大型連休

昨晩は、参議院選挙へ向けた鈴木寛(すずかん)選対本部の決起集会。
民主党の頭脳であり、教育と医療のエキスパートである「すずかん」再選を願う衆参国会議員、都議会議員、市区町村議員団のコアメンバーが集結して、大いに気勢を上げた。私は事務局長として、責任重大だ。

最近では「農村政党」「弱者(フォーカス)政党」とのイメージが先行する民主党の原点に立ち返る選挙戦を展開したい。都会に暮らす生活者の共感を呼び起こすようなマニフェストを掲げて戦い抜く、と挨拶させていただく。

今日は、連休初日にもかかわらず、地元で国政報告タウンミーティング。
40人ほどで部屋は満杯。民主党への注文や激励が相次いだ。
浪人時代から重ねてきたタウンミーティングは、今回で59回目。私の政治活動の生命線だ。最近では、民主党に対する厳しいご批判を頂戴することが多くなっているが、むしろ有権者の皆さんの厳しいご叱正をより多く聞いて、今後の民主党再生の糧としたい。

そして、明日から訪米。
安倍首相訪米直後のワシントンへ乗り込む。
シンクタンクの招待だが、超党派の上下両院議員や大統領候補者との会談もセットアップされており、楽しみ。
安倍訪米では、余り語られなかった中国やアジアに対する日米の共通戦略について、つっこんだ意見交換をしてきたい。
随時(あるいは帰国後にまとめて)ご報告したい。
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政権交代可能な野党再考

統一地方選の後半戦開幕。
地元の市議選に一日汗を流す。
こうして地方選挙の応援をしていても頭から離れないのは、政権交代可能な野党とは何か。

先週号の『ダイヤモンド』に、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが都知事選について鋭い分析コラムを寄せている。

石原陣営の「反省しろよ慎太郎。だけどやっぱり慎太郎」というキャッチコピーは、「もう一回チャンスを与えようかという気持ちにさせる不思議な説得力がある」と評価。同感だ。

一方、浅野候補は街頭で「失われた8年」と訴えた。これでは「前回、石原氏に投票した300万都民の神経を逆なでする。「あんたたちの目は節穴でした」とケンかを売っているようなもの」と。これも同感。

では、どう言うべきだったか。
二宮さんの考えたキャッチコピーを見て思わず膝を打った。

「ありがとう慎太郎、さらば慎太郎、次は任せろ!」

残念ながら、浅野氏の周りには、そんなウィットのきいた前向きな明るいコピーを考えられるような雰囲気は微塵もなかったようだ。とにかく鬼畜米英ばりの「憎き石原め!」という空気が充満していたのだろう。それは、選対幹部の目を曇らせ、そのまま有権者意識からの乖離を生んでしまった。

民主党は、国政でも同じ過ちを犯してないだろうか。我々は、口を開けば、与党による数の横暴、安倍政権の強権政治と批判する。しかし、国民から見れば、(しまった勝たせ過ぎた!とは思っていても)選挙で選んだ与党が多数決で法案を通して、それが強権てどういうことかいな?「有権者の選択は間違っている」ってケンか売ってんのかい?・・・ということなのではないか。

だから、常々言ってきたように、政権交代可能な野党の姿勢は、「YES, BUT...」なのだろう。二宮さんのコラムはそのことを雄弁に示唆していると思う。

小泉の構造改革も、地方分権も、安倍の再チャレンジも、憲法改正も、日米同盟重視も、方向性としては、まぎれもなく「YES」ではないのか! そうであるなら、議論の入り口で「NO!」と仁王立ちしていないで、「BUT...」と切り替えして、民主党が目指す真の改革路線を訴えればよいではないか!

そこから格差を是正するためのセーフティネットの張り直しの議論になるし、そこから日米同盟とアジア外交を両立させる新たな外交安保戦略の議論に入っていける。安倍政権より、生活感があって、大局観があって、有権者の実態を知り尽くしているのだ、というのであれば、議論の入り口で「NO!」の横断幕を広げてピケなど張っていないで、「YES」と正面から受け止め、「BUT」と切り替えして議論の中身に入って堂々と勝負しようではないか!

そして、7月の参議院選挙では、「不良債権もなくなったし、主張する外交も展開できた、小泉さん、安倍さんありがとう。(でも時代的役割を終えた)自民党よ、さらば。後は我々に任せろ!」と自信を持って叫ぼうではないか。有権者もそんな前向きなメッセージを民主党に期待しているのではないだろうか。
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これが政権交代可能な野党か…!?

