「未来日本」政治塾、スタート!




 私が塾長を務める「未来日本」政治塾。
 7月26日、日本が直面する社会課題の解決に燃える30人の地方議員が新宿に結集し、いよいよ開講しました。私たちが最初に選んだテーマは、「児童虐待」。この分野の第一人者である旧知の駒崎弘樹さん(NPO法人フローレンス代表理事)を講師にお迎えし、質疑応答は予定時間をオーバーして白熱しました。




政治塾の最初の課題は「児童虐待」

 6月上旬に大きく報道された目黒区の5歳女児結愛ちゃん虐待死事件をきっかけに、児童虐待問題が改めて深刻な社会課題として国民的議論を巻き起こしました。私も国会に超党派議員連盟「虐待から子どもを守る国会議員の会」(会長:塩崎恭久元厚労相)を立ち上げ、政府に対し緊急要望を取りまとめました。政府も迅速に動き、7月25日に緊急対策を閣議決定しました。

政府緊急対策のポイントは次の4つです。
①児童相談所の増強(2022年までに2000人増)
②自治体間をまたぐ事案の連携強化
③警察との情報共有の強化
④乳幼児健診の徹底

児童虐待問題には、原因と結果の側面がある

 私はかねてから、この児童虐待問題には、(他のあらゆる問題と同じく)「原因」と「結果」の側面があると考えてきました。政府の緊急対策は、主として虐待の結果に対処するものといえます。児童相談所の機能を強化して虐待された子どもの命と健康を守っていこうというのが最大の柱です。これらを専門家の間では、川の流れにたとえて「川下の対策」と呼ばれており、他にも、①一時保護所の環境の改善、②児童相談所が持つ二つの機能(子育て家庭「支援」と子どもの命を守るための「介入」)の調整、③強すぎる親権とこれまで軽視されがちだった子どもの権利との適切なバランス、④一時保護から里親や特別養子縁組へとつなげるパーマネンシー(永続的解決)の確立、など課題山積です。

児童虐待を予防するためには「川上」の対策を

 これに対し、私は、「川上の対策」、すなわち、虐待の原因である保護者による虐待を未然防止(予防)するための方策こそ、児童虐待を根絶するために重要な視点ではないかと考えてきました。つまり、精神疾患や貧困、孤独な育児など様々な原因(要因)で子どもに対し虐待をしてしまう保護者に働きかけること(たとえば、助言や相談に乗ってあげるなど)によって、保護者を追い詰めてしまう要因そのものを除去していく地域や社会の取組みが大事ではないかと考えます。

フィンランドは、なぜ「子育てしやすい国」世界一なのか?

 そう考えていくうちに、私は、フィンランドの「ネウボラ」制度に行きついたのです。ネウボラは、フィンランド語で「ネウボ=助言する」「ラ=場所」を意味し、文字どおり子育て家庭のよろず相談を一手に引き受けてくれる施設です。しかも、妊娠がわかってから小学校に上がるまでの子ども達にとって最も重要な6年間を、原則として一人のネウボラおばさん(保健師)が切れ目なく同じ家庭の面倒を看つづけるという夢のような制度なのです。70年以上続くネウボラは、フィンランドの子育て家庭の98%が利用しているとのこと。こんな仕組みが日本にもあれば、育児に悩む若い親御さんたちにとっては本当に安心ですね。

*フィンランドの子育て支援制度についてはコチラをご参照ください。


日本にもフィンランドに負けない仕組みをつくろう!

 百聞は一見に如かず。私は9月中旬に、実際にフィンランドに行って、このネウボラ制度の実情をつぶさに視察して来ることにしました。その成果を「未来日本」政治塾の塾生たちと共有し、児童虐待の原因を日本社会から一掃するために、ネウボラに負けないような仕組みづくりに役立てていきたいと考えてます。日本にも、子どもに関わる仕事やボランティア活動に従事している大人は沢山います。児童相談所のみならず、保健師、医師、保育園や幼稚園、小中学校関係者、教育委員会、民生・児童委員、地域の子ども会、社会福祉協議会などなど挙げれば切りがないほどです。

「未来日本」政治塾で日本の社会課題を解決しよう!

