心の中のBYJと共に!

ようこそ!老年期まっしぐらのハルの韓国旅行時々国内旅行の記録です。最近は旅には出ても、報告アップが滞りがちですが…

映画観賞(2) 『逆鱗』

2014-10-08 | 映画

 

              

春の留学中の授業で大衆文化について学ぶ項があり、映画を見る必要に迫られました。

インタビュー試験でも課題の一つに映画の感想文があったので、当時上映が予定されて

いたものの中から『逆鱗』を選んでみました。好きなジャンルの史劇であったこと、正祖は

ドラマ『イ・サン』や『風の絵師』等で予備知識があったこと、主演の正祖を兵役除隊後初の

復帰作に、これを選んだヒョンビンが演じること等が選んだ理由です。

本当はもっとたくさんの作品を見たかったのですが、余裕がなくてこれ一作だけでした。

 

ヒョンビンは、BYJに嵌まり彼の他作品を見る為に、韓国ドラマを放映するチャンネルを

契約していた頃、見るともなく見ていた『アイルランド』という番組で初めて見て以来、その

端正な美しさに関心を持った俳優です。ファンというほどではないので、インターネットで

情報を追いかけたり、新作品を待ち焦がれる程の事はありませんが、ニュースなど偶然

見かければ、必ず目を通します。BYJとも親交がありそうなことも嬉しい要素です^^

 

さて、そんなこんなで期待して観賞したこの映画、期待が大き過ぎたのか、見終えて

妙な違和感がありました。ヒョンビンは期待を裏切らず素敵だし、ストリー自体の見所も

多いし、登場人物それぞれのキャラクターもよく描かれ俳優の演技にも文句はないし・・・。

一体何が不満なのかしら?

これと似たような違和感は前にも一度、BYJの『四月の雪』で感じたような気がします。

余りにも封切が待たれて大きな期待があった時の、自分の気持ちと見た第一印象の何だか

しっくりこない感じ、期待しすぎが原因だったのでしょうか?

 

 

今年4月末の封切りだったので、日本上映があるとしても来年以降になると思いますが

簡単に内容をご紹介します。

 

龍は中国や朝鮮で王になぞらえられる想像上の動物です。81枚あると云うその鱗は

胸にある一枚だけが逆さに生えているとか。そこに触れられると龍は激昂し、触れた者を

即座に殺してしまうのだそうです。このため、「逆鱗」は触れてはならないものを表わす

言葉となり、王の激怒を呼ぶような行為を指して、「逆鱗に嬰(ふ)れる」と比喩されるよう

にもなったと言います。

 

映画『逆鱗』は朝鮮王朝22代の王正祖が、祖父英祖の後を継いで即位した後の、ある

一日について描かれています。彼は11歳の時に、父を祖父の命によって殺されます。

米櫃に閉じ込められ餓死していく父を、なすすべなく見送らねばならなかった幼いイ・サン

その悲劇的な生い立ちとその後の聖君としての業績はドラマチックで、TVドラマにもよく

取り上げられるようです。

 

当時の朝廷は老論派(ノロンパ)が主流派として実権を握り、英祖の二人目の皇后

チョンスンワンフがその後ろ盾となっていたと言います。15歳で高齢の英祖の皇后になる

という「不遇」の人生を、政治的影響力を持つ事で慰めでもしたのでしょうか?

サド世子の死の背景には、この老論派と、老論派に対立する少論派(ソロンパ)の抗争が

あるとも云われています。罪人の子は王になれないため、英祖が夭折した長子の養子とし

世孫という王位を継承する資格を得ました。

 

その正祖が即位するや「余はサド世子の息子である!」と宣言したのですから、宣戦布告

したも同然です。世孫時代から幾度となく、暗殺の危機にさらされたそうですが、まさに

最大の危機が襲ってこようとする24時間を、正祖を取り巻く人間模様とそれぞれの思惑が

凝縮されて描かれます。

 

正祖を守るのは、幼き日より殺人鬼として育てられ内官として王宮内に送り込まれたものの

孤独な正祖に胸打たれたその日以来、常に傍に仕えてきたサムチェクと側近武官ホン・ク

ギョンの二人ですが、とりわけこの映画では正祖と共にサムチェクとその弟、暗殺者のウルス

も主役(級)です。

王宮の外には今にも敵方に加担し事を起こすべく隊列を整えて待機する将軍が居り…

一方王宮の奥深く王の寝所の屋根の上は、政敵が送り込んだ群れに包囲され~~。

 

「生きねばならない者、殺さねばならない者、助けねばならない者」こもごもの息詰まる闘いが繰り広げられる。

 

最も印象的なシーンは、サンチェクが並みいる高官たちが誰も答えられない正祖の要求に

こたえて語る中庸23章です。

小さなことも無視せずに最善を尽くさなければならない。

작은 일도 무시하지 않고 최선을 다해야 한다.

