ひとり語り 劇車銀河鐵道 いちかわあつき

 ひとり語りの口演や、絵本の読み語りなどの活動をしています。
 何処へでも出前口演致します。

もう5月も終わりです。

2007-05-30 08:48:57 | Weblog
 今日は5月30日(水)。今日明日の2日で、もう5月も終わりです。5月中に済ませておこうと思っていた事々を、遣り終えずに6月に入りそうです。
 私はこの頃よく思います。これまでの人生において、本当に真剣に一所懸命に物事に対処して来ただろうかと・・・・・・。その時々に一応はベストを尽くしたつもりでも、もっと粘ることも、もっと突き進むことも必要だったのではないかと。
 司馬遼太郎の「坂の上の雲」の主人公の一人秋山好古の言葉に、「男子一生のうちに一事を成せば足る」というのがあります。男子と言うところは、人は、に言いかえたとして、私はその一事も、半事すらも、今だ成してはいないのです。この頃そんな思いが、強く沸き起こっています。年に一度の芝居公演を終えて、少しエアポケットにでも入り込んでいるのでしょうか。
 そうそうお芝居といえば、老けたメイクの顔ばかりを掲載したので、素の顔も載せておきます。でも、この写真じゃ、わからんか。

ひとり語りについて PART 4

2007-05-25 14:05:40 | Weblog
 今日は久々に、ひとり語りについてお話しようと思います。僕は常々「語りは酒造りに似ているなぁ」と、思うことがあります。
 酒造りはまず、米作りから始まります。その米を精米し、きれいに磨ぐ。そして洗米し、大釜によって蒸され、その蒸された米に酒母と呼ばれる酵母菌がまかれ、高温の室の中で醗酵を待ちます。やがてそれはタンクの中で、仕込み水と出会い、もろ味を作っていく。まぁ、こんなところがざっとした酒の仕込みでしょうか。
 語りでは、まずその語られる物語、お話があります。それは既成のものにしろ、また創作のものにしろ、その元となるお話があって、それを読む。つまり米作りの段階です。苗作りから田植え、そして稲刈りと、米は物語を有していく。それを刈り取るところから、仕込みは始まります。要するにお話を覚える、暗記するという自分の言葉として獲得していく為の、作業が始まるわけです。
 覚えてしまった段階で、仕込が終わるというのであれば、事は簡単です。もろ味となったタンクの酒は、プチプチともろ味の歌を唄い、蔵人は櫂を入れて、温度調節をし、程よい醗酵を促していく。ここが、酒作りの一番の難所かもしれません。
 語りもそうです。仕込まれたお話にどう色を付けていくか。そして何より大事なのは、熟成させること。寝かせておく期間が必要だと言うことです。
 仕込まれた酒はやがて火入れされ、濾過されて醸造酒となります。が、すぐに飲んでもそれは若造りの酒。熟成されたものとはまた一味違う。物語作品を語ってゆく、語り芸の妙は、それによく似ていると思うのです。ちょっとわかり難かったでしょうか。

芝居公演より1週間が経ちました。

2007-05-20 19:18:33 | Weblog
 芝居公演が終わり、ちょうど1週間が経ちました。ほっと一息という感じもありますが、次の仕事に向けて執筆、口演とぼちぼち通常のサイクルに戻りつつあります。
 殊に今年の夏は、語りの新作を予定していますので、それにある程度の時間を費やそうと奮闘中です。ひとり語りとしては初めてのオリジナル物。といっても、正確には脚色物ではあるのですが・・・。とにかくちょっと大人向けのものになりそうです。
 いやぁ、そうはいっても器用な方ではないので、芝居バージョンから語りバージョンへの切り替えには少々時間がかかりました。今日語り口演をさせてもらったのですが、エンジンのかかりが、正直鈍かったです。
 もちろん来年のお芝居の戯曲にもそろそろ取り掛かろうとも思っています。でも今一番したいことは、仕事です。出前口演等ご依頼ください。お待ち致しております。