 「未来日本」政治塾は、そのような日本社会が持つ潜在力をカタチに変える地域の斬新な仕組みづくりを主導していく人材を輩出することを大きな目標として掲げています。そのために、「未来日本」政治塾は、党派を超えた地方議員の研修、連帯の場を提供するものです。したがって、巷によくある選挙に勝つためのノウハウを学ぶような政治塾ではなく、社会課題に取り組む専門家や社会起業家を招き、現場視察などの研修カリキュラムを通じて、政策力を磨き、それを具体的な行動につなげ、さらに改革を推進するための連帯の輪を全国に広げてまいります。

衆議院議員 長島昭久



「未来日本」政治塾の詳細についてはコチラをご覧ください。

第1回「未来日本」政治塾の様子

塾長挨拶


白熱した質疑応答となりました。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


やはり、日本にも「ネウボラ」が必要だ!

 またしても、悲劇が起こってしまった。
 東京都目黒区で、親から虐待を受けた5歳の結愛(ゆあ)ちゃんが尊い命を奪われた。

「もうおねがい ゆるして ゆるしてください」

 覚えたてのひらがなで綴った結愛ちゃんの痛切な言葉に、胸を締め付けられた。この小さな命を、なぜ救えなかったのか?誰しもが思ったことだろう。


 年間の児童虐待通報件数は、この10年上昇の一途。ついに年間12万件を超えた。そのような中、虐待によって命を落とすケースは、年間およそ300件とされる。毎日一人の子どもの命が家庭内虐待によって奪われていることになる。なんということか!
 虐待の通報(通告)は、児童相談所(児相、都道府県を中心に全国210か所)に集まる。だから、虐待問題が発覚するたびに児相は批判にさらされる。
 今回も、香川県で2度も結愛ちゃんを一時保護(そのつど義父は傷害罪で逮捕されている)しながら、なぜ児童福祉司による指導措置を解除してしまったのか?東京都の児相への事案の引継ぎは適切になされたのか?東京都の品川児相はなぜ事案を引き継いで48時間以内に家庭訪問しなかったのか?(実際の訪問は事案引継ぎから9日後、しかも結愛ちゃんを確認できず)・・・など、疑問と批判の声が噴出した。


 じつは、児童虐待が急増する今、児相の現場は火の車なのだ。
 児相職員は一人100件近くの事案を抱え日夜苦闘し、精神疾患で離職する職員も続出している。もちろん、厚生労働省とてこの状況を看過しているわけではない。同省は今、人口4万人に一人の児相職員の配置を目指す取り組みを進めている。わずか数年前まで6万人に一人が目標だったことを考えれば、たしかに政策的努力の跡はうかがえる。
 それでも、人口4万人なら(子どもの数は総人口の約12%だとして)児相職員一人で5000人弱の子ども達を相手にする計算だ。とてつもない数字だ。もっとも、そのうち虐待が疑われる家庭はどのくらいあるのだろうか。


 ここに参考となりそうな数字が二つある。
 一つは「5%」、もう一つは「20万人」。
 前者は、法律で定められた乳幼児健診を受けていない子どもの比率だ。すなわち、我が国では、母子保健法に基づき乳幼児健診が義務付けられている。1歳半と3歳児健診は法的に定められ、その間も必要に応じて健診を推奨されている。ところが、受診率はというと、それぞれ95.7%、94.3%となっている。つまり、約5%の子どもが法律で義務付けられている乳幼児健診を受けていないのだ。この5%の子ども達が、潜在的な虐待、少なくとも「社会的孤立」に陥っている可能性が高いと考えられる。そうだと仮定すると、(もちろん、地域差はあるが)児相職員一人が対象とする潜在的な被虐待児童は、5000人の5%、つまり200-250人となる。さきほどの「一人で100件」という実態のおよそ倍の数字だ。したがって、厚生労働省の人口4万人に児相職員一人という目標では到底追いつかないことは明らかだ。

 もう一つ憂慮すべき数字が「20万人」である。前述の3歳児健診を終えて小学校に入学するまでの3-5歳児のうちで、幼稚園にも保育園にも行っていない子どもがじつに20万人もいるというのだ。3-5歳児の人口は約316万人だから、約16%にも上る。愕然とする数字だ。この数字は、子どもの貧困とじつは合致する。いま貧困の連鎖が問題となっているが、じつは虐待も連鎖しているという。貧困と家庭内虐待は連関しているのかもしれない。