チャグン イルド ムシハジ アンコ チェソヌル タヘヤ ハンダ

 

小さなことにも最善を尽くせば丁寧になる。

작은 일에도 최선을 다하면 정성스럽게 된다.

チャグン イレド チェソヌル タハミョン チョンソンスロッケ テンダ

 

丁寧になれば表面に滲み出

정성스럽게 되면 겉에 배어 나오고

チョンソンスロッケ テミョン ぺオ ナオゴ

 

表面に滲み出れば見えるようになり、

겉에 배어 나오면 겉으로 드러나고

コテ ペオ ナオミョン コトゥロ トゥロナゴ

 

見えるようになると、たちどころに明るくなり

겉으로 드러나면 이내 밝아지고

コトゥロ トゥロナミョン イネ パルガチゴ

 

明るくなれば人を感動させ

밝아지면 남을 감동시키고

パルガチミョン ナムル カムドンシキゴ

 

人を感動させれば、たちどころに変わるようになり

남을 감동시키면 이내 변하게 되고

ナムル カムドンシキミョン イネ ピョナゲ テゴ 

 

変われば成長する。

변하면 생육된다.

ピョナミョン センユッテンダ

 

故に、ひたすら世の中で真心をつくす人だけが、

그러니 오직 세상에서 지극히 정성을 다하는 사람만이

クロニ オジッ セサンエソ チグキ チョンソンウル タハヌン サラムマニ

 

出て世の中を変えることができるだろう.

나와 세상을 변하게 할 수 있을 것이다.

ナワ セサンウル ピョナゲ ハルス イッスル ゴシダ

 


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6 コメント

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目力が凄い (たか)
2014-10-09 09:13:28
はるさんの日記を開いた途端・・・
釘付けされた一枚の写真
私、この俳優さん知りません。
精悍ですね
目力にクラクラきてしまいますね
何よりもハンサムですね
・・・・・・・・・朝からワタシなに書いてるんだろう

イ・サンは私も最後まで観たドラマですが
彼が(私、俳優さんのお名前を覚えるのが苦手なんです)ロッククライマーで有る事はご存知ですか?
ドラマ内容も然ることながら、そうした私生活が「イ・サン」というドラマを夢中にさせた一因でも有ります。

さて朝鮮王朝時代で偉大だった王と言えば、このイ・サン(正祖)と世宗ですよね。
前回、水原に行きましたがラストシーンの舞台となった水原華城は
残念ながら日暮れが迫ってしまい(民族村の帰り)
石段を見ただけで終ってしまいました。
韓国のドラマについて、はるさんの“しっくりこない”は
私も感じる事で
ドラマの最後を余りにも“端折り過ぎ”てしまう所にある様な気がします。
でも、イ・サンは例外でした。
“テス”が最後を上手に締めくくってくれましたから・・・

ずっと、はるさんの日記を呼んでいまして
お写真の俳優さんは、もしかしてイ・サンの俳優さんと同一人物?
そうなのですか?
何度も何度も見返しましたが印象が・・・どうも・・・


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いいでしょう! (はる)
2014-10-09 12:48:05
たかさん、こんにちは。

彼はヒョンビンといいます。有名なところではキムサムスン
新しいところではシークレット・ガーデンというドラマをやっていました。
題名を覚えられない彼らの何とかというソンへギョというかわいい女優と
カップルのドラマもありました。そのドラマは、脚本家が好きなのですが
そのドラマには、関心が湧きませんでした。

‘しっくりこない’件について、たかさんは、ストーリーの扱い方とか、作品の完成度とか
作品そのものについておっしゃっていると思いますが、私のは個人的な事情というか、
主観的な思いからくるものだと思います^^;待ちわびてやっと見たのに、
得られると思っていた感動が得られなかった、いいかえると‘がっかりした’とか
‘期待したほどではなかった’という意味です。
つまり主観的に描いていたその作品の中の主人公が、自分の思惑とは
違って見え、てしっくりこないのだろうと思います。


『イ・サン』のイサン役は、イ・ソジンという俳優です。もう随分前の『火の鳥』という
ドラマを見て、名前をインプットできました。ちょっと影があって芯のある
深い人間像を演じるのに適したキャラを持っていると感じています。
良いドラマを見ると、その主役を演じている俳優も好きになったような気になって
なんて気の多い人間だったのかと、自分で自分のことを呆れることがあります^^;
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Unknown (スジニ)
2014-10-09 16:13:06
全然 繋がらないとおもうんだけど、はるさんが最も印象的だというシーンを読んでたら

タムドクが 地図の前で 厳しい形相でチュギゴ チュユッコ チュギゴ!(だったかな?) と声を荒立てて言ってるシーン思いだしてしまいました。

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Unknown (はる)
2014-10-10 10:21:24
スジニさん、おはようございます。昨夜のお返事を少し整理して書き換えました。