国民投票法案、米軍再編促進法案が衆院可決。

わが民主党は、いずれも与党案に反対。
議席に坐ったまま思わずうめくほかなかった。
「これが、政権交代可能な野党の姿か・・・。」
党人としての務めとはいえ、頭と体が引き裂かれるような苦い思いだった。

今朝の各紙の報道にもあったように、国民投票法案の修正協議は合意寸前まで行った。全権を委ねられていたはずの交渉団(憲法調査特別委員会理事)による合意への最後の努力を潰したのは、本国(党執行部)の指示だった。いや、党執行部の思惑といっていい。自民執行部には、現行憲法96条に明記されている憲法改正の手続法の制定にすら反対する民主党を印象づける思惑が、対する民主党執行部には、国民生活の喫緊の課題そっちのけで憲法改正に突き進む安倍政権の的外れを浮彫りにしようとの思惑があった。

こうして最初から結論が決まっているのだから、交渉が成立する道理はない。少なくとも、私の目から見て、最後に残された2つの論点:(1)国民投票の対象を絞る規定でも、(2)公務員の行動に関する規定でも、両者の違いはほとんどなく、決して合意できないものではなかった。枝野憲法調査会長も粘り強く論点整理を重ね見事に与党を説得したし、船田元与党理事も真摯に対応してくれたし、中山太郎憲法調査特別委員長もフェアな運営を心掛け、最後までじつに立派だった。

しかし結果は決裂。野党は与党を批判し、与党は野党を非難する。これが議会制民主主義の現実だから、仕方がないか。しかし、それにしても、もう少し別な戦い方はないものか。わが党として政権交代を可能にするような別のやり方はなかったのか!

沖縄での参院補選前に、統一地方選挙の後半戦を前に、米軍再編推進法案に賛成することはできない。わかりやすい論理だが、他にどんな代案があるというのか?再編の総額がわからないと批判するが、予算措置は別に具体的な予算要求がなされ国会で審議されるのだ。グアムへの移転経費も日米合意は上限で、今後の交渉に委ねられ、議会として厳格に審査もできる。たしかに米国主導の再編協議だったことに不満は残るものの、それは今に始まったことではなく、対等の同盟関係を構築する作業は、少なくとも集団的自衛権の行使を認めなければ絵空事だし、それは次回以降の課題だ。それでも、今回の海兵隊グアム移転で沖縄の基地は返還が進む。この問題には個人的な思い入れがあるだけに、言いたいことは山ほどあるが、今は隠忍自重の日々だ。

しかし、民主党が政権交代を目指すのであれば、今の戦い方を続けていて本当にいいのかという疑問は、少なくとも私の同期議員をはじめ当選1-2回生の間に深刻な広がりを見せている。

その意味で、先の都知事選に敗れた浅野さんのインタビュー記事(朝日新聞今朝の朝刊33面)の次の一文に目が釘付けになった。

(引用はじめ)
―何が敗因か。
一番は図式の問題。「石原都政、我慢できますか」と訴えたが、考えてみると、これを実感しているのは、教育や福祉の現場などで実害を受けている人たち。数は限られていた。(中略)
妻は選挙前から「悲鳴を上げているのはごく一部の人たちでしょ」と言っていた。勝算ありと信じた私や参謀は、反対した妻や娘に負けた。
(引用終わり)

その通り!
民主党は、今国会を格差是正国会と名付け、小泉政権下で拡大した格差問題を最重要課題として臨んだ。たしかに、子供の学力には家庭の所得格差が影を落としている。年金生活者や障害者に対する負担が相対的に重くなっている。ワーキングプアと呼ばれる若い世代で生活や結婚、子育ては深刻だ。地方の格差も深刻だ。

政治は弱い人たちのためにあるのだ!
確かに正論だ。だから、格差是正法案を!
格差を拡大させる安倍政権を打倒せよ!
民主党にご支援を!

これで本当に民主党に対する国民的支持が広がるだろうか?いったい有権者の何パーセントがこの格差是正法案で救われるのだろうか?(疑問に感じた私たちは、この点で詳細な世論調査をかけるよう党本部に働きかけたが、いまだに実現していない。おそらく、政府与党はこの辺の市場調査は完璧にやっているのだろう。)

まがりなりにも政権交代を目指す以上、民主党は、弱い人たちだけの政策を掲げるのみで1億2千万余の国民に対する責任を果たしたことにはならないだろう。それこそ財界から、労働界から、子どもから、お年寄りから、女性から、男性から、資産家から、新しい貧困層にいたるまで、国民の各界各層に訴求できる包括的な政策パッケージを提示できなければならないはずだ。