6/21、22に超党派ママパパ議連による児童虐待防止対策に係る緊急申し入れを厚生労働省と法務省に行う。
(写真は、高木美智代厚生労働副大臣へ申し入れを行った際の様子)



 したがって、児童虐待は、単に児童相談所を強化すればいいという話では済まないことが分かる。もちろん、児相の拡充は最低限の対応として予算配分を含め可及的速やかに行わなければならない。警察、医療機関、民生・児童委員、学校や幼稚園、保育園など関係機関の連携もより緊密にしなければならない。さらに、場合によっては親権停止まで含めた虐待対応のルールの明確化も急ぐべきだ。
 しかし、より根本的には、自らの子どもを虐待してしまう親(保護者)を何とかしなければならない。その点で、東京若手議員の会の児童虐待防止プロジェクトチームによる小池百合子東京都知事への緊急提言に書かれているように、保護者が子どもを虐待してしまう背景には、「社会的孤立、経済的貧困、保護者や子どもの疾患、保護者が過去に虐待を受けた経験など様々な要因があり、児童虐待は保護者の『SOS』でもある」という指摘は重い。
 つまり、児童虐待を防止するためには、子どもだけでなく保護者も含めその家庭ごとケアをしてあげなければならないのだ。とくに、「三つ子の魂百まで」といわれるが、就学前の0-5歳の時期は人間形成にとって死活的ともいえる。この時期に、人間の脳が形づくられ、心の在りようが決まり、基礎的な運動能力が身につくといわれているからだ。だから、子どもにとって、0歳から5歳が最大限のケアを要する時期なのである。


 その子ども達にとって最も大切な期間を手厚くサポートできる仕組み。それが、フィンランドの「ネウボラ」*だ。私は、真の児童虐待防止策として、日本にも本格的に「ネウボラ」の導入を図るべきだと改めて提唱したい。3年前に各自治体に開設が(努力)義務付けられるようになった「母子健康包括支援センター」は、ネウボラ類似施設として期待されたが、質量も貧弱だし、何よりも子育て家庭支援の根本的な哲学や理念が日本社会全体で共有されているとはいいがたい。
 この際、妊娠期から小学校へ入学するまでの6-7年間を切れ目なく各家庭を丸ごとサポートする「日本版ネウボラ」を創設しようではないか。人口600万人のフィンランドでは、児童虐待による死亡件数は、年間0.3人だという。つまり、3年に一人なのだ。彼我の差は歴然。彼我の仕組みや制度の差も歴然。私は、子ども達の「未来保障」のために、日本版ネウボラの全国展開を予算措置も含め国家目標として掲げ、政府に対し決断と実行を迫っていく。


*「ネウボラ」・・・フィンランドにおいて、妊娠期から出産、子供の就学前までの間、母子とその家族を支援する目的で、地方自治体が設置、運営する拠点。また、出産・子育て支援制度。

 



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


米朝首脳会談、その後

 6月12日のシンガポールにおける米朝首脳会談は、たしかに歴史的ではありましたが、具体的な中身を期待していた人々の間には一様に失望が広がっています。とくに、専門家からは酷評されています。なぜなら、肝心の「非核化」について、会談前にトランプ大統領は、北朝鮮にCVID(完全(Complete)かつ検証可能(Verifiable)で不可逆的(Irreversible)な核廃棄(Denuclearization))を呑ませると豪語しておきながら、共同声明には「完全な非核化」(VとIは欠落!)としか謳われず、非核化の定義も、期限も、検証の枠組みすら示されなかったことから、非核化プロセスを限りなく先延ばししようとする金正恩氏の思うつぼではないかと。おまけに、長年北朝鮮が要求してきた米韓合同軍事演習の中止まで(同盟国に相談もなく)約束してしまったのは、あまりに軽率だとの批判を浴びました。