「帰りなむ、いざ」エピローグ

2007-05-17 11:10:39 | Weblog
 マーシュマロウという演劇ユニットで、2年連続での多治見公演を催すことが出来ました。その前のトレフルの会というユニットでのオリジナル作品の上演を加えると、3年連続ということになります。
 制作費ゼロ。すべてにおいて何もないところからの芝居作りでした。ただあるのは本と、私と芝居を創ってくれると集まってくれた、殊勝な、かつ演劇に愛情を持っておられる方々の無償な力だけでした。しかし、その力に勝るものはありません。お金を懸けた華やかな舞台はできなくとも、何にも変えられないものを、今回も、得られたように思います。観に来て頂いたお客様はもちろんのこと、この芝居作りに携わっていただいたすべての方々に、この場をお借りして、御礼申し上げます。ありがとうございました。そして今後ともよろしくご支援の程を、お頼み致します。 

「帰りなむ、いざ」第3場面PART2

2007-05-16 17:49:27 | Weblog
 女子大生の話を聞き、故郷へ帰るのを断念する老夫婦。さて彼らの帰るべき場所は一体どこにあるのでしょうか。
 私はこの芝居においてかなり饒舌に主人公の老人に語らせています。しかし、この一言がいいたかったから、この芝居を書いた。と言っても過言ではありませんでした。ラストの場面で老人辻峰主税が、妻フミコに向って言うこのセリフです。
「人は迷惑をかけたりかけらりたり、世話をしたりされたりして、そうやって生きていっていいんだ。俺たちが誰かを助けられるのなら、一生懸命助けよう。もし俺たちが誰かに助けてもらわなければならないなら、誰にだって助けてもらおう。なあフミコそうやって生きていこう。なりふりかまわず行けるところまで行ってみようじゃないか・・・」
 そして二人であてなく歩き出していきます。チャップリンの「モダンタイムス」のラストで、チャーリーとポーレットが観客に背を向けて遠く去っていくのとは逆に、観客に正面向いて明るく去っていくエンディングで、この芝居は終わります。

「帰りなむ、いざ」第3場面PART1

2007-05-16 14:37:42 | Weblog
 第2場で知り合った釣り人槌田靖夫が、上りの電車で去った後、一人の女性がその電車から降りた様子で、待合室へとやって来ます。彼女は動物の生態学を研究する学生で、正にこれから老夫婦が向おうとする場所から来たと言うのです。
 彼女の話から、老夫婦の故郷はすでに廃村となり、誰も住んではいないというのでした。 

「帰りなむ、いざ」第2場面

2007-05-14 22:32:21 | Weblog
 第1場で、上りの電車に乗って学校へ行く女子高生を見送った老夫婦は、そこに居残り、下りの電車を待つべく、駅の前の草原で昼食の準備を始めます。そこへ渓流釣り帰りの槌田靖夫が、夫婦のささやかなランチをのぞきます。3人はうち興じて世間話が弾んでゆくのでした。


マーシュマロウ第2回公演「帰りなむ、いざ」無事終了しました。

2007-05-14 16:35:18 | Weblog
 5月12・13日と、まなびパークたじみ7Fホールで、上演したマーシュマロウ第2回公演「帰りなむ、いざ」は、無事公演を終えました。120名程のお客様に観劇いただき、本当にありがとうございました。
 日曜日には雨が降るという予報だったのが、運良くはずれ、お天気にも恵まれる形で、二日間の公演が終えられたことに、今ほっと胸を撫で下ろしています。
 これより各場面の写真とあらすじを添えて紹介していきます。まずは1場面、老夫婦と女子高校生の場面です。リゾート型有料老人ホームを抜け出した二人は、 りゅうがせ という無人駅へとやって来、そこから50年以上ぶりに自分たちの故郷へ帰ろうとします。が、中々電車がやってきません。そこで1番最初に出会うのが、遅刻して駅にやって来た女子高生でした。

  

ゴールデンウイークも今日で最後、いよいよ公演が・・・・・・。

2007-05-06 11:20:09 | Weblog
 今日5月6日でゴールデンウイークも終わり、いよいよ今週末はマーシュマロウ第2回公演「帰りなむ、いざ」の本番を迎えます。 
 今回のこのお芝居、結構しっかりとしたセットをプランニングしてしまったので、4月末からこのゴールデンウイークは大道具作りにかなりの時間を費やしています。もう8割方は出来てきましたが、あと一息と言うところです。ローカル線の田舎の無人駅の雰囲気が作り出せるか、舞台に建てて明かりを入れてみるまで未知数なところがあります。
 すべてに手作りのこの芝居、追い込みに入って大道具に汗を流していますが、芝居の方も仕上げにかからなければなりません。気を引き締めて、ラストスパートです。