ひとり語り 劇車銀河鐵道 いちかわあつき

 ひとり語りの口演や、絵本の読み語りなどの活動をしています。
 何処へでも出前口演致します。

「芝居公演を終えて1週間が経ちました」から約2ヶ月が経ちました。PART 6

2008-07-27 14:37:42 | Weblog
 今日は市内の文化会館で行われた「保育のつどい」にゲストとして出演させてもらい、斉藤隆介・作「モチモチの木」を語らせてもらいました。
 子供たち一人一人が、良く生命を養い、明るい未来を切り拓いて行けるようにとの願いを込めて、語らせてもらいました。

 さて、お話のつづきを書いていきます。
 ジャズダンスの先生Mさんとのコラボレーションとして立ち上がったこの芝居公演の企画は、ピアノの先生Yさんにも参加してもらい、名称を「トレフルの会」として、スタートさせました。
 トレフルとは、フランス語でクローバーのこと。三つ葉のクローバーを意味するトレフルで3人だけの芝居が始まったのです。

 芝居の題名は「真夜中のレストラン」。フランスを思わせるヨーロッパのとある国のとある町、つぶれかかったレストランのオーナーと、そのレストランに棲みついた2人の幽霊の織り成す、時代と時空を越えた恋の物語。
 踊りに歌に生ピアノ演奏を取り入れた1時間余りのステージを創りだそうと始めましたが、それは山あり谷ありの1年でした。
 芝居は初めてだというYさんと、学生時代以来というMさんのために、まずは本番公演の日時を決めず、出来ると自信が付いたら、という約束ではじめたのです。
 読み合わせから半立ち、立ち稽古と進めていくのに、どれだけの時間を費やしたでしょう。
 いろいろとぶつかり、これはもうダメかなと考え、暗礁に乗り上げかけたこともありました。
 しかしそれが芝居つくりの基本。解らなければ解らないといい、言葉を尽くす。
そして納得した上で、次に進む。葛藤の日々でした。

 そうして、半年が過ぎた頃ようやく出来そうな気配が生まれて、翌2005年3月27日を公演本番と決めて、再スタートとなったのです。
 週に1日程度の稽古。それも稽古場はなしお金もなし。公民館の部屋を借り、会場費は3人で割り勘で負担し、掛かった経費はすべて後でチケットを売った売り上げでペイしようという、自転車操業的芝居公演でした。

 そして、 約160名の観客を動員し、そのたった1回きりの本番公演は、無事終了しました。1年の成果をその1回きりの公演にかけた、結晶のような舞台でした。家族や友人、多くの方々に応援してもらって実現できた舞台でした。
 僕はこの芝居が出来なかったら、もう2度と芝居はやめようと思っていました。まあ、何度もそう思ってはまたやっていると、これまでを読まれてこられた方は、思われているだろうと思いますが、そうですね。まったくそうみたいです。でもその時は真剣です。2年前の舞台でのある種のトラウマを払拭させるための自分自身への挑戦でもありました。
 MさんもYさんも本当に最後までよくついて来て頂けたと、今もって感謝に堪えません。
 いろいろあって「トレフルの会」での第2回公演は実現が難しそうなのですが、これが、毎年僕が演劇活動を続けていくようになる、キッカケを作ってくれた舞台でした。

 さあ、次回はいよいよ、最初に戻って、演劇ユニットマーシュマロウの話が出来ると思います。