 私も、米国のシンクタンクで研究員として勤務していた1997年以来、朝鮮半島問題に関わって来た者としても、功名心(11月の中間選挙を有利に進めたいという動機か?)が先に立つトランプ大統領のやり方はあまりにも拙速で、北朝鮮やその背後にいる中国の術中に嵌ってしまうのではないかと憂慮を禁じ得ませんでした。じっさい、欧米の識者の間では、「会談の勝者は中国」だといわれています。中国は、これまで一貫して朝鮮半島の平和的解決を主張。そのためには、北朝鮮による核やミサイル実験の停止と(米国の対北敵視政策を象徴する)米韓合同軍事演習を凍結する(「ダブル・フリーズ」政策)必要がある、と米朝双方に呼びかけてきました。今回の首脳会談の結果は、まさしくその通りになりました。

 しかも、米朝の共同声明によれば、両首脳が合意したのは「朝鮮半島の完全な非核化」でした。国際社会が求める北朝鮮の非核化ではなく、「朝鮮半島」全体の非核化というのには実は、深い意味があります。
今や朝鮮半島の南側(韓国にも、在韓米軍にも)には核兵器は存在しません。にもかかわらず、非核化の対象を「朝鮮半島」全体とするのは、韓国に対する米国の「核の傘」も排除するという意図が潜んでいるからなのです。米国が核の傘を提供する根拠は、ひとえに米韓同盟です。米韓同盟を支えているのは3万余の在韓米軍です。中国の基本戦略は、朝鮮戦争以来一貫して朝鮮半島に対する米国の影響力の排除(換言すれば、中国による朝鮮半島支配の確立)です。今回のトランプ氏の示した方向性は、ずばり中国の思惑と合致するのです。

 そうだとすると、我が国にとっては一大事です。我が国の基本戦略は、戦後一貫して米国による韓国および日本への安全保障のコミットメントをいかに維持、強化していくかにあるからです。米韓合同軍事演習の中止にとどまらず、(将来的な)在韓米軍の撤退にまで言及したトランプ大統領の交渉姿勢を看過することはできません。しかも、我が国最大の懸案である拉致問題についても、トランプ氏が首脳会談の中で繰り返し言及したとされていますが、共同声明にも盛り込まれませんでした。それだけにとどまらず、トランプ氏は、非核化の経費は日本、韓国、中国が負担することになるだろうとも述べました。さらに、懸念されるのは、北朝鮮を真剣な対話のテーブルに向かわせた「最大限の圧力」が、米朝首脳による握手によって溶解してしまう可能性が高まることです。すでに中朝国境の交易は活発に行われているといわれていますし、韓国もロシアも北朝鮮への経済支援に前向きです。

 とはいうものの、すでに「賽は投げられた」のです。たしかに、トランプ大統領のやり方は常識破りです。普通の外交交渉であれば、首脳会談の前に実務協議を重ね議題など詳細を詰めておくものです。しかし、その真逆が「トランプ流」なのでしょう。とにかくトップ同士で握手を交わし、あとは実務者に丸投げ。先行きは不透明ながらも、非核化に向けて物事をスタートさせたことは間違いありません。しかも、ボールは北朝鮮のコートに投げ込まれました。今後は、北朝鮮が「迅速に」非核化のプロセスに入るかどうかが最大の焦点です。専門家の間から譲歩し過ぎだと批判を浴びていますが、米韓合同軍事演習の中止も北朝鮮の行動次第ではいつでも再開できるわけで、逆にこの米国の「善意」を反故にした場合には軍事行動へ転換する口実とすることもできますから、トランプ氏にしてみれば譲歩でもなんでもないということになるのでしょう。

 さて、ここから日本外交はどう進められるべきでしょうか。私は、中長期的な視点が重要だと考えます。当面、戦争の危機が回避できたことは歓迎すべきですが、非核化のプロセスは長く険しいものとなるでしょう。その間に我が国最大の懸案である拉致問題を解決するために、日朝首脳会談を真剣に模索すべきです。その前提として、ストックホルム合意に基づく拉致被害者に関する真の調査報告を求めねばなりません。史上稀に見る警察国家たる北朝鮮においては、(国民であれ外国人であれ)住民の動向は当局が完璧に把握していますから、拉致被害者の安否調査に時間がかかるはずがありません。その上で、非核化支援のための国際的な費用分担には誠実に応じればよいと考えます。