それができたのが石原都知事で、できなかったのが浅野候補だった、と(石原陣営が言っているのではなく)浅野候補ご自身が述べておられるのだ。きわめて冷静な敗因分析だと思う。わが民主党は、浅野候補を担いで、敗れて、そういった総括をきちんとやっているのだろうか。それができなければ、少なくとも首都圏では、7月の参議院選挙は勝負にならないだろうと危機感を募らせている。残念ながら、このままの民主党では、とりわけ政治的な関心の高い無党派から支持を得ることはないだろう。

幸い、同じように危機感を共有する同志がいる。彼らと一緒に「首都圏連合マニフェスト」を準備する。党でできないなら、自分たちでやるしかない。
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温家宝中国首相国会演説

温家宝首相の国会演説は、練りに練り上げられたものだった。

あるときは大国として、あるときは発展途上国として、自らを都合よく使い分け、歴史認識、台湾問題、東シナ海をめぐる係争については、厳格に釘を刺し、歴史的には日本文化の源流が中国文明にあり、全体としては、戦中の甚大な被害にかかわらず、日本人を手厚く遇してきた度量の大きい道義国家中国を強く印象づけることを狙ったある意味で凄みのある演説だった。

この成長著しく、自信がみなぎる誇り高い大国を相手に、今後50年100年熾烈な競争を続けていかねばならないのが我が国の宿命だ。温演説を生み出した中国の外交力、演説を練り上げた知的インフラを考えれば、我が国が安閑としていられないことは火を見るよりも明らかだ。こういう指導者の演説の背景には並々ならぬ国家の意思、国民の覇気がなければならないだろう。

国対政治に明け暮れ、選挙対策政治に血道を上げるげている場合ではない。それこそ頭のてっぺんから足の先までをも緊張させ全身全霊を傾けてオールジャパンで外交力を高め中国に対峙しなければならない。

今はまだ人口以外は、経済、政治制度、軍事などあらゆる面で比較優位を保っているが、10年20年後まで約束されているわけではない。そんなことを改めて深刻に考えさせられた中国首相演説だった。
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温家宝来日で、台湾を考える

外務委員会で質疑に立つ。
今日は、温家宝首相が来日するタイミングで開催された外務委員会なので、さぞかし中国問題にで盛り上がると思いきや・・・。

第一質疑者は北朝鮮と米軍再編、第二質疑者はトルコ外交、第三質疑者は各省庁事務官の外務省への出向がどうしたこうした、第五、第六質疑者は、沖縄米軍基地再編問題。ホントにこの国の国会議員はピントはずれてる。

べつに当然のことで特筆大書するようなことではないが、そんな中で、私は対中政策を外務大臣に質した。それは、温首相訪日にこめられた日中関係のあり方、とりわけても台湾との関係に焦点を絞ったものだ。

昨年10月の安倍訪中以来、日中関係は劇的に好転した。それはそれで歓迎すべきことだ。しかし、どうも政府(そして財界応援団)の姿勢が前のめりであることが気掛かりなのだ。日中関係を強化するあまりに、ほかの大切な国益を毀損するようなことがあってはならない。

中国は、これまでも自国との関係を改善、強化するタイミングをとらえて、相手国に台湾切り捨てを迫ってきた経緯がある。有名なのは、大規模な財界ミッションを引き連れて訪中したクリントン大統領に「台湾に関する三つのNO」共同文書化を迫ったことだろう。

我が国においても、最近気になる出来事があった。それは、先月末に出された最高裁判決だ。光華寮事件訴訟といってピンと来る方がいれば、そうとうの事情痛か、法律専門家か、年配の方であろう。

じつに提訴から40年、上告審だけでも20年かかった判決である。迅速に当事者の権利関係を確定することが求められている民事訴訟にもかかわらず、20年も塩付けになってきたのは、この事件が中国と台湾との国際政治上の複雑な事情からだ。

我が国が正統政府として承認した中華民国が所有する学生寮から大陸中国の留学生の立ち退きを求めて起こした訴訟は、一審の最中に1972年の日中国交正常化が行われ、政府承認の切り替えにより、中華人民共和国が中国の唯一の合法政府とされ、中華民国の原告適格と所有権の帰属が争われることとなった。

大阪高裁はじめ下級審は、政府承認の切り替えにもかかわらず、台湾(中華民国)による光華寮の所有権を認める判決を下し、20年前に立ち退きを求められた寮生が上告した。それが今年1月末になって突如審理入りし、ほんの2カ月で判決に至ったのだ。しかも、最高裁判決は、承認を取り消された中華民国政府はもはや中国を代表する正統政府とは認められず、その政府から授権を受けた訴訟代理人には訴訟を遂行する資格はない。
(To be continued)
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