史的な改革法案ですから、民主党が審議から逃げたり、かく乱したりといった低次元の争いにならないよう、正々堂々と審議を尽くしたいと思います。

とくに、衆院安全保障委員会の所属委員として、防衛庁の省移行法案に対しては、何度でも、何時間でも質疑にたって、我が国の安全保障を担う中枢官庁の誕生に向けて、注文すべきは注文をつけ、質すべきは質して行きたいと思います。同時に、党内論議をさらに盛り上げ、きちんと法案賛成の方向で、党内の意見集約ができるよう、外務防衛担当の政調副会長として、大いに汗をかいていくつもりです。
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