 さらに、中長期的な我が国安全保障の主要課題が、中国の動向であることを忘れてはなりません。過去30年に軍事費を51倍にまで拡大し、近代化された核ミサイル戦力が我が国を射程に収め、東シナ海や南シナ海で強硬姿勢を崩さない中国は、北朝鮮の脅威よりもはるかに強大で複雑です。その中国との関係を安定させるためには、経済的な結びつきの深化と同時に「力の均衡」も不可欠です。そのためには、常識破りの外交を展開するトランプ大統領率いる米国との同盟関係をどう維持、強化していくかが大事なポイントとなります。たとえ北朝鮮の核ミサイルの脅威が首尾よく低減されたとしても、弾道・巡航ミサイルに対する脅威は存在するのですから、それに対する抑止力のカギを握る陸上イージス防衛システムの配備は粛々と進めていくべきでしょう。同時に、できるかぎり「自分の国は自分で守る」だけの独自対処能力を確立するため、効率的な防衛力と多角的な情報収集能力の整備に努めるべきです。

 いずれにせよ、朝鮮半島に平和と安定をもたらすためには、単に南北朝鮮や米朝関係、日朝関係といった二国間関係の改善を図るだけでは足りません。米中や日中、日露、さらには日米間、日中韓関係など重層的な安全保障環境の安定化に向けた不断の努力が必要です。そのための戦略的な日本外交を、引き続き与野党の垣根を越えて提案し実行してまいります。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


「独立宣言」ふたたび。

新たな決意で、未来に誇れる日本へ!

 4月27日、希望の党の所属議員の多くが再び民進党と合流し、新党「国民民主党」(略称「国民党」)を結成することとなり、その結果、希望の党は結党からわずか半年余で解党することとなりました。私は、昨年来、党執行部の一員として、分党にも解党にも反対してきた経緯もあり、この合流新党の動きとはあくまで一線を画し、再び「独立」(いわゆる無所属)議員として再出発することと致しました。

「未来先取りの日本大改革」の灯は消すまい!

 振り返れば、昨年4月9日に「独立宣言」を行って以来、「中庸を旨とする真の保守政治」を基軸にした野党再編をめざして試行錯誤を繰り返してまいりました。ようやく小池都知事と共に「寛容な改革保守」の旗を掲げて希望の党の結党にまでこぎつけましたが、結果は大惨敗。それでも、衆議院に51議席を確保し、これを橋頭堡に「未来先取りの日本大改革」を推進していこうと意気込んで今年の通常国会に臨みました。しかし、ますます先鋭化する政治の二極化現象を前に、民意のど真ん中に旗を立てることの難しさを痛感させられる日々となりました。

国民の信頼を失墜させた安倍政権とは、
場外乱闘ではなく国会審議を通じて堂々と戦おう!


 じっさい、立憲民主党が主導する「徹底抗戦ありき」の対決姿勢は、安倍政権のスキャンダルが噴出するたびに先鋭化していきました。時あたかも朝鮮半島をめぐり国際情勢が激変する中で、日本外交のかじ取りをめぐって今こそ安倍外交に対する厳しい検証とそれに対抗しうる「新たな外交構想」を野党が示すべき大事な局面に差し掛かっていたにもかかわらず。疑惑追及と並行して丁々発止の国会論戦を通じて、外交や安全保障の面でも与野党の違いを明らかにする絶好のチャンスだったはずです。しかし、希望・民進両党は内向きの合流協議に明け暮れ、ついに国会論戦の表舞台で存在感を発揮することができませんでした。この間、党執行部の中で一貫して解党・合流協議に反対し、早期審議復帰を主張してきた私としては、悔しい限りです。

政調会長として唯一の成果となった「働き方改革」の対案

 それでも、今国会最大の争点となる「働き方改革」をめぐっては、政府案を全否定せずに希望の党らしい働く者の視点を中心とした「包括的な対案」を取りまとめ、問題意識を共有する民進党と共に国会へ共同提出することができました。結局、これが希望の党の政調会長として唯一の成果に終わったことは残念でなりません。ただ、政府案に欠落していた「パワハラ防止」、「ワークルール教育の推進」、「裁量労働制の厳格化」など、真の働き方改革につながる新たな観点を法案に盛り込み、国会審議を通じて有意義な与野党論戦が大いに期待できました。

政府が壊した議会制民主主義の土台は、
徹底審議を通じて立て直そう!