繋がらなくは無いと思いますよ^^
タンドクは、その時凄く怒っていましたね。
その言葉は自分の部下や民の命を大切に思うタンドクに対し、相反する
進言をする者に向けられたものではなかったかと思います。
つまり民や兵士等取るに足りぬ存在だとする考え方への怒りがあったと思います。

映画の正祖も怒っていました。直接の契機は別件でしょうが、その根底には
民のことなど爪の先程も考えない重臣たちに対する怒りがあっただろうと思います。
それが中庸23章を唱和させるという行為に繋がったのではないかしら。

小さなこと(民)を大切にすることこそが大切だと、正祖もタムドクも言っている
のだと思います。

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映画 (ヘミババ)
2014-10-14 15:03:57
はるさん お久しぶりです。台風一過昨日の寒さが嘘のような晴天ですね。はるさんの様に歴史物に思い入れのないワタシですので(ミアネヨ~)、久し振りにTUTAYAさんで借りた映画繋がりで、久し振りに遊びに来ました。 なので、折角ご紹介の映画「逆鱗」に触れませんが、はるさんの逆鱗に触れませんように^^。意味のない言葉遊びはコノくらいにして。以前より観たかった「猟奇的彼女」と「僕の妻の全て」それとアメリカ映画新作。 最初、猟奇的彼女はアメリカ版リメイクの存在を知らず間違えて借りてしまいました。リメイクは何処の国でもしますが、原版を越えるのは難しいのに、それでも、各国、幾度と無く試みるのは自国民にむいた、若しくは、自分なら斯く斯く(かくかく)したい意欲に駆られるのかしら?  矢張り十年以上前の作品「イルマーレ」。幻想性には欠けましたが、わかり易さ、優しさ・・サンドラ・ブロック・キアヌ・リーブスのリメイク版もよく出来た作品で好きな作品の一つです。 代表的な黒沢作品「七人の侍」と殆ど内容は同じなのにアメリカ版「荒野の七人」はどちらも、娯楽作品で有りながら、趣が全く違いました。 それが、国民性であったり、個人の嗜好であったり・・はるさんが「四月の雪」に落胆したのも分かるし、「四月の雪」がスチール写真で見られたような、(挑発的発言でごめんね!)迎合的で有ったらワタシはついていけてないし・・・。 つ・ま・り、はるさんが、「逆鱗」で感じた不満?は、これと指摘できるけれど、空を切るようで、指摘は個人の胸の内で消化するっきゃ無い、歯がゆさを感じました。猟奇的も、僕の妻も映画の醍醐味と俳優の演技力に堪能しました。 どちらの作品にも人間愛が共通していました。 矢張り、映画ならではの容赦無しの緻密さ、ペ・ヨンジュンが監督を志願して止まない魅力が映画には有りますね。 先日TVで中井貴一が佐田啓二を語る番組を途中から見ました。ご存知のように佐田啓二は俳優として「王道」を歩んだ数少ない俳優の一人ですが、父親より長く生きて、役者として独自の地位を築きながら、超えたくても超えられ無い父を持ったことを、誇りに思う姿に深く感銘を受けました。 当時、佐田啓二に演技巧者であれと望んだ監督もファンも居なかったはずです。 故つかこうへいがペ・ヨンジュンに望んだモノは佐田啓二だったはずですが、残念ながら韓国の傾向は、佐田啓二的演技者ではないような気がしてなりません。ペ・ヨンジュンをヨン様と呼んだ功罪は、10年を経て、罪のほうが大きかった気がする今日此の頃です^^。長~い。 
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お返事遅れました! (はる)
2014-10-16 00:44:45
ヘミババさん、コメントいただいていることに気付かず、お返事が大変遅くなってしまいました。ごめんなさいね。

『「四月の雪」に落胆した』わけではないのですが、スクリーン上で展開して行く
映像が私のマウメ アントゥルリン ゴスン サーシリエヨ. (←のカタカナ韓国語を
意訳‐気に入らない、でなく直訳ー心に入らないで
がぴったり)
でもそれは、映画がつまらないというのとは違うんです。
その点は映画をこよなく愛する家族に総すかんを食いそうだから必死に
弁明しておきたいと思います^^;
映画そのものを楽しむには、あの映画の場合私は私の好きなぺヨンジュンに
思い入れがあり過ぎたのだとおもいました。映画の主人公インスではなく
インスにペヨンジュンを見ようとして自滅したようです。

彼にいろんなキャラを演じてもらって、自分がどう受け止められるか
家族として成長できているかどうかもみてみたいのに・・・今その機会が与えられ無いのが本当に残念です。

功罪、色々多種にわたってあるんだろうな・・・家族の愛が重いことも、時に
どころか韓流の第一人者として突出すればするほど
表裏一体で、大変なものも同時に抱えるのだろうな・・・
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