 ところが、GW休暇を含め約1か月にわたる野党の審議拒否によって、その熟議の機会がみるみる縮小して行きました。もちろん、次から次へと露呈する公文書改ざん、虚偽答弁、隠蔽工作などは、まさしく議会制民主主義の土台を揺るがすもので、到底受け入れられるものではありません。真相究明を阻害する要因を取り除く第一義的責任は、政府与党にあります。しかし、だからといって、国会審議とは別建てで、国会議員が連日非公式に官僚を呼びつけ、「検察官」のようにテレビカメラの前で吊し上げる様は、もはや言論の府・熟議の国会とは無縁の姿と言わざるを得ません。したがって、私は、このままGW休暇に突入し一か月近くも国会を空転させるわけにはいかないと考え、27日の衆議院本会議には独自の判断で出席いたしました。欠席戦術を主導する急進的な野党幹部からは「裏切り」批判を浴びましたが、多くの皆さんから温かい激励のお声をいただきました。



これから私が目指す政治の姿とは何か?

 私がめざす政治の第一は、与野党の違いによって敵対し合い批判合戦を繰り広げるのではなく、あくまでも国益を基本に据えて、将来世代と生活者を最優先にした政策を実現することです。第二は、我が国の直面する危機の実相を的確に捉え、「未来先取り」で今必要な改革に正面から取り組んでいくことです。これが、「未来に誇れる日本」づくりに他なりません。第三に、日本が直面する危機を克服するためには、国民一人ひとりの能力を最大限発揮できる環境をつくり出すこと。それが、私のめざす政治の要諦です。なぜなら、私は、我が国が直面する「少子高齢・人口減少・財政悪化」というとてつもない課題を克服する力、すなわち、このピンチをチャンスに変える潜在力を私たち日本人が持っていると確信しているからです。

「人への投資」を最大化して、
何度でも「学び直し、働き直せる社会」へ


 そのためにも、「人への投資」を最大化していくことが肝要です。教育と技術革新こそ課題解決のカギを握っています。人口減少とAI・ロボット技術の進化によって否が応にも雇用の流動化は避けられず、単に今の雇用を守ろうとするだけでは、問題解決にはつながりません。真の働き方改革は、いつでも、どこでも、誰でも、何度でも「学び直し、働き直せる社会」の実現に懸っています。その上で、我が国が直面する深刻な社会課題を克服するためには、「人口増加・右肩上がりの経済成長」の下でつくられた年金や医療制度など現行制度全体を根本から見直す必要があります。それには、与党だ野党だなどという違いを超えて「オール・ジャパン」の政府を樹立できるかどうか。その目標に向けて、同志と共に邁進してまいりたいと思います。


衆議院議員 長島昭久


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


今こそ内憂外患に立ち向かう!

 日本の官僚組織の頂点に立つ財務省。そこを舞台に、決裁済みの公文書が大々的に改ざんされ、一年以上にわたり国会や国民を欺くという前代未聞の事態が起こりました。国会審議も紛糾し、国民の怒りと不信感が渦巻き、抗議のデモが連日首相官邸を取り囲んでいます。

これは、日本の議会制民主主義への挑戦だ!

 議会制民主主義の根幹にかかわる「公文書の管理」がここまで杜撰(ずさん)に行われていたことに、大きな衝撃を受けています。しかも、国会における局長の虚偽答弁との齟齬を埋めるために改ざんの連鎖が見る見るうちに拡大していったというのですから、事は深刻です。じっさい、当時の佐川局長は、森友学園への国有地の払い下げの過程で、「事前の価格交渉はなかった」「すべては法令に則り適切に処理された」と答弁し続けたうえに、それを裏付ける資料や文書は「すべて破棄された」と公然と主張して国会を騙し続け、その間に改ざんを行っていたというのです。結果として、公文書への信頼性に基づき国政調査を進めてきたあらゆる国会審議の大前提が崩れてしまいました。国民の直接代表である国権の最高機関・国会における議論の土台が崩壊したことは、一内閣の交代くらいでは到底払拭し切れない深い禍根を残したといわざるをえません。

改めて見直すべき「政と官」との関係

 こうした事態を引き起こした安倍政権が事態を収拾し国民の信頼回復のために対応すべき第一義的な責任を負っていることは言うまでもありません。しかし、日本の政治の将来を考えた時、今回の事件は、与野党を超えた全ての政治家に深刻な課題を突き付けていると考えます。第一に、「政と官」の関係の見直しは必須です。私たちが政権にあった時から、霞が関に対する政治主導の必要性を強く訴えてきましたし、その象徴が「内閣人事局」制度でした。首相官邸が各省幹部人事を統括することにより各省の既得権益よりも国益中心の政治を実現しようという考え方です。しかし、今回の財務省による「忖度」事案は、官邸主導政治の行き過ぎの帰結といえます。政治主導は、事実を捻じ曲げてまで官僚が政治家に服従するような歪んだものであってはなりません。政治と官僚との間に適度な緊張関係を再構築するために、私たちは議院内閣制における「政と官」の在り方をいま一度考え直さねばなりません。

第三者機関による徹底した真相究明を!

 第二に、国民の信頼性を喪失した今の公文書管理の在り方を根本から改めねばなりません。文書の改訂履歴をすべて残すなど改ざんを許さないシステムを構築し、不適切な扱いに対しては罰則を科すことも含め制度の抜本改革が急務です。第三に、文書の改ざんや虚偽答弁がここまで長期にわたって公然とまかり通ってしまったことを、深刻に受け止めるべきです。なぜ途中で誰も止めることができなかったのか。海外では確立されている「公益通報(内部告発)者」保護を中心とするホイッスル・ブロワー制度の導入も待ったなしです。さらに重要なことは、この問題の真相究明を本気で考えるなら、国会論戦の場よりも専門家による第三者機関が徹底調査する方が遥かにふさわしいという事実を与野党政治家が素直に受け入れるべきだということです。

国政「異常事態」を正すべき政治家の責任

 振り返れば、一年以上も虚偽答弁で欺かれ、やがて「野党はいつまでこんな小さな問題にこだわり続けているのか?もっと大事な議論をしろ!」などと森友・加計問題で質問することすら憚られるような空気が醸成され、追及する野党が猛烈な批判にさらされ悔しい思いも募りました。挙句の果てに突然の解散総選挙で惨敗を喫したこともあり、「今こそ政権打倒だ!」と野党が色めき立つのは十分理解できます。しかし、真摯に我が国憲政の将来を考えれば、今回の異常事態を単なる政権叩きに終わらせるのではなく、「原発事故調査委員会」のような第三者機関を国会の権威(国政調査権)の下に設置し、徹底的に膿を出し切ることによって政治全体で正す必要があるのではないかと考えます。

「内憂」とともに朝鮮半島をめぐる「外患」に立ち向かう!

 なぜなら、国政は、この深刻な「内憂」とともに、風雲急を告げる朝鮮半島情勢に象徴される厳しい「外患」にも適時的確に対応していかねばならないからです。北朝鮮主導で進められる南北対話や、米政権における突然の国務長官解任など、国際情勢は日に日に不透明さを増しています。中国の習近平体制は国家主席の任期を撤廃し権力集中をさらに強化しました。ロシアのプーチン大統領も形ばかりの大統領選挙に圧勝し、さらに6年の任期を確保しました。日本を取り巻く中国とロシアという二つの核大国が権力固めの上に強硬な対外姿勢を露わにし、南北朝鮮と米国が不安定な状況に陥った場合、「自由で開かれたインド太平洋地域」の平和と安定と繁栄、さらには法の支配を中心とする国際秩序を牽引する重要な役割を担うのは日本しかありません。その重い課題に取り組むためには、与野党を超えた政策的な英知を結集する必要があります。

事態収拾なくして、国民の信頼回復なし

 もちろん、そのためには一日も早く安倍政権をめぐる異常事態を解決し、国民の結束を回復しなければなりません。安倍政権がこれまで積極的に外交や安全保障政策を展開して来れたのも、国内における安定的な政治基盤があってのことでした。逆にここまで国民の信頼を失ってしまえば、外交どころではなくなります。事態収拾のため、最後は安倍首相が責任を引き受けるほかないと考えます。政権不信の傷口を広げ、我が国の外交力を損なう前に、その決断はなされるべきでしょう。私自身は、引き続き自公政権に対して是々非々の姿勢を貫き、国益を第一に内外の諸課題に全力で立ち向かってまいります。

衆議院議員 長島昭久

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« 前ページ